ComputerBaseは、AMD Ryzenの最新X3Dシリーズを含む4つのCPUモデル(9800X3D、7800X3D、9700X、7700X)を4.8GHzに固定し、性能比較を行った。テストは、同一クロックスピードにより周波数と3D V-Cacheの影響を明確にすることを目的とし、DDR5-5200メモリとASUS ROG X670E Heroマザーボードの共通プラットフォームで実施。
結果として、Zen5ベースの9800X3DはZen4の9700Xに比べ43%高速、同様に7800X3Dは7700Xより37%高いゲームパフォーマンスを発揮した。キャッシュ性能がクロック以上に影響を与える傾向が見られ、特にX3Dモデルが恩恵を受けている点が興味深い。
Zen5とZen4アーキテクチャの違いがゲーム性能に与える影響
Ryzen 7 9800X3Dと7800X3Dを4.8GHzの固定クロックスピードでテストすることで、Zen5とZen4アーキテクチャの違いがゲームパフォーマンスにどのように影響を与えるかが鮮明となった。
特に、Zen5の9800X3Dは、同じ周波数で動作するZen4の9700Xに比べて43%も高速なパフォーマンスを発揮しており、アーキテクチャの進化が与える影響を示している。これはゲーム性能において単なるクロック数の増加以上に、内部設計の刷新が寄与している証左といえる。
また、テストに使用されたゲームタイトルには『Cyberpunk 2077』や『Starfield』といった最新のグラフィック負荷が高いものも含まれており、最新アーキテクチャが従来のZen4と比較してどれほどの優位性を持つかを知るための重要な材料となっている。
この差異は3D V-Cacheのキャッシュ容量の違いに加え、処理能力を引き出すZen5の最適化が相まってもたらされていると考えられる。すなわち、単なるスペック以上の改善がゲーマーにとっての価値を向上させているのである。
3D V-Cacheの影響力とクロック数依存の限界
ComputerBaseのテストによると、3D V-Cache搭載モデル(X3Dシリーズ)は、従来のクロックスピード依存を超えた性能向上を示している。
例えば、同じZen5を搭載した9800X3Dと9700Xでも、前者が後者に比べて約43%高いフレームレートを発揮しており、これはキャッシュがもたらすデータ転送効率の違いを示唆している。また、7800X3Dは、非X3Dモデルである7700Xに比べて37%の性能向上が確認されており、ゲーム性能においてキャッシュがクロック数以上に重要な要素であることが明らかになっている。
このような結果から、AMDの3D V-Cache技術は、クロックスピードを増加させるだけでは得られない実用的なメリットを提供することが確認された。
今後、ゲーマーにとってクロック数のみに注目する時代から、キャッシュやメモリ構成も含めた総合的なスペックが重要視されることになるであろう。特に、eスポーツのようなリアルタイムでの高フレームレートが求められる環境では、X3Dシリーズが有利な選択肢となる可能性が高い。
Zen5のエネルギー効率がもたらすゲーミング体験の新時代
テストでは、Zen5コアのRyzen 7 9800X3Dが4.8GHz固定であっても、従来のZen4ベースのCPUに比べてエネルギー効率が高いことが確認されている。
9800X3DはZen5アーキテクチャを活かし、平均消費電力が62Wに留まっており、同じ設定である9700Xに比べ消費電力を抑えつつ高いパフォーマンスを発揮している点が注目される。この結果は、パフォーマンス向上と消費電力削減を同時に実現するZen5のポテンシャルを示しているといえよう。
特に、電力効率が優れることで発熱が抑制され、冷却システムの負荷も軽減されるため、静音性が重要なデスクトップゲーミングにおいてもZen5搭載のRyzen 9800X3Dは大きな利点を提供する。エネルギー効率の向上がもたらす冷却性能の低負荷化は、家庭環境での長時間のゲーミングにも最適であり、PCゲーミングの新たな時代を象徴する存在となり得る。