Nvidiaは、新たなホットフィックスドライバー「572.65」を公開した。今回のアップデートは、Windows 10およびWindows 11環境でPCがブラックスクリーンのまま起動してしまう問題を修正するものとなる。この問題は、特定のモニターとGPUをDisplayPort経由で接続した際に発生していた。
同社は先日リリースしたGameReadyドライバー「572.60」においても、RTX 5000シリーズを中心としたブラックスクリーンの修正を行っていたが、今回のホットフィックスでさらに対応を強化した。影響を受けるGeForceカードの詳細なファミリーは明示されていないが、過去のリリースノートからRTX 50シリーズが含まれる可能性がある。
なお、本ホットフィックスドライバーはNvidiaアプリやドライバー検索では提供されておらず、公式サイトからの手動ダウンロードが必要となる。DisplayPort関連の不具合は過去にも発生しており、今回の修正で安定性の向上が期待される。
Nvidiaのホットフィックス572.65が修正するブラックスクリーン問題とは

Nvidiaがリリースしたホットフィックスドライバー572.65は、PCがブラックスクリーンのまま起動してしまう不具合に対応するものだ。この問題は、Windows 10およびWindows 11環境で特定のモニターとGPUをDisplayPort経由で接続した場合に発生していた。ユーザーはPCを起動しても映像が表示されず、正常に使用できない状態に陥るケースがあった。
Nvidiaは、先日公開したGameReadyドライバー572.60においてもRTX 5000シリーズのブラックスクリーン問題を修正していたが、今回のホットフィックスでさらなる対応が行われた。しかし、今回の修正がどのGeForceシリーズに適用されるのかについて、公式発表では明言されていない。
リリースノートには、修正されたバグとして「PCが特定のモニターとDisplayPort接続時にブラックスクリーンの状態で起動することがある(5131002)」と記載されている。
これまでにも、DisplayPort関連の不具合は何度か報告されており、特に高リフレッシュレートの環境やDSC(Display Stream Compression)対応ディスプレイで問題が発生することがあった。今回の修正で、対象ユーザーにとって安定した動作環境が期待されるが、根本的な原因や影響範囲が完全に明らかになっていないため、今後のアップデート動向も注視する必要がある。
Nvidiaのホットフィックスはなぜ手動ダウンロードが必要なのか
今回のホットフィックスドライバー572.65は、通常のGameReadyドライバーとは異なり、Nvidiaアプリや公式のドライバー検索ページからは提供されていない。ユーザーはNvidiaの公式サイトの特定ページにアクセスし、手動でダウンロードする必要がある。この仕様は、Nvidiaのホットフィックスドライバー全般に共通する特徴であり、通常のドライバーとは異なる位置づけがされていることを示している。
ホットフィックスドライバーは、正式リリース前の特定のバグ修正を目的として提供されることが多い。今回の572.65も、DisplayPort関連の問題を修正するために早期リリースされた可能性がある。そのため、安定性が完全に検証されたわけではなく、影響を受けるユーザーのみが自己責任で適用することを前提としていると考えられる。
ただし、ブラックスクリーン問題が発生しているユーザーにとっては、このホットフィックスを適用することで解決につながる可能性が高い。Nvidiaの公式フォーラムやサポートページでは、こうしたホットフィックスドライバーの適用方法についても案内されることがあるため、問題が発生している場合は適宜確認することが推奨される。
今回の修正で解決しない可能性がある既知の問題
Nvidiaの最新ドライバーリリースノートには、修正された不具合とともに、現在も発生している既知の問題が記載されている。今回の572.65でDisplayPort関連のブラックスクリーン問題は修正されたが、依然として他の問題が残っている可能性がある。
例えば、Nvidiaの過去のリリースでは、「通知領域にGPUアクティビティアイコンを表示する設定が、PCを再起動するまで適用されない」「HDRを有効にした状態でゲームをプレイすると、IRQL NOT LESS OR EQUAL 0xaのブルースクリーンエラーが発生する可能性がある」などの既知の問題が指摘されていた。
これらのバグは、今回のホットフィックスとは別の問題であり、今後のアップデートでの対応が期待される。
また、DisplayPort関連のトラブルは過去にも多数報告されており、高リフレッシュレート環境や特定のGPU設定によっては、依然として新たな不具合が発生する可能性もある。そのため、ドライバーアップデート後も安定性を確認し、必要に応じて過去のバージョンにロールバックすることも検討すべきだ。
Nvidiaは今後も追加の修正を行う可能性があるため、特に最新のGeForce GPUを使用しているユーザーは、リリースノートや公式サポート情報を定期的にチェックすることが重要となる。
Source:Neowin