PCハードウェアファンから評価の低いUserBenchmarkが、Ryzen 7 9800X3Dに対するレビューを公開し再び批判を浴びている。このレビューでは、同CPUの需要をAMDのマーケティング戦略に帰し、インテルのCore i5-13600Kと14600Kを代替として推奨。
しかし、Ryzen 7 9800X3Dは他の多くのテックメディアから高評価を受けており、売り切れが続く中、UserBenchmarkのレビューには「偏見がある」との声が強まる。同サイトのTrustpilot評価は1.4に留まるなど、その評価の信頼性には疑問が投げかけられている。
UserBenchmarkのAMD批判と消費者の反応
UserBenchmarkはRyzen 7 9800X3Dに対して、パフォーマンスではなくAMDの積極的なマーケティングが需要を生んでいると指摘している。このレビューに対して、多くの消費者やテクノロジー愛好者が反発し、特にオンライン上では「偏った評価」との声が相次いでいる。
TechSpotのようなレビューサイトでは、この最新チップが「ゲーミングCPUの新王者」として評価されており、他の多くのメディアも類似の見解を示している。実際、複数の店舗で売り切れが続き、転売価格が1,500ドルにまで高騰しているが、UserBenchmarkはこの現象を「過剰なマーケティング効果」と見なす。
これに対し、UserBenchmarkの消費者向けの影響力を考慮すると、そのレビューが特定のCPUを選ぶ上で偏りを生む可能性もある。
Google検索で上位にランクされることから、一般消費者に与える影響は大きいが、Trustpilotの評価が低いこともあり、一定の批判も根強い。そのため、UserBenchmarkのレビューに対して消費者が批判的な視点を持つことは重要であり、特に他の評価サイトと見解が大きく異なる場合は慎重な情報収集が求められる。
Ryzen 7 9800X3DとインテルCPUの価格対性能の比較
UserBenchmarkのレビューでは、Ryzen 7 9800X3DよりもインテルのCore i5-13600Kおよび14600Kを推奨する姿勢が見られる。
これは、9800X3Dが7700Xと比べて約40%高い価格である一方、追加キャッシュの恩恵による性能向上が限定的であると評価しているためである。同レビューでは、9800X3Dが実際には7700Xと同等のシングルコア性能であり、ゲーミングにおける価格対性能ではインテル製品が有利であると結論づけている。
この見解に対しては、9800X3Dのキャッシュ構造がゲームや特定のアプリケーションで優れたパフォーマンスを発揮することを評価している他のレビューと対立している。ゲーミングにおけるパフォーマンスを重視するならば、どのプロセッサが適しているかは使用目的や予算次第で異なる。したがって、価格対性能の視点からだけではなく、必要な用途に応じたプロセッサ選びが求められるだろう。
UserBenchmarkの評価手法への疑問と信頼性の課題
UserBenchmarkは過去にも、シングルスレッド性能を強調するスコアリングアルゴリズムを導入したことが批判の対象となった。この手法変更により、特にAMD製品に対する評価が低くなったとされ、ファンから「インテル寄り」との声が出ている。Ryzen 7 9800X3Dのレビューもその流れを踏襲するものであり、性能評価に偏りがあるという懸念が再燃している。
このような評価手法の偏りは、特に初心者や一般消費者が誤解を招く恐れがある。実際、同サイトのTrustpilotでの評価は1.4と非常に低く、信頼性への疑問が強まっている。評価サイトのランキングが消費者の購買行動に影響を与える現代において、透明性と公正な評価が求められている。消費者にとっては、単一のサイトの評価を盲信せず、複数の情報源を参考にすることが賢明である。