Samsungが次世代フォルダブルスマホGalaxy Z Flip 7に、独自のExynos 2500チップセットを搭載すると予想されている。リーク情報によると、この10コアCPUは、Cortex-X925を主力とした新構成で、Qualcomm Snapdragon 8 Eliteに比べコア数が多いが、ベンチマークスコアではやや劣る結果となっている。
このチップセットの設計には、Cortex-X925やRDNA 3.5アーキテクチャ採用のXclipse 950 GPUが組み込まれており、グラフィック性能の進化が期待される。一方で、Snapdragon 8 Eliteが8コアで高い周波数を誇るのに対し、Exynos 2500は小型コアを含む独自路線を選択しており、日常使用での体感差や生産効率に関して議論の余地がある。
さらに、フォルダブル市場は依然としてニッチな領域に留まり、Samsungはこれらの製品の生産台数を削減する見込みであることから、Exynos 2500の大量生産体制が鍵を握ると考えられる。
Exynos 2500の10コア設計が示す新たなアプローチとその意義

Exynos 2500は、Cortex-X925を1つ、Cortex-A725を7つ、Cortex-A520を2つというユニークな10コア構成を採用している。この設計は、1+2+5+2という他に類を見ないレイアウトであり、低消費電力とパフォーマンスの両立を狙ったものと考えられる。このアプローチは、小型コアを廃止する傾向にある他社、特にQualcommやMediaTekとは一線を画している。
しかし、10コア設計の利点は必ずしも性能指標に直結しない。リークされたベンチマークによれば、Exynos 2500はシングルコアでSnapdragon 8 Eliteに約25%劣る結果となり、マルチコアでも約18%の差がある。
この結果は、パフォーマンスを重視する消費者層にとって懸念材料となる可能性がある。一方で、小型コアを維持する構造は低負荷作業時の効率向上に寄与し、バッテリー寿命を重視するフォルダブルスマホ市場では一定の魅力があるといえる。
Samsungの選択したこの設計は、フォルダブル市場というニッチなセグメントに適応するための実験的な試みとも捉えられる。Tom’s Guideによると、Galaxy S25シリーズがすべてQualcomm製チップを採用する一方で、フォルダブルシリーズにExynosを採用する理由は、生産数を限定した市場でテストを行う戦略的な意図があると推測される。
RDNA 3.5アーキテクチャ採用GPUが切り開くグラフィック性能の未来
Exynos 2500には、AMDとのコラボレーションによるXclipse 950 GPUが搭載されている。このGPUはRDNA 3.5アーキテクチャを採用しており、従来のRDNA 3に比べて大幅な進化を遂げているとされる。特に8つのワークグループプロセッサを搭載し、1.3GHzの動作周波数で高いグラフィック性能を提供する点が注目されている。
フォルダブルスマホは大画面を活かしたエンターテインメント用途が想定されるため、GPU性能が重要な要素となる。RDNA 3.5は、リアルタイムレイトレーシングやAI支援のグラフィック処理を可能にし、ゲーミングや動画編集といった用途での使用感向上が期待される。ただし、Snapdragon 8 EliteのGPUと比較すると、周波数やパフォーマンスに関しては優位性が明確ではない。
この技術進化は、Samsungがフォルダブル市場で差別化を図るための鍵となるだろう。特に、他社製品との差別化が求められる中、Xclipse 950の実際のパフォーマンスが消費者からどのように評価されるかが、今後の市場戦略を左右すると考えられる。
生産制約がもたらす市場戦略の変化と今後の展望
SamsungがGalaxy S25シリーズでExynosを採用しなかった理由の一つとして、生産体制の問題が挙げられている。Tom’s Guideでは、Exynos 2500の生産が十分に確立されていなかったことが背景にあると報じている。この問題は、フォルダブル市場においても一定の影響を及ぼしている可能性がある。
最近の報道によれば、SamsungはGalaxy Z Fold 7とFlip 7の生産を約40%削減する方針を示している。この背景には、市場の需要予測の難しさに加え、フォルダブル製品が依然として高価格帯であり、一般層への普及が進んでいない現状があると考えられる。しかし、生産台数の削減はExynos 2500の需要に適応しやすいという利点もある。
今後の展望として、SamsungがExynos 2500をテストケースとしてフォルダブル市場での信頼性を高めることが、さらなる市場拡大の鍵となるだろう。消費者の反応や競合製品との比較結果次第では、将来的にExynosチップセットの採用が広がる可能性も残されている。
Source:Tom’s Guide