Zotacは、最新のGeForce RTX 5090およびRTX 5080グラフィックカードの転売問題に対処するため、独自の販売手法を導入した。同社のDiscordサーバー内で、ユーザーがチャレンジやディスカッション、コミュニティ活動に積極的に参加することで、購入権を得られる仕組みである。

この方法により、転売業者を介さず、真のユーザーが直接製品を入手できる可能性が高まる。ただし、現時点ではこの取り組みはアメリカ在住者のみが対象となっている。

Zotacの新たな販売方式とその仕組みとは

Zotacは、GeForce RTX 5090およびRTX 5080の販売に際し、従来のオンラインショップや抽選販売とは異なる仕組みを採用している。購入希望者は、Zotacの公式Discordサーバーに参加し、特定の活動を通じて購入権を得る必要がある。

この方法は、コミュニティへの積極的な関与を前提としたもので、ランダム要素(RNG)を含みつつも、活動量が多いユーザーに優先権が与えられる仕組みとなっている。

具体的には、Discord内でのチャレンジやディスカッションへの参加、コミュニティの健全な発展に貢献することが求められる。一定の基準を満たしたユーザーには、RTX 5090またはRTX 5080の購入権が付与されるが、これには期限が設けられているため、通知を見逃すと権利を失う可能性もある。

また、購入は1世帯につき1台までに制限され、転売行為が確認された場合、将来の購入権を失う措置が講じられる。

この方式の最大の特徴は、転売業者の買い占めを防ぐと同時に、実際にグラフィックカードを必要としているユーザーへ優先的に行き渡るよう配慮されている点にある。過去のGPU販売では、転売目的の大量購入が問題視されてきたが、Zotacの新しい手法は、コミュニティに参加し、一定の活動をすることで、より公平な購入機会を提供するものとなっている。

転売対策としての効果と今後の展開

Zotacが導入したDiscordを活用した販売方式は、転売業者の買い占めを防ぐ有効な手段となる可能性がある。従来のオンライン販売では、販売開始と同時にボットが大量購入を行い、一般ユーザーが正規価格で手に入れることが困難な状況が続いていた。しかし、今回の方式では、ボットによる自動購入が不可能であるため、転売目的の購入を大幅に抑制できると考えられる。

さらに、コミュニティ活動を通じて購入権を獲得する仕組みは、ゲーマーやクリエイターといった実際にグラフィックカードを必要とするユーザーにメリットがある。積極的に参加し、貢献したユーザーが優先されるため、真の購入希望者が適正価格で入手しやすくなる。ただし、購入権が必ず与えられるわけではなく、ランダム要素も含まれるため、一定の運も必要になる点には留意が必要だ。

今後、この方式が他のメーカーにも広がるかは不明だが、転売問題が深刻化している現状を考えれば、類似の手法が採用される可能性は十分にある。特に、次世代GPUの販売時には、転売対策がますます重要視されると考えられるため、Zotacの取り組みは今後の業界にとって一つの指標となるかもしれない。

Source:NotebookCheck