Microsoftは、Windows 11の過去2年で最大のアップデート「24H2」のリリースを発表した。このアップデートには、全く新しいエネルギーセーバーモードやWi-Fi 7、USB4 2.0などのハードウェア向けの機能強化が含まれている。また、ペイントアプリやフォトアプリの新機能も搭載され、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待される。
アップデートは段階的に提供され、2018年以降のPCで問題なく動作する見込みだが、古いCPUはサポートされないため注意が必要だ。
大規模アップデート「24H2」リリースへ
Windows 11の最新アップデート「24H2」は、過去2年間で最大規模の機能強化をもたらすとされている。このバージョンは、前回の「23H2」がセキュリティの強化を中心としていたのに対し、幅広い新機能と改善を提供することが特徴だ。特に、エネルギーセーバーモードの刷新やハードウェア性能の向上に注目が集まっている。このアップデートは、Windows 11の22H2または23H2を使用しているユーザーに対して、段階的に提供される予定である。
これにより、利用者はOSの使い勝手が向上し、最新のテクノロジーに対応した環境を享受できる。新機能の追加やパフォーマンス改善が実施される一方で、古いハードウェアに対するサポートは一部終了する見込みであるため、最新のPCに対する対応が一層重要となる。Microsoftは、今回のアップデートを通じて、Windows 11をより現代的なコンピューティング環境に最適化する意向を示している。
新しい機能とハードウェア強化
「24H2」では、多くの新しい機能とともに、ハードウェア面でも大幅な強化が図られている。特筆すべきは、USB4 2.0ポートによる最大80 Gbpsのデータ転送速度のサポートや、Wi-Fi 7の対応である。これにより、データ通信速度の大幅な向上が期待されており、これらのハードウェア強化は、特に高パフォーマンスを求めるユーザーにとって魅力的なアップデートとなるだろう。
また、エネルギーセーバーモードが従来のバッテリーセーバーに代わり、より効率的な電力管理が可能となった。このモードの改良により、バッテリー寿命がさらに延びることが期待される。さらに、コピーやペーストなど、日常的に使用される操作のラベルが明確化されることで、ユーザーインターフェースも改善される。これらの機能強化により、Windows 11はさらに直感的で効率的なOSとなるだろう。
アプリやパフォーマンスの向上
「24H2」では、アプリケーションとシステム全体のパフォーマンスも大幅に向上する。特に、Windows検索機能が改良され、より高速かつ正確な検索結果が得られるようになる。また、フォトアプリには、古いぼやけた画像を高解像度に変換する「スーパー解像度」ツールが追加され、画像編集がより簡単かつ高度になる。ペイントアプリにも、ジェネラティブフィル機能が導入され、クリエイティブな作業がさらに充実する。
これらのアプリケーションの改善に加え、Windows全体のパフォーマンスも最適化される。Microsoftは、コンパイラカーネルとスケジューラの改善を通じて、システムの安定性とレスポンスの向上を実現している。また、新しいArm-to-x86アプリ翻訳レイヤー「Prism」もサポートが強化され、よりスムーズなアプリケーションの動作が可能となる。これにより、日常の作業が一層快適に行えるようになるだろう。
システム要件と対応機種
「24H2」アップデートにおけるシステム要件は、Windows 11の既存バージョンと大きく変わらない。基本的には、2018年以降に発売されたPCであれば問題なく動作する。しかし、古いCPUを搭載したPCには厳しい制約が課される。具体的には、SSE 4.2命令セットをサポートしないIntel Core 2やAMD Sempron/AthonシリーズのCPUでは、今回のアップデートが適用されない。
そのため、最新のWindows 11を利用するためには、64ビット対応のPCが必須となる。また、プログラム参加者向けには、少なくとも16GBのRAMと256GBのストレージ、さらには40 TOPSの処理能力を持つニューラルプロセッシングユニット(NPU)が必要とされる。これにより、高度なAI機能やアプリケーションが円滑に動作する環境が提供されることになる。今後も、最新技術への対応が進むことで、より高度なコンピューティング体験が期待される。