Microsoftは、Windows 11のフォトアプリにおいて、画像内のテキストを抽出できる光学式文字認識(OCR)機能の提供を再開した。この機能は、2024年10月に一度導入されたが、改良のため同年11月に一時停止されていた。今回、Windows Insiderプログラムの全チャネルで再び利用可能となり、OCRボタンのデザイン変更や読み込みアニメーションの追加など、ユーザー体験の向上が図られている。

一般ユーザーへの提供時期は未定だが、Insiderプログラムに参加しているユーザーは、最新のフォトアプリを通じてこの機能を試すことができる。画像からテキストを簡単に抽出できるこの機能は、日常の作業効率を大幅に向上させる可能性がある。

OCR機能の復活によりフォトアプリの実用性が向上

Windows 11のフォトアプリにOCR機能が再導入されたことで、画像内のテキスト抽出が可能になり、日常的な作業の効率が向上すると期待される。特に、スクリーンショットや写真の中の文字情報をそのままコピーできるため、手動での入力が不要になる。これは、資料作成や翻訳、書類整理など、さまざまな場面で役立つだろう。

MicrosoftはOCRボタンのデザインを変更し、すべての画像に常時表示される仕様とした。これにより、ユーザーは画像内のテキストの有無を気にせず、ワンタップでOCRを試すことができる。また、読み込み時のアニメーションが追加され、処理の進行状況が視覚的に分かりやすくなった。

この変更は、「ペイント」や「切り取り&スケッチ(Snipping Tool)」のUIと統一されており、Windowsアプリ全体の使い勝手を向上させる狙いがあると考えられる。

OCR機能は以前から求められていたが、一時的に提供が中断された経緯がある。Microsoftはバグ修正と最適化を進めた上で、再導入を決定した。現時点ではWindows Insider向けに提供されているが、安定性が確認され次第、一般ユーザーにも展開される可能性が高い。OCRを活用したいユーザーにとっては、今後のアップデート情報が注目される。

OCR機能の強化とWindows 11におけるAI活用の可能性

OCR機能がフォトアプリに統合されたことで、Windows 11の画像処理機能がより進化している。この流れは、MicrosoftのAI技術の活用と密接に関係していると考えられる。特に、同社は「Copilot+ PC」を発表し、AIを活用した機能の強化に注力している。フォトアプリのOCR機能が今後AIと連携し、さらに高度なテキスト認識や翻訳機能が統合される可能性もある。

現在のOCR機能は、画像からのテキスト抽出を主目的としているが、AIによる自動要約や要点抽出が加われば、さらに利便性が向上する。例えば、文書のスキャン後に重要なキーワードを抽出する機能や、AIによる手書き文字の識別精度向上が期待される。すでにMicrosoftはWindows 11の他のアプリにもAI機能を組み込んでおり、OCR技術の進化もその一環といえる。

また、OCR機能の拡充は、ビジネスユーザーだけでなく、個人ユーザーにも恩恵をもたらす。たとえば、撮影したメモや名刺から簡単にデジタルデータを抽出し、すぐに整理・活用できるようになる。今後のアップデートでOCR機能がどこまで進化するかによって、Windows 11の画像編集・管理機能の方向性が見えてくるだろう。

Source:Neowin