マイクロソフトがWindows 11 24H2対応CPUリストを更新し、第8・9・10世代のIntelプロセッサが「サポート外ではない」と明確にした。先月公開されたリストでは、これらの世代が含まれておらず、新システム要件の変更やサポート終了の可能性が憶測されていた。

しかし、マイクロソフトは2月27日に更新した注記の中で、2月13日のリスト変更時に「正確な情報が反映されていなかった」と説明し、該当世代のCPUを再度リストに追加した。これにより、従来の最小要件は維持され、多くの既存ユーザーが引き続きWindows 11を利用できることが確認された。

公式のCPU対応リストは、マイクロソフトのウェブサイトで公開されている。

Windows 11 24H2の対応CPUリストに生じた混乱とその背景

Windows 11 24H2の対応CPUリストが公開された際、多くのユーザーはAMD Ryzen 8000シリーズの追加を歓迎したが、一方でIntelの第8・9・10世代プロセッサがリストから外れたことに疑問を抱いた。これらの世代はWindows 11の既存の最小システム要件を満たしており、実際に多くのPCで利用されているため、サポートが終了するのではないかとの憶測が広がった。

マイクロソフトは2月27日に更新した注記で、リストから除外されたのは誤記によるものであり、サポート対象外としたわけではないと説明した。この訂正により、第8・9・10世代のIntel CPUを搭載したデバイスが引き続きWindows 11 24H2を利用できることが明確になった。しかし、一度リストから外れたことで、多くのユーザーが不安を抱いたのは事実である。

今回の件は、公式情報の更新プロセスにおける透明性や正確性の重要性を改めて浮き彫りにした。Windows 11の対応ハードウェアに関する変更がある場合、マイクロソフトがより分かりやすい説明を行うことが求められるだろう。

既存のWindows 11ユーザーにとっての影響と注意点

リストの修正により、Intelの第8・9・10世代CPUを搭載したPCのユーザーは、Windows 11の利用を継続できることが確認された。ただし、サポートリストに関する混乱が起きたことで、今後のアップデート方針について注意が必要になったといえる。

Windows 11はハードウェア要件が厳格化されており、TPM 2.0やSecure Bootといったセキュリティ機能が必須となっている。24H2の正式リリース後、パフォーマンスの最適化やセキュリティの向上により、古いCPUでは動作の快適性が損なわれる可能性もある。特に、Windows 11の新機能をフルに活用するには、最新世代のプロセッサが推奨される点にも留意したい。

また、Windows 11の今後のバージョンでは、特定のCPUが段階的にサポート対象外となる可能性がある。今回のリスト修正はあくまで誤記の訂正であり、マイクロソフトが将来的に第8・9・10世代CPUのサポートを維持するかどうかは明言されていない。現在これらのプロセッサを使用している場合、次期アップグレードのタイミングを見極める必要があるだろう。

公式情報の更新ミスが生む不安と、求められる対応

今回の誤記は、マイクロソフトの情報公開のあり方にも疑問を投げかけた。対応CPUリストはOEM・ODM向けのガイドであるものの、一般ユーザーにとっても重要な参考情報である。それが誤った形で提供されると、結果的に「古いCPUのサポートが終了するのではないか」といった誤解を生み、不必要な不安を招くことになる。

Windows 11は登場以来、システム要件の厳格化が話題となってきた。特にIntelの第7世代以前のCPUがサポート対象外となった際、多くのユーザーが困惑した経緯がある。そのため、今回のリスト誤記も同様の懸念を引き起こし、特に自作PCユーザーや古いPCを使い続けている層にとっては大きな問題と映っただろう。

マイクロソフトが今後も正確な情報を提供し、誤解を招かない形での発表を心がけることが求められる。ユーザー側としても、Windows 11の公式情報は定期的に確認し、突然の仕様変更やアップデートに備えることが重要になってくるだろう。

Source:Neowin