NVIDIAの次世代グラフィックカード「GeForce RTX 5070 Ti」の性能がリークされた。GeekbenchのOpenCLベンチマークにより、そのスコアはRTX 4080 SUPERを上回り、RTX 5080にも迫ることが判明した。
このテストでは、AMD Ryzen 7 9800X3Dと32GB DDR5-6000メモリを搭載したシステムで計測され、RTX 5070 Tiは248,739ポイントを記録。RTX 4080 SUPERより約1%、RTX 4080より約3%高速な結果となった。さらにRTX 5080との差はわずか4%にとどまり、ゲーム性能においても同等レベルになる可能性が高い。
RTX 5070 TiはGB203 GPUを採用し、CUDAコア数は8960基、メモリは16GB GDDR7を搭載。メモリ帯域幅は896GB/sと、前世代モデルから78%の向上を実現している。価格は749ドルと、RTX 5080(999ドル)よりも手頃でありながら、性能面では十分な競争力を持つ。発売予定日は2月20日で、NVIDIA純正モデルは提供されず、AIBパートナー製のカードのみとなる。
AMDのRX 9070シリーズも3月に登場予定で、価格帯の近いモデルとの競争が激化する見込みだ。RTX 5070 Tiはコストパフォーマンスに優れた選択肢として、ゲーマーにとって注目のモデルとなるだろう。
RTX 5070 Tiのメモリ仕様と新世代GDDR7の影響

RTX 5070 Tiは前世代のRTX 4070 Tiと比較して、メモリ仕様が大幅に強化されている。16GBのGDDR7メモリを採用し、帯域幅は896GB/sに達する。これは、RTX 4070 TiのGDDR6Xメモリと比べ約78%向上しており、ゲームだけでなく、クリエイティブ用途やAI処理など、広範なタスクでの高速化が期待できる。
特に、高解像度テクスチャの使用や、大量のデータを処理する最新ゲームでは、このメモリ帯域の強化がパフォーマンス向上に直結する。
GDDR7メモリは、新しいPAM3変調方式を採用し、従来のGDDR6XのPAM4よりも低消費電力で高い帯域幅を実現している。これにより、消費電力を抑えつつパフォーマンス向上が可能になり、冷却設計の負担も軽減される。特に、オーバークロック時の安定性や長時間の高負荷動作において、従来よりも発熱の抑制が期待できる。
この進化は、4K解像度や高フレームレートでのゲーミング環境を求めるユーザーにとってメリットが大きい。RTX 5070 Tiは、高解像度環境でのパフォーマンスを重視した設計になっており、VRAMの容量不足によるフレーム落ちやスタッタリングの発生を抑えることができるだろう。
加えて、AI処理や機械学習、ビデオ編集のようなメモリ負荷の高い作業にも適しており、ゲーミング以外の用途でもその恩恵を受けられる。
RTX 5070 Tiのコストパフォーマンスと競争環境
RTX 5070 Tiの価格は749ドルで設定されており、RTX 5080(999ドル)よりも250ドル安価でありながら、性能差はわずか4%程度に収まる。この価格設定は、ゲーマーにとって非常に魅力的であり、高いコストパフォーマンスを実現している。特に、前世代のRTX 4070 Ti SUPERと比較しても、同じ価格帯でありながら、より強力な性能を提供している点が注目される。
さらに、RTX 5070 TiはDLSS 4に対応しており、フレーム生成技術によるさらなるパフォーマンス向上が見込める。特に、DLSS 4 MFG(Multi-Frame Generation)によって、ネイティブレンダリング時のフレームレートの約2倍を実現できるため、4K解像度でのゲーミングでも快適な体験を提供することが可能だ。これにより、RTX 5080との差はさらに縮まる可能性がある。
一方、競合となるAMDのRX 9070シリーズが3月に登場する予定であり、価格と性能のバランスが鍵となる。特に、AMDはInfinity Cacheを活用した効率的なメモリ設計を採用しており、純粋な帯域幅だけでなくキャッシュヒット率の向上による高速化を狙っている。これに対して、NVIDIAはDLSS 4やRTコアの最適化によって優位性を確保しようとしており、今後の実ゲームでのパフォーマンス比較が重要になるだろう。
また、NVIDIAはRTX 5090、RTX 5080、RTX 5070にFounder’s Edition(FE)モデルを提供するが、RTX 5070 Tiに関してはAIBパートナー製のみとなる。これにより、各メーカー独自の冷却設計やOCモデルが登場する可能性が高く、ゲーマーにとって選択肢が広がることになる。RTX 5070 Tiは、価格と性能のバランスに優れた選択肢として、競争の激しい市場において大きな注目を集めるだろう。
Source:Wccftech