最近、旧バージョンのmacOSを使用しているユーザーの間で、App Storeへのログインが突然できなくなる問題が報告された。この障害により、購入済みのアプリが起動できない事態も発生したが、現在は復旧している模様だ。影響を受けたのは、macOS 10.14 Mojaveなどの古いバージョンで、最新のmacOSでは問題は確認されていない。
Appleからの公式なコメントはないが、1月末に行われたApp Storeの証明書変更が原因の可能性が指摘されている。ユーザーは、システムの最新情報を常に確認し、問題が発生した場合はAppleのサポートページを参照することが推奨される。
旧macOSでの障害は一時的か、それともサポート終了の兆しなのか

今回のApp Store障害はすでに復旧しているものの、多くのユーザーが「Appleが旧macOSのサポートを終了する兆候なのではないか」と懸念している。特に、macOS 10.14 Mojaveはすでに公式のセキュリティアップデート提供が終了しており、Appleのサポート体制が縮小されつつある。
今回のログイン問題は1週間以上続いたが、Appleからの公式なアナウンスはなく、一部のカスタマーサポートが「古いバージョンのmacOSはすでにApp Storeの利用が制限されている」と案内したことも報告されている。
Appleはこれまでも古いmacOSに対するサービス提供を徐々に縮小してきた。例えば、macOS 10.13 High SierraではiCloudのサポートが制限され、macOS 10.12 SierraではApp Storeの特定機能が利用できなくなったケースがある。今回の障害が技術的な問題によるものだったとしても、Appleが今後も旧macOSでのApp Storeの運用を続けるかどうかは不透明な状況だ。
今後の対策として、Appleは古いバージョンのmacOSを利用するユーザー向けに明確なサポート方針を示すべきだろう。特に、macOS 10.14 Mojaveは一部の古いMacBookやiMacで最後に対応したOSでもあり、多くのユーザーが使用を継続している。現時点では、少なくともApp Storeが利用できる状態に戻ったものの、Appleの今後の動向には注目が必要である。
App Storeの証明書変更と旧macOSとの互換性の問題
今回の障害の直接的な原因は明らかになっていないが、Appleが1月末にApp Storeの証明書を変更したことが影響している可能性が指摘されている。App Storeの証明書は、購入済みのアプリの正規性を確認し、ライセンス管理を行うために使用されている。Appleがこの仕組みに変更を加えたことで、旧macOSの認証プロセスに影響を与えた可能性がある。
過去にも、証明書の更新が古いバージョンのmacOSやiOSに影響を与えた例がある。例えば、数年前にはiOS 9以前のデバイスでApp Storeの一部機能が利用できなくなる問題が発生した。Appleはこの際も公式な発表を行わず、影響を受けたユーザーが個別にサポートに問い合わせるしかなかった。
今回の件でも、証明書の更新によってmacOS 10.14 Mojave以前の環境で認証エラーが発生し、一部のユーザーがApp Storeにログインできなくなった可能性が高い。
このような変更が発生するたびに、古いmacOSを使用するユーザーは互換性の問題に直面することになる。Appleは新しいOSへの移行を推奨しているが、旧モデルのMacでは最新のmacOSにアップデートできないケースも多い。
そのため、証明書やライセンス管理の変更によって、旧OSの利用に制限がかかる可能性が今後も続くと考えられる。ユーザーは、こうしたリスクを考慮しながら、可能な限り新しい環境への移行を検討する必要があるだろう。
旧macOSユーザーは今後どう対応すべきか
今回の障害が示すように、Appleは旧macOSのサポートを明確に打ち切るのではなく、徐々に機能制限を加えていく方針を取っているように見える。これは、iOSの古いバージョンでも同様の動きが見られたため、Macでも同じ戦略が適用される可能性がある。実際に、macOS 10.15 Catalina以降では今回の問題が発生していないことから、Appleは新しいシステムへの移行を促していると考えられる。
しかし、旧macOSを利用し続けるユーザーにとっては、今後も似たような問題が発生する可能性を考慮しなければならない。特に、macOS 10.14 Mojaveは一部のアプリの動作環境として必要なケースもあり、すぐにアップグレードできないユーザーも多い。そのため、可能な限りバックアップを取り、OSの最新のアップデートを適用することが重要だ。
また、もし今回のような障害が再発した場合、App Store以外の方法でアプリを管理する手段を検討するのも一つの選択肢となる。例えば、Mac用のサードパーティ製アプリ管理ツールを活用すれば、App Storeに依存せずにソフトウェアを維持できる場合もある。
ただし、こうした手法には一定のリスクが伴うため、信頼できるソースからのダウンロードを徹底する必要がある。今後もAppleがどのような方針を取るのか、ユーザーは引き続き注視する必要があるだろう。
Source:heise online