Intelの新たな非Kシリーズプロセッサ「Core Ultra 9 285」が、Geekbenchにおいてその性能を明らかにした。65W TDPを持つこのCPUは、24コア（8つのLion Cove P-コアと16のSkymont E-コア）を搭載し、5.6GHzの最大ブーストクロックを実現している。シングルスレッドの性能では期待通りの結果を出しているが、マルチコアスコアはやや控えめで、今後の改良が期待される。

Arrow Lake-Sシリーズの非Kプロセッサが登場

Intelは、次世代デスクトッププロセッサ「Arrow Lake-S」シリーズにおいて、解放された倍率を持つKシリーズのみを発売する予定だが、非Kシリーズのプロセッサも続々と発表される兆しがある。その中で、最新のリーク情報から「Core Ultra 9 285」がGeekbenchに登場し、注目を集めている。このプロセッサは、65WのTDPを持つ非Kモデルであり、パフォーマンスが重視される高性能な製品である。

Core Ultra 9 285は、24コアという構成が特徴で、8つのLion Cove Pコアと16のSkymont Eコアで構成されている。これは、同じArrow Lake-SシリーズのKモデルである285Kと同様の構成であり、Intelの新しい世代のプロセッサがもたらす性能の一端を垣間見ることができる。この非Kシリーズは、TDPが抑えられている分、特定の用途においてはKモデルに劣るものの、消費電力と発熱を抑えつつも高いパフォーマンスを発揮することが期待される。

Core Ultra 9 285の性能詳細：シングルとマルチコアのベンチマークスコア

Geekbenchに登場したCore Ultra 9 285の性能は、シングルスレッドとマルチスレッドの両面で評価されている。シングルスレッドでは、3081というスコアを記録しており、これは同シリーズのKモデルである265K(F)に匹敵する水準である。この結果から、シングルスレッドのパフォーマンスにおいては、非Kモデルであっても十分に競争力があることが確認できる。

一方、マルチコア性能に関しては、14,150というスコアを記録している。これは、予想された結果よりやや低めであり、特にマルチスレッドにおいては改善の余地があることが示唆されている。65W TDPの制約が影響している可能性があり、リテール版でのさらなる最適化が期待される。このスコアが改善されれば、Core Ultra 9 285は、多コアを必要とするアプリケーションにおいてもKシリーズに近いパフォーマンスを発揮する可能性がある。

新型CPUのリリース時期は2025年にかけてか？

Intelは新しいArrow Lake-Sシリーズのリリースを2023年10月10日に予定しているが、現時点で非Kシリーズがこの発表に含まれる予定はない。このため、Core Ultra 9 285のような非Kモデルのリリースは、2024年以降、特に2025年に予定されているCESでの発表が見込まれている。この時期には、IntelのB860チップセットを搭載した新しいマザーボードも登場する可能性が高く、それに合わせて新しい非Kモデルが発表されるだろう。

特に非Kモデルは、より消費電力を抑えたプロセッサを求めるユーザー層に向けた製品となるため、B860マザーボードとの組み合わせで、メインストリーム市場において強力な選択肢となるだろう。2025年に向けて、Intelの新しいプロセッサがどのような形で市場に投入されるか、そしてそれが既存の製品に対してどのような優位性を持つかが注目される。

競合Ryzenの性能と比較する展望

IntelのCore Ultra 9 285のリークは、競合であるAMDのRyzenシリーズとの性能比較にも焦点を当てるべきである。AMDのRyzen 9シリーズは、多くのユーザーに支持されているが、特にRyzen 9 7950Xや9950Xなどの高性能モデルは、市場での競争をリードしてきた。しかし、Intelが新たに投入するArrow Lake-Sシリーズは、こうしたRyzenの競合製品に対抗することを目指している。

Core Ultra 9 285は、シングルスレッド性能においてRyzen 9 7950Xに匹敵する可能性があるが、マルチコア性能ではRyzenが依然として優位に立っている。特に、AMDのオーバークロック性能やマルチコア処理能力は、競争力のある要素となっているため、Intelがどのようにこれに対抗するかが今後の焦点となるだろう。Intelが性能向上と消費電力のバランスをどのように実現するかに、業界全体の期待がかかっている。