Intelの第13世代および第14世代プロセッサは、最新のBIOSアップデートにより再び性能低下の問題に直面している。

ユーザーからの報告によれば、特にCore i9-13900Kではシングルコア性能が6.5%低下し、Core i9-14900Kもマルチコア性能で約2%の低下が確認された。

これは、以前のアップデートで最大20%の性能低下が報告されていた状況からは改善されているが、依然として完全な解決には至っていない。

最新BIOSアップデートで性能低下が報告

Intelの第13世代および第14世代CPUに対する最新のBIOSアップデートがリリースされたが、このアップデートにより一部のモデルで性能が低下する問題が再び発生している。特にCore i9-13900Kでは、シングルコアの性能が6.5%減少したことが報告されている。これにより、Cinebench R15でのベンチマークスコアが著しく低下し、以前のアップデート後に見られたパフォーマンスの問題が解決されていないことが明らかになった。

同時に、第14世代のCore i9-14900Kについても、Cinebench R23のマルチコア性能が約2%低下していることが確認されており、この影響で競合するAMD Ryzen 9 7950Xを下回る結果となった。これらの結果は、ユーザーからのフィードバックを基にChiphellフォーラムで報告されており、性能低下の原因として最新のBIOSアップデートが影響している可能性が高いとされる。

Intelは以前からこれらのCPUに対して複数回のパッチや修正をリリースしてきたが、依然として完全な安定性には至っておらず、今後の対応が求められている。特に高性能を求めるユーザーにとって、これらの性能低下は深刻な問題であり、Intelに対する不満が高まっている。

Core i9-13900KとCore i9-14900Kのベンチマーク結果

ユーザーが報告したベンチマーク結果によると、Core i9-13900KはCinebench R15のテストでシングルコア性能が約6.5%低下していることが確認された。この低下は、最新のBIOSアップデート後に発生しており、同じモデルの以前のパフォーマンスと比較しても大きな落ち込みである。

また、Core i9-14900Kに関しても、Cinebench R23のマルチコアテストで約2%の性能低下が報告されている。この低下は大きなものではないが、競合するAMD Ryzen 9 7950Xの性能を下回る結果となり、特にハイエンドCPU市場においては重要な比較ポイントとなる。これらのベンチマーク結果は、Chiphellフォーラムのユーザー「twfox」によって共有され、同フォーラム内でも活発な議論が行われている。

性能低下の原因として、Intelの最新のBIOSおよびマイクロコードの修正が影響していると考えられており、特にVminシフト問題が一因とされている。この問題がどの程度修正されたのか、今後のパッチでどのように対処されるのかが注目されている。

Vminシフト問題への対処と改善状況

Intelは最新のBIOSアップデートで、第13世代および第14世代CPUにおけるVminシフト問題に対処するための修正を加えた。この問題は、CPUがアイドル状態や軽負荷状態にある際に、コア電圧が必要以上に高くなることで発生していた。これにより、動作が不安定になるだけでなく、性能にも悪影響を及ぼすことが確認されていた。

今回のアップデートでは、このVminシフトを緩和するためのマイクロコードとBIOSコードが含まれており、Intelによれば、これにより問題は「軽減」されるとされている。しかしながら、完全な解決には至っておらず、性能低下の影響が依然として残っている。特に、Core i9-13900Kでは6.5%、Core i9-14900Kでは2%の性能低下が報告されており、この改善が十分であったかどうかについては議論の余地がある。

Intelは、今後のアップデートでさらなる修正を行うことを示唆しており、ユーザーはその動向を注視している。特に高いパフォーマンスを求めるユーザーにとっては、これらの問題が長引くことは避けたいところである。

次世代「Lunar Lake」「Arrow Lake」への期待

Intelは、次世代となる「Lunar Lake」および「Arrow Lake」ファミリーのプロセッサにおいて、現在のような不安定性の問題は発生しないと明言している。これらの新しいプロセッサファミリーは、現行のアーキテクチャとは異なる全く新しい設計が採用されており、現行の第13世代および第14世代で問題となっているVminシフトや性能低下の問題は引き継がれないとされている。

特に「Arrow Lake」は、2024年10月の発売が予定されており、Intelにとって重要な製品ラインのひとつとなる。この新しいアーキテクチャがどのような性能を持つか、そしてこれまでの問題が本当に解決されるのかが注目される点である。これまでの情報からは、性能の向上だけでなく、安定性にも大きな期待が寄せられている。

一方で、現行の第13世代および第14世代のユーザーにとっては、依然として安定性の問題が続いており、次世代製品への移行を検討する声も多い。Intelが次世代製品で市場の期待に応えることができるかが、今後の競争のカギとなる。