RTX 50シリーズのグラフィックカードは、電源ケーブルの発熱や溶解といった問題を引き起こしていないことが明らかになった。初期の報道では、RTX 50シリーズでもケーブルが溶ける可能性があるとされたが、最新の検証では、真の原因が旧世代のRTX 4090にあることが判明した。香港のテクノロジーメディアPCMのテストにより、RTX 4090の電源ケーブルが溶解する事例が確認されている。

RTX 4090では、発熱リスクを抱える12VHPWRコネクターの問題が以前から指摘されていた。Nvidiaは途中で改善策を導入し、新しい12V-2×6コネクターを採用したが、古いコネクターを搭載したモデルは依然として市場に流通しており、ユーザーの注意が必要だ。RTX 50シリーズではこの問題が解消されているものの、40シリーズを使用する場合は電源ケーブルの状態を慎重にチェックすることが推奨される。

RTX 4090の電源ケーブル問題はなぜ続くのか 過去の事例と現在の状況

RTX 4090の電源ケーブルが溶ける問題は、発売当初から報告されていた。特に、12VHPWRコネクターが高負荷時に異常発熱を起こし、プラスチックが変形するケースが複数確認されている。この問題はNvidiaによって認識されており、後に安全性を向上させた「12V-2×6」コネクターへの移行が行われた。しかし、市場には依然として古い12VHPWRモデルが流通しており、リスクが残っている。

特に、香港のテクノロジーメディアPCMの検証では、RTX 4090の電源ケーブルが発熱し、損傷していることが明らかになった。これは、Nvidiaが新規格のコネクターを導入した後も、旧型モデルが一定数残存していることを示している。さらに、RTX 4090のコネクターは差し込みが不完全な場合に異常発熱しやすく、ユーザーが適切に接続しなければ問題が再発する可能性がある。

電源ケーブルの発熱は、単にコネクターの設計の問題だけではなく、使用環境や接続方法にも依存する。過去の報告では、折れ曲がったケーブルや不十分な接続が発熱を引き起こす要因として指摘されている。さらに、RTX 4090のような高性能GPUは大量の電力を消費するため、電源ユニットの品質や安定性も影響を与える。これらの要素が組み合わさることで、発火リスクが生じている。

現在の市場では、新しい「12V-2×6」コネクターを採用したモデルが主流になりつつあるが、旧型のRTX 4090が手元にある場合は、電源接続の確認を怠らないことが重要だ。特に、ケーブルが正しく挿入されているか、折れや歪みがないかを定期的にチェックする必要がある。

RTX 50シリーズの電源設計は安全か 新規格「12V-2×6」の改良点

RTX 50シリーズでは、新しい「12V-2×6」規格の電源コネクターが採用されており、RTX 4090で指摘された電源ケーブルの過熱問題が再発しないよう設計されている。Nvidiaによると、このコネクターは、正しく接続されていない場合には電力が供給されない仕組みが組み込まれている。これにより、不完全な接続による発熱やケーブルの溶解を未然に防ぐことが可能となった。

さらに、新しい電源コネクターは、内部に少し埋め込まれる形状になっており、斜めに差し込まれたままロックされるリスクを軽減している。この設計変更によって、従来の12VHPWRコネクターで発生していた接触不良が引き起こす異常発熱を防ぐことが期待される。特に、高負荷状態が続くゲーミング環境では、電力供給の安定性が求められるため、この改良は重要なポイントとなる。

一方で、どれだけ設計が改良されても、ユーザー側のケーブルの扱いによってはリスクが残る可能性がある。たとえば、電源ユニットのケーブルを無理に折り曲げたり、ケーブルの固定が不十分な状態で使用したりすると、接触不良を引き起こす可能性がある。

また、一部の電源ユニットがRTX 50シリーズの新規格に完全対応していない場合、電源供給が不安定になり、動作に影響を及ぼす可能性も指摘されている。

RTX 50シリーズの安全性は向上しているものの、電源周りのトラブルを避けるためには、使用する電源ユニットの品質やケーブルの取り扱いにも注意が必要だ。特に、新しいコネクターを採用したモデルでも、適切な接続が行われなければ本来の安全性は確保されない。RTX 50シリーズを導入する場合は、電源ユニットとの互換性を確認し、ケーブルの取り扱いに細心の注意を払うことが重要となる。

Source:ExtremeTech