Windows 11の最新アップデート「24H2」が正式にリリースされた。今回のアップデートは、2021年の初リリース以来最大規模のものであり、AI機能の追加やハードウェア要件のわずかな変更が含まれている。アップデートの取得方法や新機能、対応ハードウェアについて詳しく見ていこう。
Windows 11 24H2の特徴とは?
Windows 11 24H2は、2024年にリリースされた最新の大規模アップデートであり、同OSにとって3回目の重要な更新となる。このアップデートでは、特にAI機能の追加が注目されており、ユーザーの生産性向上を目指した新機能が多く搭載されている。たとえば、「Copilot+ PC」と呼ばれる新しいカテゴリのデバイス向けに開発されたAI機能があり、これによりPC操作の自動化や画像生成が可能になる。
さらに、今回のアップデートでは、Recall AIという新機能が導入されている。この機能は、ユーザーのPC操作履歴を追跡し、AIが効率的にタスクを支援するというものである。ただし、この機能をフルに活用するためには、高性能なハードウェアが必要とされるため、全てのWindows 11 24H2対応デバイスで利用できるわけではない。
また、基本的な動作要件は従来のWindows 11とほぼ同じであるが、SSE4.2命令セットとPOPCNTのサポートが追加されたため、古いプロセッサを使用している場合は注意が必要だ。これにより、AI機能を使う際の処理能力が向上する一方で、一部の古いデバイスはサポート対象外となる可能性がある。
アップデート手順:簡単インストールガイド
Windows 11 24H2をインストールするには、まず「設定」から「Windows Update」にアクセスし、最新のアップデートが利用可能かどうかを確認する必要がある。アップデートが表示されない場合は、「最新のアップデートをすぐに入手」を有効にして再度確認することで表示されることがある。
アップデートが利用可能な場合、ダウンロードとインストールをクリックし、プロセスが完了するまで待機する。その後、PCを再起動することで、新しい機能や改善が反映される。特に、アップデートの規模が大きいため、インストールに時間がかかることがあるが、これは正常な挙動である。
また、ISOファイルを直接ダウンロードしてインストールする方法もある。これにより、正式なリリースを待たずにいち早くアップデートを適用することが可能だ。ただし、この方法を使用する場合は、手動でのインストール手順に従う必要があり、基本的なPCスキルが求められる。
ハードウェア要件とAI機能の拡充
Windows 11 24H2のハードウェア要件は、従来のバージョンとほぼ同じであり、1GHzのデュアルコアCPU、4GBのRAM、64GBのストレージが最低条件となっている。また、UEFI、セキュアブート、TPM 2.0のサポートが必須である。ただし、今回のアップデートでは、AI機能を活用するための要件が追加されている。
特に「Copilot+ PC」向けのAI機能をフルに活用するためには、16GBのRAMや256GBのSSDが推奨されるほか、Snapdragon X EliteやX Plusといった専用のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を搭載したデバイスが必要となる。これにより、AIが高度な処理をローカルで行い、PCのパフォーマンスを向上させる。
一方で、これらの専用ハードウェアを搭載していないデバイスでも、24H2の基本的なAI機能は利用可能である。しかし、AIを活用した高度なタスクには、対応デバイスが必要となるため、AI機能を重視するユーザーは、ハードウェアのアップグレードを検討する必要がある。
クリーンインストールの方法と古いハードウェア対応策
Windows 11 24H2のクリーンインストールは、Rufusというフリーソフトを使うことで簡単に実施できる。この方法を用いると、TPM 2.0やセキュアブートといったハードウェア要件を満たしていない古いデバイスでも、アップデートを適用することが可能となる。
まず、Microsoftの公式サイトからWindows 11 24H2のISOファイルをダウンロードし、Rufusを使ってブート可能なUSBドライブを作成する。次に、USBドライブを使ってPCを再起動し、ブートメニューからUSBを選択してインストールを開始する。この方法では、システム要件をスキップするオプションも利用できるため、非対応のデバイスでも問題なくインストールが完了する。
ただし、古いデバイスにインストールする際には、システムの安定性に注意が必要だ。セキュリティ機能や新しいAI機能が一部制限される可能性があるため、最新のハードウェアを使用することが推奨される。それでも、新しい機能を試したい場合には、このクリーンインストール方法が有効な選択肢となる。