Intelが新たに7つのCore UltraシリーズCPUを市場に投入する予定であることが、最近のリーク情報により明らかになった。ラインナップには、Core Ultra 5、7、および9シリーズが含まれ、それぞれ非K、T、Fのバリエーションで構成されている。中でも注目すべきは、65Wと35Wの2種類が用意される最上位モデルのCore Ultra 9 285非Kであり、従来の285Kに類似しながらも低クロック設定となっている。

また、Core Ultra 7シリーズには3つの新SKUが追加され、L3キャッシュ30MBを搭載した265、265F、265Tがクロック速度で区別される。さらに、Core Ultra 5シリーズにも2モデルが登場し、10コア構成に加えて、2つのXe GPUコアを搭載しながらもTバージョンは設定されていない点が特徴だ。

Core Ultra 9シリーズの拡張戦略と高性能志向の意図

IntelはCore Ultra 9シリーズにおいて、65Wおよび35Wの2種類の消費電力オプションを導入し、エネルギー効率と性能のバランスを強調する戦略をとっている。

Core Ultra 9 285非Kモデルの存在が示すのは、同社がユーザーに向けて多様な用途やニーズに対応する選択肢を提供する意図である。従来の285Kモデルに似つつも、クロック速度を抑えた設計は、特に高負荷のマルチタスク環境において電力効率を求めるユーザーに向けたものと考えられる。

このような多様なSKUの投入は、AMDとの競争においても意味を持つ。Intelが消費電力を抑えながらも高い処理能力を維持できることをアピールすることで、ゲーミングPCやクリエイティブ用途の分野での市場拡大を図る狙いが伺える。

また、TweakTownが報じたリーク情報は、Intelが今後さらに電力効率の高いCPUへのシフトを進めていることを暗示している。これは省電力ニーズの高まりを受けた企業の意識的な方向転換ともいえるだろう。

Core Ultra 7シリーズの新たなSKUとクロック速度の最適化

Core Ultra 7シリーズに追加される265、265F、265TのSKUは、それぞれのクロック速度に明確な違いを持たせており、ユーザーの使用目的や要求に応じた柔軟な選択肢を提供する構成である。

特にTバージョンのクロック速度が大幅に抑えられている点は、低消費電力を求める市場への対応策と見られる。L3キャッシュ30MBを搭載しながらも異なる速度設定を採用することで、Intelはパフォーマンスと省エネルギーの両立を図っていると考えられる。

このSKU構成の背景には、Intelがあらゆるユーザーのニーズに応じた細やかなラインナップを提供することで、特定分野に限らず幅広い市場への対応を目指している意図が感じられる。

また、AMDのRyzenシリーズとの競争が激化する中、細かなバリエーションの投入はブランドの競争力強化にも寄与するだろう。今回の新モデルの発表が、消費者の選択肢を広げ、パフォーマンスの最適化を目指すIntelの取り組みを象徴しているといえよう。

Core Ultra 5シリーズの10コア構成とGPUコアの特徴

Core Ultra 5シリーズに追加予定の225および225Fは、10コアのCPU構成と2つのXe GPUコアを搭載し、マルチメディア処理や一般的なパフォーマンス用途での競争力を高めている。PコアとEコアのクロック速度が異なることで、軽量なタスクからヘビーな処理まで効率的に対応できる設計となっている。65WのTDPに抑えつつも、Tバージョンを設定しないことは、性能を優先したアプローチを強調している。

Intelはこのシリーズで特にGPUコアを2つ搭載することで、映像処理や軽いグラフィック用途においてもバランスの取れた性能を実現している。これは、ユーザーが外付けGPUを必要としない範囲でのグラフィックス性能を提供し、コストパフォーマンスを重視したPC市場を狙う戦略といえるだろう。高価格帯のCPUに依存せず、幅広いユーザー層に対応するというIntelの市場戦略が、今回のラインナップ拡充からも見て取れる。