AMDの次世代GPU「Radeon RX 9070 XT」と「RX 9070」の詳細なスペックがリークされた。どちらのモデルもNavi 48 GPUを搭載し、357 mm²のダイサイズに539億個のトランジスタを内蔵。RDNA 4アーキテクチャを採用し、高い演算性能と省電力性のバランスを図っている。

RX 9070 XTは、64基のコンピュートユニットと4096基のストリームプロセッサを持ち、最大48.7 TFLOPSの単精度演算性能を発揮。一方、RX 9070(無印)は56基のコンピュートユニットで、最大36.1 TFLOPSの性能となる。両モデルとも16GBのGDDR6メモリ(256ビット、20 Gbps)を搭載し、第3世代のInfinity Cacheを64MB備えている。

PCIe 5.0 x16に対応し、XTモデルの消費電力は304W、無印モデルは220Wと公表された。リファレンスデザインは存在せず、AIBパートナーによるカスタムモデルのみの展開となる見込み。正式な発売は来月予定されており、価格の発表が待たれる。

Navi 48の実力とは RDNA 4がもたらす新世代の性能向上

AMDが次世代GPU「Radeon RX 9070 XT」と「RX 9070」に搭載するNavi 48は、357 mm²のダイサイズに539億個のトランジスタを備え、RDNA 4アーキテクチャを採用する。この構成は、前世代のRDNA 3と比較して大幅な処理能力向上を可能にするものとみられる。

特に、RX 9070 XTはフルスペックのNavi 48を搭載し、4096基のストリームプロセッサと64基のコンピュートユニットにより、48.7 TFLOPSの単精度演算性能を実現している。

一方、RX 9070はストリームプロセッサ数を3584基に抑え、消費電力をXTモデルの304Wから220Wへと削減。これにより、パフォーマンスを維持しつつ、電力効率を意識したバランスの取れたモデルとなる。両モデルともに16GBのGDDR6メモリを搭載し、メモリ帯域幅は640GB/sと高速。第3世代のInfinity Cacheが64MB追加されることで、メモリアクセスの高速化が期待される。

これらの仕様から、RDNA 4は計算処理能力の向上だけでなく、メモリや電力効率の改善も重視したアーキテクチャとなっていることがうかがえる。PCIe 5.0 x16対応も、最新のプラットフォームとの互換性を意識した設計といえる。これにより、次世代のゲームやクリエイティブ用途においても、高いパフォーマンスを発揮する可能性がある。

Radeon RX 9070 XTとRX 9070はどんな用途に最適か

RX 9070 XTは、ハイエンドゲーミングや高解像度の映像編集など、計算負荷の高い用途に適している。ゲームクロック2400 MHz、ブーストクロック2970 MHzという高い動作周波数と、64基のレイアクセラレーターにより、最新のレイトレーシング対応ゲームでも安定したフレームレートを提供できると考えられる。

また、AIアクセラレーターを128基搭載しているため、AIを活用した画像処理や機械学習用途にも応用が可能だ。

一方、RX 9070はXTモデルに比べて消費電力を抑えながらも、依然として高い性能を誇る。ブーストクロックは最大2520 MHzで、AIアクセラレーターは112基と、XTモデルよりやや抑えられているものの、一般的なゲーミングや映像制作には十分なスペックといえる。価格面でもXTモデルより手が届きやすいことが予想され、コストパフォーマンスを重視するユーザーに適した選択肢となるだろう。

両モデルの共通点として、16GBのGDDR6メモリと256ビットメモリバスの組み合わせが挙げられる。これにより、4K解像度でのプレイや、大容量データの扱いにも対応できると考えられる。さらに、HDMI 2.1bやDisplayPort 2.1a UHBR13.5に対応しており、次世代のディスプレイ環境にも最適化されている。

こうした点を踏まえると、RX 9070 XTは高性能志向のユーザー向け、RX 9070はバランスを求めるユーザー向けの選択肢となるだろう。

AIB専売モデルの影響と価格動向に注目

今回のRX 9070シリーズでは、AMD純正のリファレンスデザインが存在せず、AIB(アドインボード)パートナーによるカスタムモデルのみが提供されることが明らかになっている。これにより、メーカーごとの設計や冷却性能の違いが顕著になり、性能や価格にも影響を与える可能性がある。

特に、ハイエンドモデルのRX 9070 XTは、各社のOC(オーバークロック)モデルや独自冷却機構を備えた製品が登場することで、標準仕様を超えるパフォーマンスが期待される。

一方で、AIB専売となることで、価格の変動が大きくなることも考えられる。リファレンスデザインがあれば価格の基準が明確になるが、AIBモデルのみの場合、メーカーごとに価格設定が異なり、競争によって高騰する可能性もある。また、RX 9070シリーズは現行のRX 7900シリーズよりも下位モデルとなるため、価格設定がどのように行われるかが注目される。

発売は来月とされているが、競合となるNVIDIAのミドルレンジGPUとの比較や、市場の需要によっては価格変動が起こる可能性もある。特に、RTX 40シリーズとの性能・価格バランス次第では、AMDがさらなる競争力を高めるために価格を調整することも考えられる。今後の正式発表とAIB各社のモデル展開が、実際の市場評価を決定づけることになるだろう。

Source:VideoCardz.com