Mozillaは、Windows 7およびWindows 8.1向けにFirefox ESR 115のサポートを2024年末まで延長することを発表した。この延長により、これらの旧式OSを利用するユーザーは2025年初頭までセキュリティアップデートを受け取ることが可能となる。Google ChromeやMicrosoft EdgeがすでにこれらのOSのサポートを終了している中、Firefoxは最後の主要なブラウザとして残る形となった。
Mozilla、Firefox ESR 115の延長サポートを発表
Mozillaは、Windows 7およびWindows 8.1向けにFirefox Extended Support Release(ESR)115のサポートをさらに6か月延長すると発表した。これにより、これらの古いオペレーティングシステムを使用するPCは、2025年初頭までFirefoxのセキュリティアップデートを受け取ることができる。ESRは主に安定性を重視する環境向けに提供されており、新機能の追加は少ないが、長期間にわたるセキュリティパッチの提供が続けられるのが特徴である。
通常版のFirefoxはWindows 10以降の新しいOS向けに提供されているが、ESRは引き続き旧OSにも対応する。2023年7月にリリースされたFirefox 115は、Windows 7、8、8.1の最後の計画されたアップデートとなり、ESRチャンネルに移行された。その後も定期的なセキュリティ更新が行われており、Mozillaはこれを継続する決定を下した。
この延長によって、未だに古いハードウェアを使用しているユーザーは、セキュリティリスクを最小限に抑えながらブラウジングを行うことができる。Mozillaは、今後の動向を見てさらなる延長を検討するとしており、2025年には使用状況に基づいて再度評価を行う予定である。
Windows 7・8が最後に残ったサポート対象OSに
MozillaがFirefox ESR 115の延長サポートを発表したことで、Windows 7および8が主要なブラウザでサポートされる最後のオペレーティングシステムとなった。2023年1月、Google ChromeとMicrosoft EdgeはこれらのOSへのサポートを終了し、他の多くのブラウザもそれに追随した。これにより、Firefoxは事実上、これらの古いOS向けにセキュリティアップデートを提供する唯一の選択肢となった。
旧OSを使用しているユーザーにとって、セキュリティ更新が途絶えることは大きなリスクである。特に、オンラインでの個人情報の保護やサイバー攻撃に対する脆弱性が高まるため、最新のセキュリティパッチを提供するFirefox ESRの存在は重要だ。Google ChromeやEdgeが利用できない環境では、Firefoxは引き続き安全なブラウジングを提供し続ける。
Mozillaの決定は、企業や教育機関など、特定の環境で古いシステムを維持せざるを得ないユーザーにとっても朗報である。とはいえ、サポートが永遠に続くわけではなく、将来的には完全な終了が見込まれるため、ユーザーはアップグレードを検討する必要がある。
ChromeやEdgeは既にサポート終了、Firefoxが唯一の選択肢
Google ChromeとMicrosoft Edgeは、2023年1月にWindows 7および8のサポートを正式に終了した。これにより、Windows 7や8.1を利用するユーザーは、これらのブラウザのセキュリティ更新を受けることができなくなり、サイバーセキュリティ上のリスクが高まっている。その結果、MozillaのFirefoxが、これらの旧OSを使用するユーザーにとって唯一の現実的なブラウザ選択肢となっている。
この動きは、ChromeやEdgeが基盤としているChromiumプロジェクトの終了によって引き起こされた。多くのブラウザがChromiumをベースにしているため、これに追随してサポートを打ち切るブラウザが続出した。一方、Firefoxは独自のレンダリングエンジンを採用しており、これが旧OSへのサポートを継続できる理由の一つとなっている。
MozillaのFirefox ESRは、企業や組織に向けて提供される安定性重視のバージョンであり、これにより古いOSでも安全なウェブ環境が提供され続けている。しかし、サポートの延長には限界があるため、早期のOSアップグレードが推奨される。
2025年のさらなるサポート延長は再評価される可能性
Mozillaは、2025年初頭にWindows 7および8向けのFirefox ESR 115のサポート延長について再評価を行う予定である。これにより、さらなる延長が行われるか、あるいは完全なサポート終了が決定される可能性がある。現在の延長は、使用状況やセキュリティリスクを慎重に検討した結果であり、Mozillaは引き続き状況を監視する。
Firefox ESR 115は、セキュリティアップデートに特化したバージョンであり、新しい機能は提供されない。Mozillaは、今後もこの方針を維持し、セキュリティや品質に関する重要な修正のみを適用する予定であると明言している。このため、今後の更新も限られた範囲で行われる見込みである。
2025年以降のサポートについては不透明だが、Mozillaが引き続き旧OSを支援するかどうかは、その時点の利用状況や技術的な制約に依存する。サポートが終了すれば、Windows 7や8は事実上、最新のセキュリティ対策が施されたブラウザを利用できなくなるため、ユーザーは早急にアップグレードを検討する必要がある。