Windows 11の最新アップデート「24H2」において、リモートデスクトッププロトコル(RDP)のログイン時にハングする問題が報告されている。特に、リモート接続が確立できない、またはログイン中にフリーズするケースが多発しており、一部のシステム管理者からの不満の声が上がっている。
この問題は、Windows 11 24H2そのものに起因するのか、あるいは最近のセキュリティ更新(KB5050094、KB5051987)が影響しているのかは明確ではない。しかし、ネットワーク検出の処理に関するバグが絡んでいる可能性が指摘されており、特定の条件下でRDPが正常に動作しなくなることが確認されている。
特に「RDP接続は確立できるが、ログイン時にハングする」「RDPウィンドウの上部バーがフリーズする」「セッションが一度切断されると再接続できなくなる」といった具体的な症状が報告されており、一部の管理者はRDPポートを変更することで改善したと述べているが、すべての環境で有効とは限らない。
現在のところ、Windowsのグループポリシーエディターやレジストリ設定を変更することで回避できる場合があるが、根本的な解決策には至っていない。Microsoftが公式に対応を発表していないため、企業や個人のユーザーにとっては慎重な運用が求められる状況が続いている。
RDPのハング問題はなぜ発生するのか ネットワーク処理との関連性
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Windows 11 24H2で報告されたRDPセッションのハング問題は、単なるシステムの不具合ではなく、Windowsのネットワーク処理に関連している可能性が指摘されている。特に、リモートデスクトップサービスが正常に動作しているにもかかわらず、接続時やログイン時にフリーズする現象は、従来のRDP関連の不具合とは異なる特徴を持つ。
ネットワーク検出の仕組みがこの問題に影響を与えている可能性がある。通常、WindowsはRDP接続時にネットワークの状態を確認し、適切な設定を適用するが、24H2ではこのプロセスが適切に機能していないケースがあるようだ。具体的には、セッションの確立後、接続が一時的にフリーズしたり、セッションが切断された後に再接続できなくなったりする問題が発生している。
このバグの厄介な点は、システムやネットワークの設定を変更しても完全に解決しないことだ。RDPのポートを変更することで改善するケースも報告されているが、すべての環境で有効なわけではない。これにより、ユーザーごとに異なる回避策が求められる状況になっている。Microsoftが公式に問題を認識し、修正を提供するまで、企業や個人の利用者は手動で対処しなければならないのが現状だ。
一部の回避策は効果が限定的 レジストリ変更のメリットとリスク
現在、RDPのハング問題に対処するための一時的な解決策として、グループポリシーエディターの設定変更やレジストリの編集が推奨されている。特に、ネットワーク検出に関する設定を変更することで、接続安定性が向上する可能性がある。しかし、これらの手法には一定のリスクも伴うため、慎重に実施する必要がある。
レジストリ変更のメリットとしては、グループポリシーエディターを使えないエディションのWindows(Windows 11 Homeなど)でも適用できる点が挙げられる。また、スクリプトを使って設定を自動適用できるため、多数の端末に一括で修正を施すことが可能だ。企業環境においては、この方法がより実用的といえる。
しかし、レジストリ変更を誤ると、予期しないシステムの不具合を引き起こす可能性がある。特に、Windowsのネットワーク関連の設定は、他のアプリケーションやサービスにも影響を及ぼすため、慎重に実施すべきだ。また、現在の回避策はすべて「応急処置」に過ぎず、Microsoftが今後のアップデートで根本的な修正を行わない限り、完全な解決には至らないだろう。
Microsoftはこの問題をどのように扱うのか 今後の修正が求められる
2025年2月21日時点で、MicrosoftはWindows 11 24H2のRDPハング問題について公式に言及していない。しかし、すでに多数のユーザーが報告しており、技術フォーラムやRedditなどでは問題の原因や回避策について議論が続いている。
Windows 11 24H2は、2024年末から順次展開されている大型アップデートであり、セキュリティやパフォーマンス向上のための機能追加が行われた。一方で、新たなバグが発生することは珍しくなく、特にネットワーク関連の仕様変更が影響している可能性がある。
過去のWindowsアップデートでも、RDPの接続に関する問題は散発的に報告されてきたが、今回のように広範囲に影響が出ているケースは異例といえる。
Microsoftが問題を認識すれば、公式フォーラムやWindows Updateのリリースノートで言及される可能性が高い。ただし、修正パッチが提供されるまでには時間がかかる可能性もあるため、当面はユーザー側での対応が必要だ。特に、リモートワークやサーバー管理でRDPを多用するユーザーは、可能であれば安定した旧バージョンのWindows 11を維持するか、影響を受けにくい代替手段を検討することが求められる。
Source:Windows Latest