Nvidiaの最新モバイル向けGPU「RTX 5090ラップトップ」が登場し、ベンチマークサイト「PassMark」で最高スコアを記録した。G3D Markでは28,280を獲得し、RTX 4090ラップトップGPUを上回る性能を発揮。デスクトップ向けAMD RX 6950 XTも超えるなど、その実力は際立っている。

電力効率も向上し、TDPは95W〜150Wに抑えられながらも、デスクトップ版RTX 5090(575W)の性能に迫る。しかし、GPU Computeテストでは予想外にもRTX 4060ラップトップGPUを下回る結果となった。この奇妙なスコアは、サンプル数の少なさやNvidiaの32ビットフレームワーク終了が影響している可能性がある。

一方、DirectX 12のテストでは圧倒的なパフォーマンスを示し、167fpsを記録。RTX 4090ラップトップGPUの106fpsを大きく引き離した。RTX 5090搭載ノートPCの本格展開により、今後さらに多くのベンチマーク結果が明らかになるだろう。

RTX 5090ラップトップGPUの性能詳細 進化したスペックとベンチマーク結果

NvidiaのRTX 5090ラップトップGPUは、最新のG3D Markベンチマークで28,280のスコアを記録し、RTX 4090ラップトップGPUの27,467を超えた。これは、現在のモバイルグラフィックスカードの中で最高の数値であり、デスクトップ向けAMD Radeon RX 6950 XT(28,128)も上回る結果となっている。一方で、Radeon RX 7900 XT(28,877)にはわずかに届かなかった。

このGPUは、10,496 CUDAコア、24GB GDDR7ビデオメモリを搭載し、高負荷なグラフィックス処理に対応している。さらに、1,824 AI TOPSの処理能力を持ち、DLSS 4やMulti Frame Generationといった最新技術をサポート。特にDLSS 4は、AIを活用したフレーム生成技術で、ゲームのフレームレートを向上させつつ画質を維持する点が特徴だ。

一方で、RTX 5090ラップトップGPUのTDP(熱設計電力)は95W〜150Wに抑えられており、デスクトップ版のRTX 5090(最大575W)とは大きな差がある。これにより、消費電力と発熱を抑えつつ、限られた電力環境で高いパフォーマンスを発揮する設計がなされていることがわかる。しかし、これが長時間の負荷時にどのような影響を与えるかは、さらなる検証が必要だろう。

GPU ComputeテストでRTX 4060に敗北 ベンチマーク結果の謎

RTX 5090ラップトップGPUは、PassMarkのGPU Computeベンチマークで6,830 Ops/Secを記録したが、RTX 4060ラップトップGPUの6,831 Ops/Secにわずかに及ばなかった。この結果は、RTX 5090が大幅に高性能であるはずのスペックを持つことを考えると、意外なものだ。

さらに、RTX 4090ラップトップGPUのスコア(12,418 Ops/Sec)とは大きな開きがあり、期待された性能が発揮されていない可能性がある。

このスコアの要因として、サンプル数の少なさが考えられる。現在、PassMarkに登録されているRTX 5090ラップトップGPUのデータは1件のみであり、そのTDPが95Wに制限されている可能性が指摘されている。一方、RTX 4060ラップトップGPUは最大115WのTDPを持ち、ワットパフォーマンスが異なる影響があるかもしれない。

また、Nvidiaは32ビットフレームワークのサポートを終了しており、これがベンチマーク結果に影響を与えている可能性もある。実際、RTX 50シリーズ全般で同様の低スコアが観測されており、この問題は今後のドライバアップデートなどで修正される可能性が高い。これらの要因を考慮すると、現在のベンチマーク結果だけでRTX 5090ラップトップGPUの実力を判断するのは時期尚早だろう。

DirectXテストでRTX 4090を圧倒 最新技術対応の強み

DirectX環境でのベンチマークテストでは、RTX 5090ラップトップGPUが167fpsを記録し、RTX 4090ラップトップGPU(106fps)を大きく上回った。また、RTX 4060ラップトップGPU(73fps)とは2倍以上の差をつけており、最新のグラフィックスAPI環境で優れた性能を発揮している。

この大きな差の理由として、RTX 5090ラップトップGPUが新しいDLSS 4やMulti Frame Generationを活用できる点が挙げられる。

DLSS 4は、前世代よりも高精度なAIフレーム生成を可能にし、フレームレートを向上させる技術であり、特にDirectX 12対応ゲームでその効果が顕著に表れる。また、VRAMが24GB GDDR7に強化されたことで、高解像度テクスチャやレイトレーシング処理において優位性があると考えられる。

一方で、このDirectXテストの結果は、他のベンチマークと比較しても極端に高いため、最適化やテスト環境の影響も考慮する必要がある。今後、より多くの実機テストやゲームベンチマークが公開されることで、RTX 5090ラップトップGPUの本来の性能がより明確になるだろう。

Source:Tom’s Guide