HPは、NVIDIAのGeForce RTX 5060およびRTX 5050ラップトップGPUを搭載した新モデルの開発を進めていることを確認した。これらのGPUは、HPのエントリーモデルであるVictus 15に搭載される予定で、低価格帯のゲーミングノートPC市場に新たな選択肢をもたらすことになる。

RTX 5050については、現時点ではデスクトップ向けの発表はなく、ノートPC専用となることが確定している。また、RTX 5060とRTX 5050の詳細な仕様は明かされていないが、RTX 5070のスペックを踏まえると、GB206またはGB207をベースにした設計となる可能性が高い。

さらに、メモリにはGDDR6が採用されるとみられ、エントリークラス向けのパフォーマンス調整が行われると考えられる。

HPはこれまで、RTX 2050、RTX 3050、RTX 4050といったエントリークラスのGPUをVictus 15に搭載してきたが、今回のアップデートでRTX 50シリーズへの移行が進む。新モデルの登場時期は明らかにされていないが、IntelのRaptor Lakeリフレッシュ版を採用する新型Victus 15と同時に発表される可能性がある。

NVIDIAはRTX 5060/5050の正式な発売日を発表していないものの、RTX 5070以上のモデルについては2月25日から予約受付が開始される予定だ。

NVIDIA GeForce RTX 50シリーズのエントリーGPUがもたらす性能と期待値

NVIDIAのRTX 5060およびRTX 5050は、50シリーズのエントリークラスに位置するGPUでありながら、従来のモデルと比較してどのような進化を遂げているのかが注目される。これらのGPUは、特にゲーミングノートPC市場においてコストパフォーマンスを重視するユーザー向けの選択肢となるだろう。

現時点で公式な仕様は発表されていないが、RTX 5070のスペックを基準にすると、GB206またはGB207といった新たなアーキテクチャが採用される可能性が高い。特にエントリー向けモデルは、消費電力を抑えながらも、より効率的なレンダリング性能を実現することが求められるため、CUDAコア数やクロック周波数の最適化が行われると考えられる。

また、RTX 5060およびRTX 5050は、GDDR7ではなくGDDR6メモリを搭載する可能性が指摘されており、これはコスト面と省電力性を考慮した選択といえる。メモリバス幅やTGP(Total Graphics Power)の調整によって、パフォーマンスがどの程度向上するのかが今後の焦点となる。

これまでのRTX 4050と比較して、レイトレーシングやDLSSの最適化が進むことで、エントリークラスでもより高いビジュアル品質を実現できることが期待される。

Victus 15に搭載されるRTX 5060とRTX 5050が狙う市場とは

HPのVictus 15は、手頃な価格帯でゲーミングノートPCを求める層に向けたモデルとして展開されてきた。これまでのシリーズでは、RTX 2050やRTX 3050といったエントリークラスのGPUが搭載されてきたが、新たにRTX 5060とRTX 5050がラインナップに加わることで、より多くのユーザー層にリーチできる可能性がある。

特に、ゲーミング性能を求めつつも、ハイエンドモデルまでは必要としない層にとって、RTX 5060およびRTX 5050は最適な選択肢となるだろう。RTX 4050と比較して、消費電力の最適化や新たなアーキテクチャの恩恵を受けることで、フルHD解像度でのゲームプレイにおいてより安定したパフォーマンスを提供することが期待される。

また、エントリークラスのGPUであることから、価格設定も重要な要素となる。RTX 5060とRTX 5050を搭載したVictus 15は、従来のモデルよりも若干の価格上昇が見込まれるが、性能向上がコストに見合う形で提供されるのであれば、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。

さらに、Victus 15の搭載CPUとしてIntelのRaptor Lakeリフレッシュ版が採用される見込みであるため、CPUとGPUのバランスがどのように調整されるのかも注目ポイントとなる。

RTX 5060/5050の登場がノートPC市場に与える影響

今回のRTX 5060およびRTX 5050の発表は、ノートPC市場にどのような影響をもたらすのかも気になるところだ。特に、これらのGPUはデスクトップ版の発表が行われていないため、ラップトップ専用として展開されることが確定している。この戦略が意味するのは、NVIDIAがエントリークラスの市場をノートPC中心に展開しようとしている可能性だ。

これまでのRTX 2050やRTX 3050と同様に、エントリークラスのGPUは特にモバイル環境でのゲームプレイやクリエイティブ作業をサポートする役割を担ってきた。RTX 5060/5050もこの流れを引き継ぎつつ、より高効率なグラフィックス処理を実現する方向へ進化していると考えられる。

また、消費電力を抑えながらも、最新のDLSS技術やレイトレーシング機能を活用できる点は、エントリーモデルにとって大きなメリットとなる。

今後の展開としては、RTX 5060やRTX 5050のパフォーマンスがどの程度の水準に達するのか、そして価格と性能のバランスが適切に取られているかが重要となる。特に、AMDが展開するStrix Haloのような高性能APUとの競争が想定されるため、NVIDIAがどのような差別化を図るのかも興味深いポイントとなる。

いずれにせよ、RTX 5060/5050を搭載するHPのVictus 15が市場に登場することで、ゲーミングノートPCの選択肢が広がることは間違いない。正式な仕様や価格の発表が待たれるが、エントリーレベルのゲーミング環境を求めるユーザーにとって、新たな選択肢が増えることは歓迎すべき動きだろう。

Source:VideoCardz.com