Microsoftは、Windows 11バージョン23H2向けにKB5043145というオプション更新プログラムをリリースした。このアップデートでは、以前削除されたスタートメニューのサインアウト機能が復活している。また、いくつかの新機能やバグ修正も含まれており、特にEdgeのIEモードに関連する問題が改善された。

このオプション更新はすでに提供が開始されており、ユーザーは手動でインストールが可能だ。ただし、インストール後はPCの再起動が必要となる。

KB5043145アップデートの概要

Microsoftは、Windows 11バージョン23H2向けにKB5043145というオプション更新プログラムをリリースした。このアップデートは、主にバグ修正と機能改善を目的としており、次回のパッチ火曜日でリリースされる予定の累積更新プログラムに含まれる変更を先行して提供している。Windows 11ユーザーは、手動でアップデートをインストールできるが、インストール後には再起動が必要となる。

この更新にはいくつかの新機能も含まれており、特にスタートメニューに関連する変更が注目されている。また、その他にも、Windowsタスクバーからローカルファイルを直接共有できる新機能や、メディア再生中にロック画面にメディアコントロールが表示される機能が追加されている。この更新プログラムは必須ではなく、ユーザーが手動でインストールする選択肢が与えられているため、必要に応じて適用が推奨される。

スタートメニューのサインアウト機能の復活

今回のKB5043145で最も注目される変更点の一つが、スタートメニューのサインアウト機能の復活である。Microsoftは以前の更新で、スタートメニューのプロファイルアイコンに関連するサインアウトやその他のオプションを削除していたが、この変更は一部ユーザーに不評だったため、今回の更新で再び元に戻された。

スタートメニューに戻されたサインアウト機能は、より簡単で直感的なユーザーインターフェースを提供する。これにより、ユーザーはスタートメニューから直接サインアウトやユーザー切り替えを簡単に行えるようになった。なお、スタートメニュー以外でも、右クリックでシャットダウンや再起動などのオプションにアクセスできるため、複数の方法でこれらの操作が可能である。今回の復活は、ユーザーからのフィードバックを反映した変更といえるだろう。

新機能とその他の変更点

KB5043145には、新しい機能もいくつか含まれている。まず、ローカルファイルをタスクバーから直接共有できる機能が追加された。この機能により、ファイルを別のアプリケーションやクラウドストレージに手軽に送信でき、ファイル管理がさらに効率化された。また、メディア再生中にはロック画面にメディアコントロールが表示されるようになり、デバイスをロックした状態でも再生・停止などの操作が可能になった。

これらの新機能は、Windows 11のユーザーエクスペリエンスを向上させるために段階的に展開される。Microsoftは、これらの機能が一部のデバイスに即時反映される場合と、数週間から数か月かかる場合があると発表している。さらに、Windows共有ウィンドウの検索ボックスが廃止された点も注意が必要である。これにより、ファイルやアプリケーションの共有プロセスが簡略化される一方で、一部のユーザーには混乱を招く可能性がある。

セキュリティ以外の不具合修正と今後の展望

KB5043145は、セキュリティ修正を目的としたものではないが、いくつかの不具合が修正されている。特に注目すべきは、Microsoft EdgeのInternet Explorerモードでの動作停止問題が解消された点である。この問題は、多くのユーザーに影響を与えていたため、今回の修正は歓迎されている。また、Defender for Endpointの同期問題も修正され、セキュリティ関連の機能がより安定した。

その他にも、Outlookで暗号化されたメールを開くたびにPINコードを求められる問題が解消された。これにより、Outlookの使い勝手が向上し、業務効率の改善が期待される。Microsoftは、このアップデートに含まれる修正と新機能が、2024年10月8日にリリースされる累積更新プログラムにも反映される予定だとしており、Windows 11の今後の展開に期待が集まる。