バンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新分析によれば、AMDは2024年第3四半期にインテルを大きく上回り、CPU市場で15%のシェア拡大を実現した。インテルがPC出荷の減少と中国市場への依存から成長が鈍化する中、AMDは欧米の消費者市場とデスクトップ市場での強さを武器に、持続的な成長を遂げている。

また、サーバー市場でも、AMDは2026年までに市場シェアを27%にまで拡大する可能性が示唆され、特に高コア数の新製品投入が期待されている。一方、ArmベースのサーバーCPUが市場シェアを急増させ、特定分野においてはAMDにとっての新たな挑戦要素となっている。BofAはインテルに対し「アンダーパフォーム」の評価を継続し、AMDの優位性に注目している。

AMDとインテルの戦略的市場分布と成長要因の違い

バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、AMDとインテルの成長には市場構成の違いが大きく影響している。AMDは欧米の消費者市場やデスクトップ分野に強みを持ち、この分野での需要増が成長を牽引している。特に、インテルが依存する中国市場やエンタープライズ市場は景気の不安定さが影響しやすく、PC出荷が減少傾向にあることがインテルの成長鈍化に結びついている。

インテルはノートブック市場での需要に依存し、デスクトップよりもモバイルに重点を置く戦略が主流となっている。一方、AMDは高性能PC向けプロセッサーの開発に注力しており、これがデスクトップ市場でのシェア増に寄与している。これらの違いは、AMDが地理的および製品構成で成長を最適化していることを示しており、BofAはこの傾向が2025年まで続く可能性があると指摘している。

サーバー市場での競争激化とAMDの成長期待

サーバー市場では、AMDの市場シェアが着実に拡大しており、BofAは2026年までに約27%に達する可能性を示している。特に注目すべきは、高コア数のサーバープロセッサーへの需要増で、これが市場シェア拡大の要因となっている。AMDは新製品ラインの投入によりサーバー市場での強固な地位を確立し、四半期ごとの出荷量も安定して増加を続けている。

一方、Armベースのプロセッサーが急速にシェアを伸ばしつつあり、特定セグメントでの競争が激化している点が課題である。2024年第3四半期にArmベースのサーバーCPUのシェアが約7%に達したことから、AMDにとっても競争環境が一層厳しくなりつつあるとみられる。しかし、BofAはAMDの技術的優位性と製品ラインアップを強調し、この競争にもかかわらず成長が続く可能性があると評価している。

AMDとインテルの評価差と今後の注目ポイント

BofAはインテルに対し「アンダーパフォーム」の評価を継続している一方で、AMDに対しては「買い」の評価を維持している。この評価の背景には、AMDがアクセラレーター分野やAI対応のPC製品で市場シェアを着実に拡大している事実がある。インテルはCPUシェアの低下に加え、アクセラレーター分野での成長限界が指摘されており、競争優位性を取り戻すための課題が多いとされる。

今後、PCおよびサーバー市場でのシェア争いに加え、AI向けプロセッサーの開発競争が業界全体の行方を左右するだろう。BofAの予測では、AMDの継続的な技術革新が期待されており、AIやハイパフォーマンス市場でのシェア拡大が将来的な評価を左右する重要な要素となる見込みである。