Windows 11の24H2アップデートにより、多くのPCが深刻なトラブルに見舞われている。特に、ASUS製の一部PCでは「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」が発生し、カメラ機能や顔認証が正常に動作しない問題が報告されている。これに加え、オーディオミキシングアプリ「VoiceMeeter」もドライバーの互換性に問題があり、ユーザーが停止コードエラーに直面するケースが増えている。これらの問題に対して、現在、回避策が模索されている。
ASUS製PCでのBSOD問題が発生
Windows 11 24H2アップデートは、多くのユーザーにとって期待される新機能を提供するものであったが、一部のASUS製PCにおいて重大なトラブルを引き起こしている。特に、X415KAおよびX515KAモデルのノートパソコンで、アップデートを適用しようとすると「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」が発生する問題が報告されている。これにより、Windowsのアップデートが正常に完了せず、システムが完全に停止する。
この問題は、単にASUSの特定モデルに限定されたものではなく、他のPCブランドやモデルでも類似の報告が増加している。特にLenovoの一部PCでも、BSODが発生する事例が確認されており、問題は広範囲にわたる可能性がある。原因は、アップデートに伴うファームウェアの不具合にあるとされ、ASUSは既に問題解決に向けたパッチを開発中である。
BSODの影響を受けるPCは、主にIntel Celeron N4500およびIntel Pentium Silver N6000プロセッサを搭載した低価格帯のノートパソコンで、学生やビジネスユーザーに人気が高いモデルが多い。今後のアップデート再開は、ASUS側のパッチ提供後に予定されている。
カメラ機能に影響、Windows Helloが使用不能に
Windows 11 24H2のアップデートにより、ASUS製PCに限らず、カメラ機能を利用するすべてのユーザーにとって新たな問題が浮上している。特に、内蔵カメラを使った顔認証機能「Windows Hello」を利用しているユーザーにおいて、カメラの動作が停止するか、アプリケーションやシステム自体がフリーズしてしまうという報告が相次いでいる。
この問題は、Windows Helloに限らず、サードパーティ製の顔認証アプリケーションでも同様に発生しており、24H2アップデート後にカメラ機能が一切使えなくなるケースも少なくない。Microsoftは、顔認証機能を持つデバイスに対してアップデートの一時停止をかけているが、既に24H2をインストールしたユーザーにとっては、回避策として23H2バージョンへのダウングレードが推奨されている。
この問題は、セキュリティや利便性の面で重要な機能であるため、多くのユーザーにとって深刻な影響を及ぼしている。特に、業務での顔認証使用が不可欠なユーザーにとっては、代替のサインイン方法を見つける必要があるが、現状ではこれが非常に不便である。
VoiceMeeterのドライバー問題でさらにトラブル
Windows 11 24H2アップデート後に、多くのユーザーが利用するオーディオミキシングソフト「VoiceMeeter」にも重大な不具合が生じている。具体的には、24H2にアップデートしたPCでVoiceMeeterを使用すると、メモリ管理に関するエラーストップコードが表示され、「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」が発生する問題が報告されている。
VoiceMeeterは、複数の音源をミックスするために使用されるアプリで、特にオーディオエンジニアやストリーマーに広く利用されているが、今回のドライバーの互換性問題により、その利用が困難になっている。問題の根本は、24H2の新しいシステムと既存のドライバー間の互換性にあるとされており、アプリ開発者が対応するパッチを提供するまで、24H2のアップデートは見送られる見込みである。
24H2アップデート後にBSODが発生するケースは、特にオーディオ関連の作業を日常的に行うユーザーにとって致命的な問題であり、早急な対策が求められている。特に、音楽制作やライブ配信を行っているユーザーにとって、VoiceMeeterが使用できない状況は大きな支障となっている。
回避策と今後の対策について
これらの問題を回避するためには、現時点では慎重に行動することが求められている。まず、ASUS製PCや顔認証機能、VoiceMeeterを利用しているユーザーは、24H2アップデートを手動でインストールしないことが推奨されている。これらの問題はすべてドライバーやファームウェアに起因しているため、対応するパッチがリリースされるまではアップデートを避けるのが最善策である。
すでに24H2アップデートを適用してしまった場合は、Windows 11の23H2バージョンにダウングレードすることが推奨されている。ダウングレードすることで、これらの問題を一時的に回避できるが、再度アップデートを行う際には、パッチの適用が完了していることを確認する必要がある。
Microsoftおよび関連するデバイスメーカーからの正式なパッチが提供され次第、これらの問題は解決される見込みである。しかし、問題解決の時期は不透明であり、ユーザーは注意深くアップデートの状況を見守る必要がある。