Microsoftは最新のWindows 11 24H2更新プログラムにおいて、タスクマネージャーのカウンター誤表示や特定のセキュリティソフトと競合するOfficeアプリのクラッシュといった深刻な問題を認めた。この不具合により、一部ユーザーの環境ではバックグラウンドで動作するプロセスがゼロと表示され、システムの状態が適切に反映されなくなることがある。

さらに、CrowdStrikeのFalconセンサーを使用している場合、WordやExcelといったOfficeアプリが応答しなくなる問題も報告されている。この問題は単なるオプション更新プログラムの影響にとどまらず、11月の定例パッチリリースにも波及する可能性があり、ユーザーへの影響は広範囲にわたる。

また、既に報告されているAlt-Tab操作時の画面フリーズや、特定のマザーボードやSSDによるクラッシュなども未解決のままであり、Windows 11 24H2の安定性には依然として多くの課題が残されている。

Windows 11 24H2アップデートに伴うタスクマネージャーの致命的な誤作動とその影響

Microsoftは、Windows 11 24H2の最新更新プログラムにおいて、タスクマネージャーがバックグラウンドで実行中のプロセス数を誤表示する問題を公式に確認した。

タスクマネージャーは本来、各プロセスの数を「アプリ」「バックグラウンドプロセス」「Windowsプロセス」のカテゴリに分けて表示する設計であるが、このアップデートの適用後、多くのユーザーにとってこれがゼロと表示され、システム状況が把握しにくくなっている。これにより、システム監視やリソース管理において重大な不便が生じ、特に企業ユーザーにとっては生産性に大きな影響を及ぼす可能性がある。

この問題はKB5044384のオプション更新プログラムによって発生するもので、Microsoftも既にサポート文書で注意喚起を行っている。バックグラウンドでの多くのプロセス実行が必要とされる用途やセキュリティ関連のモニタリングを行うユーザーにとって、システムのステータスが正確に表示されないことは、セキュリティ上のリスクやシステム管理の支障となり得る。

このような致命的な不具合が正式なアップデートで発生している事態は、Microsoftの品質管理体制に対する信頼性が問われるところである。

Officeアプリとセキュリティソフトの相互作用が引き起こすアプリクラッシュの問題

Microsoftはさらに、Windows 11 24H2環境において、特にCrowdStrikeのFalconセンサーを導入しているシステムにおいてOfficeアプリがクラッシュする問題も報告している。WordやExcelといった主要なアプリケーションが正常に動作せず、アプリが応答しない状況が頻発する。この不具合の根本原因はCrowdStrikeのEnhanced Exploitation Visibility Prevention機能に関連しており、同機能が有効な状態であると特に影響が生じやすいとされている。

CrowdStrikeはMicrosoftと連携し、該当の機能を一時的に無効化することで一部の問題を緩和しているが、完全な解決には至っていない。企業ユーザーにとってOfficeアプリの安定性は業務遂行に直結するため、MicrosoftがCrowdStrikeと共同でこの問題の根本的な解決策を早急に提供することが求められている。

また、セキュリティソフトとの競合によるアプリクラッシュが発生することは、Windows 11 24H2の設計において、セキュリティ機能と互換性が十分に検証されていない可能性も示唆している。

ユーザー報告が示す他の未解決の問題と今後のパッチ対応

今回のタスクマネージャーとOfficeアプリに関連する不具合に加え、Windows 11 24H2では他にもさまざまな問題が報告されている。特定のマザーボードやSSDモデルにおいてBSOD(ブルースクリーン)エラーが発生するケースや、Alt-Tabキー操作時に画面が真っ黒になる現象も未解決のままである。また、Z890マザーボードやIntel Core Ultra 200S CPUを搭載した環境におけるGPUの競合が原因のクラッシュも引き続き発生している。

このような多数の問題が残る中、Microsoftは11月12日に予定されているパッチリリースにおいて、今回の不具合を解消するかどうかが注目されている。しかし、オプション更新プログラムの段階で既に多くの不具合が生じている状況を鑑みると、11月のパッチでも安定性が完全に保証されるかは不透明である。