レノボが開発中とされる新型ハンドヘルドデバイス「Legion Go S」の詳細がリークされた。ファームウェア解析を基に、このデバイスにはAMDのZen3+アーキテクチャが採用される可能性が高いことが判明した。SKU番号「8ARP1」が示すように、Ryzen Z1シリーズよりも古い設計ながら、8コアを搭載することで一定の計算能力を保持するとみられる。
新チップのパフォーマンスは、CPUやGPU性能でZ1 Extremeを下回る一方、Ryzen Z1バニラモデルを凌ぐ可能性が指摘される。また、次世代Ryzen Z2シリーズとの関係性も噂されており、同デバイスがCES 2025での新製品群発表に向けた先行モデルとなるのか注目されている。
このリークにより、ハンドヘルド市場でのレノボの戦略がより鮮明になる中、具体的な性能や価格設定に関する情報が待たれる状況である。
Legion Go Sが搭載するZen3+アーキテクチャの詳細と期待される性能
Legion Go SはAMDのZen3+アーキテクチャを搭載することが示唆されているが、これはRembrandtアーキテクチャとも呼ばれる設計である。このアーキテクチャは、電力効率と計算能力のバランスを重視しており、モバイルデバイスでの活用を念頭に置いた設計が特徴である。具体的には、8コア構成が示されており、Ryzen Z1シリーズの「バニラ版」を超えるパフォーマンスを発揮する可能性が高い。
一方で、GPU性能に関しては最新のZen4アーキテクチャを採用したZ1 Extremeには及ばないとされるが、ハンドヘルドデバイスとしては十分な性能を持つと考えられる。
Videocardzの解析によると、このアーキテクチャは最新ではないものの、コストと性能の両面で優位性を持つ可能性があり、競争が激化する市場において重要な選択肢となるだろう。レノボがこの設計を選んだ背景には、バッテリー駆動時間の延長や価格競争力の確保といった戦略的意図があると考えられる。
次世代Ryzen Z2シリーズとの関連性と市場への影響
CES 2025での発表が噂されるRyzen Z2シリーズは、Legion Go Sに直接的な影響を与える可能性がある。このシリーズにはRyzen Z2G、Z2、Z2 Extremeという3つのラインアップが含まれるとされ、それぞれ異なるアーキテクチャが採用される見込みである。特に、Hawk PointやStrix Pointといった最新技術が用いられることが示唆されており、AI処理能力の強化や省電力化が進むことが予想される。
Legion Go Sがこの新シリーズとどのように位置づけられるかは市場戦略に大きく関わる。仮にZ2Gが同デバイスに採用されるとすれば、最新技術を盛り込んだ製品として市場の注目を集めるだろう。一方、既存のZen3+を採用し続ける場合、価格面や生産効率の観点で競争力を確保する道を選んだ可能性がある。この選択は、コアゲーマー向けかカジュアル層向けかというターゲットの違いにも影響を及ぼすだろう。
レノボのハンドヘルド戦略に見る市場競争への挑戦
LenovoがLegion Go Sで示す戦略は、単なる性能競争ではない。市場全体を見ると、Steam DeckやASUS ROG Allyといった競合製品が存在し、各社が独自の価値を提供しようとしている。レノボは、この市場での差別化を図るために、コスト効率やデザインの工夫を重要視していると考えられる。
特にLegion Go SがZen3+アーキテクチャを採用した点は、競合に対する価格優位性を確保しつつ、性能を一定水準に保つバランスを狙ったものと推測される。加えて、ファームウェア情報が示すように、規制認証プロセスに進んでいる点から、発売までの準備が着々と進行中であることがうかがえる。競争が激化する中、レノボの次なる一手がどのような形で市場に現れるか注目が集まる。