2025年現在、4コアCPUは時代遅れと考えられがちだが、実際には多くの場面で十分な性能を発揮している。日常的なタスクや1080p解像度でのゲームプレイにおいて、4コアCPUは依然として有用であり、最新の6コア以上のCPUに比べて遜色ないパフォーマンスを提供することも多い。

特に、過去数年間に発売されたモデルであれば、その性能は現在の要求にも応えられる。本記事では、4コアCPUが依然として有効である理由を詳しく解説する。

最新ゲーム環境での4コアCPUの実力

最新のゲームでは6コア以上のCPUが推奨されることが多いが、4コアCPUでも十分に動作するタイトルは多い。特に、最適化が進んだDirectX 12やVulkan対応のゲーム では、プロセッサの負荷が分散され、4コアでもスムーズに動作するケースがある。例えば、『Cyberpunk 2077』や『Forza Horizon 5』のような高負荷タイトルでも、適切なグラフィック設定を施せば1080p・60FPS以上 でのプレイが可能だ。

また、eスポーツ系タイトルでは4コアCPUの活躍の場が広がっている。『Apex Legends』や『Valorant』、『CS2』などは、CPU負荷が比較的低いため、Core i3-12100FやRyzen 3 5300G でも高フレームレートを維持できる。もちろん、フレームレートの安定性はGPUやメモリ速度にも依存するが、適切な環境を構築すれば4コアCPUでも快適なゲーミングが可能 だ。

ただし、オープンワールド系のゲームや最新のAAAタイトルでは、最低フレームレートが落ち込む 場面がある。これは、ゲームエンジンが複数のスレッドを活用するようになったためであり、4コアCPUでは一時的なフレームドロップ が発生する場合がある。特に、AI処理や物理演算を多用するゲーム では、6コア以上のCPUとの差が顕著になる。

しかし、4コアCPUでもアップグレード不要な環境 は十分に存在する。特に、60FPSを安定させるために画質設定を調整したり、FSRやDLSSといった技術を活用する ことで、負荷を軽減しながらゲームを楽しめる。

最新のOSとアプリケーションでの4コアCPUのパフォーマンス

Windows 11をはじめとする最新のOSでは、より多くのスレッドを活用する最適化が進んでいる。しかし、日常的な用途であれば4コアCPUの影響はほとんどない。例えば、ブラウザでのタブ管理やストリーミング動画の視聴、オンラインミーティングソフトの利用程度なら、Core i3-10100やRyzen 3 3200G でも快適に動作する。

また、Microsoft OfficeやGoogle Docsのようなオフィスアプリケーション では、4コア以上のCPUがパフォーマンス向上に直結しないことが多い。特に、文書作成や表計算といった一般的な作業 では、CPUよりもストレージやメモリの影響が大きい。もし動作が遅く感じる場合は、NVMe SSDを導入するだけで体感速度が向上する ことがある。

さらに、クリエイティブ用途では4コアCPUの限界が見え始めるが、それでも軽めの編集作業なら十分に対応可能だ。例えば、PhotoshopやLightroomでの画像編集 では、GPU加速が有効になっているため、プロ向けの大量処理をしない限り4コアでもスムーズに作業できる。一方で、動画編集や3Dレンダリングなどの負荷が高い作業では、6コア以上のCPUが推奨される。

総じて、4コアCPUがOSやアプリケーションの進化に完全に追いつけないわけではない。特に、日常用途ではまだまだ現役で、アップグレードの必要性は限定的であると言える。

4コアCPUを長く使うための最適な構成

現在4コアCPUを使用している場合、そのパフォーマンスを最大限活かすための環境を整えることが重要だ。まず、最も効果的なのはストレージのアップグレード である。HDDからSSDへの移行は必須であり、SATA SSDでも十分な速度向上を実現できる。さらに、PCIe NVMe SSDを導入すれば、アプリの起動時間やシステム全体のレスポンスが大幅に向上する。

次に、メモリの最適化も重要なポイントとなる。最低でも8GB、可能なら16GB以上 にすることで、ブラウザのタブを複数開いた際の快適性が向上する。また、メモリのクロック速度やデュアルチャネル構成 もパフォーマンスに影響するため、可能な限り高速なメモリを選ぶとよい。

また、電力管理と冷却性能の最適化 も見落とせない。特に、小型PCやノートPCではCPUの発熱がパフォーマンスに影響を与えることがあるため、適切な冷却対策 を講じることで、スロットリングを防ぎ、安定した動作を維持できる。

最後に、GPUとのバランスも考慮する必要がある。例えば、RTX 4060やRX 7600のようなミドルレンジのGPUであれば、4コアCPUでも十分なフレームレートを維持できるが、RTX 4080やRX 7900シリーズのようなハイエンドGPUと組み合わせると、CPUがボトルネックになりやすい。そのため、用途に応じた適切なGPU選びが求められる。

以上のように、ストレージ・メモリ・冷却・GPUの最適化を行うことで、4コアCPUをより長く、快適に使い続けることが可能となる。

Source:XDA