DellのPCユーザーが、Windows Defenderが最新のファームウェア更新を「Trojan/Vigorf.A」と誤認する問題を報告している。この誤認はWindows 10および11で発生しており、ファイルが自動的に隔離または削除されるケースもあるという。Microsoftはこの問題を認識しており、今後のアップデートで対応が期待されている。現在のところ、この検出は誤検知と見られており、Dellデバイスに危険はないとされている。

複数ユーザーが報告:Windows DefenderがDell更新をマルウェアと判断

多くのDellユーザーが、自身のPCでWindows Defenderが公式のファームウェア更新をTrojan/Vigorf.Aとして誤認する現象に直面している。この問題は、更新プログラムがWindowsのセキュリティシステムによりマルウェアとして誤検出され、重要なファイルが自動的に隔離または削除される結果を招いている。報告は主にWindows 10および11の環境で発生しており、影響を受けたユーザーは、DellおよびMicrosoftの公式フォーラムでこの問題について議論を展開している。

この問題がどのような条件で発生するかの詳細な原因は特定されていないものの、ファイルの検出は通常、バックアップやシステム修復用のフォルダに関連していると見られている。特に、Dell UpdateやSystem Repair Snapshotsといったファイルが誤ってウイルスと認識されるケースが多く報告されている。

誤認はWindows 10および11バージョン22H2で発生

この誤検知の問題は、特にWindows 10および11の最新バージョンである22H2をインストールした環境で確認されている。影響を受けたユーザーは、PCを起動するたびにWindows Defenderが脅威を検出し、Dell関連の更新プログラムを隔離するという事態に直面している。これにより、システムの安定性に影響が出るだけでなく、一部の重要なファームウェアの更新が無効化される可能性も生じている。

ユーザーは手動でファイルを復元するか、Microsoftのフィードバックハブを通じて問題を報告する必要があるが、こうした誤認はセキュリティシステムが最新の更新に適応する過程で生じることが多いとされる。DellやMicrosoftが提供する公式サポートによると、この問題は将来のアップデートで修正される見込みであるという。

ファイルの隔離や削除の事例も確認される

Windows DefenderがDellのファームウェア更新を誤検出することにより、複数のユーザーがファイルの自動隔離や削除といった事態に直面している。このプロセスでは、PCのバックアップやシステム修復用のファイルが脅威と見なされるため、通常の操作に支障をきたす可能性がある。たとえば、「C:\ProgramData\Dell\SARemediation\SystemRepair\Snapshots\」内のファイルが対象となることが多く、Windowsの影のコピー領域にも影響が及ぶことが報告されている。

こうした自動的な対応が行われると、ユーザーは手動でファイルを復元する手間を強いられるほか、システムの安定性にも懸念が残る。Microsoftは、この誤認がセキュリティシステムの誤作動によるものであり、DellのPCには実際には脅威が存在しないことを確認しているが、こうした状況が続く限り、ユーザー側での慎重な対応が求められる。

Microsoftは問題を認識し、調査中

Microsoftは、Windows Defenderによる誤検出の問題を認識しており、現在調査を進めている。同社は、今回の問題が最新の「Patch Tuesday」アップデートに関連しているかどうかを含め、詳細な原因の特定に取り組んでいるという。現時点ではDellユーザーのみに影響が限定されているが、今後のアップデートで他のデバイスにも同様の誤検知が広がる可能性が懸念されている。

Microsoftはユーザーに対し、フィードバックハブを通じてこの問題を報告するよう呼びかけており、Dellも公式サポートを通じて必要な情報を提供している。ユーザーは、システムの復元ポイントを活用するなど、誤検出への暫定的な対策を講じることが推奨されている。Microsoftは今後数日以内に追加の情報を提供する予定であり、問題の早期解決が期待されている。