Apple M4を搭載したMac miniが、1980年代のレトロなデザインで登場した。手がけたのはColorWareで、ベージュとブラックの2色展開となる。筐体はマット仕上げのアルミニウム製で、CNC加工された通気口や、往年のカラフルなAppleロゴが特徴だ。
通常のMac miniとハードウェア仕様は変わらず、M4またはM4 Proの選択が可能。価格はデザイン変更により通常版よりも300ドル高い899ドルからとなる。限定生産とされているが、販売台数は明らかになっていない。
販売はColorWareのオンラインストアを通じて行われ、国際配送にも対応。ただし、保証対応はAppleではなくColorWareが行うため、海外の購入者は注意が必要だ。
復刻されたAppleのレトロデザイン なぜ今Mac miniで登場したのか
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Appleの製品デザインは、近年シンプルでモダンな方向へと進化してきた。その中で、ColorWareが1980年代のAppleコンピューターを思わせるデザインを採用したことは興味深い。特に、カラフルなAppleロゴやCNC加工の通気口は、クラシックなMacintoshの美学を意識したものだ。
このデザインが登場した背景には、近年のレトロブームがある。ゲーム機や音楽プレーヤーなど、過去の名機をリバイバルする流れが続いており、ColorWareのMac miniもその一環といえる。また、Apple自身が公式にレトロデザインを採用することはないものの、クラシックMacを愛するユーザーが一定数存在することも影響しているだろう。
一方で、Mac miniはAppleの製品ラインナップの中でも比較的手頃な価格帯にあり、カスタマイズの対象になりやすい。Mac StudioやMac Proではなく、Mac miniがRetro Editionとして登場したのは、その価格と手軽さが理由のひとつだと考えられる。ColorWareにとって、コストを抑えながらデザインを変えるのに適したモデルだったのではないか。
実用性はどう変わるのか レトロデザインの影響を検証
外観はクラシックなデザインに変更されているが、ハードウェアは通常のMac miniと同じであり、性能面での違いはない。M4またはM4 Proを選択できるため、処理能力は最新のAppleシリコンの恩恵を受ける。ポート類も変わらず、Thunderbolt 4、HDMI、USB-C、ギガビットイーサネットなどが揃っている。
とはいえ、デザインの変更が使用感に影響を与える可能性もある。特に、CNC加工による通気口が放熱にどの程度貢献するのかは気になる点だ。AppleのMac miniは、ファンを内蔵しつつも静音性に優れているが、ColorWareのデザインによって冷却性能が向上するかは未知数である。
また、カラフルなAppleロゴやマットな筐体の塗装は、経年劣化による影響を受けやすいかもしれない。通常のMac miniのシルバー仕上げは傷や汚れが目立ちにくいが、ベージュやブラックのマット仕上げは指紋や摩耗が目立つ可能性がある。見た目に惹かれて購入するユーザーは、使用時の取り扱いに注意が必要だろう。
海外からの購入は慎重に 保証や追加コストの課題
このRetro EditionのMac miniはColorWareのオンラインストア限定で販売され、米国以外の購入者にも発送される。しかし、保証についてはAppleの標準保証ではなく、ColorWare独自の対応となる点には注意が必要だ。Appleの公式サポートを受けられないため、万が一の修理時には米国へ送る必要がある可能性がある。
価格も通常のMac miniより300ドル高く、最小構成でも899ドルからとなる。加えて、海外購入の場合は輸入関税や送料がかかるため、最終的な支払い額はさらに高額になることが予想される。購入を検討する場合、事前に関税や配送コストを確認しておいたほうが良いだろう。
また、ColorWareは限定生産とアナウンスしているものの、具体的な生産台数は公表されていない。数量限定のため、早期に売り切れる可能性もある。特に海外からの購入者は、在庫状況をこまめにチェックし、注文のタイミングを慎重に見極めることが重要になる。
Source:NotebookCheck