Lenovo IdeaPad Pro 5i 16は、実用性を重視した16インチのラップトップである。派手さこそないが、堅牢な作りと広い接続性、快適なキーボードを提供し、特に価格に対する性能のバランスが秀逸だ。特に高精細なOLEDディスプレイと高い生産性を支えるパフォーマンスが強みとなっている。

シンプルで堅牢なデザイン

Lenovo IdeaPad Pro 5i 16のデザインは、一見すると非常にシンプルであるが、その堅牢さが目を引く。ガンメタルの外装は控えめな光沢を持ち、どんな環境にも馴染む落ち着いた雰囲気を醸し出している。このシンプルさは、一部のユーザーには物足りなく感じられるかもしれないが、実際には非常に実用的な設計となっている。

特に注目すべきは、16インチの大きさにもかかわらず、本体が非常に薄く、軽量である点だ。0.69インチの厚さと4.28ポンドの重量は、同クラスの他のラップトップと比べてもかなりスリムであり、携帯性が高い。カーブしたエッジと細部まで調整されたディスプレイヒンジは、片手で簡単に開閉できるなど、日常使用における利便性も十分に考慮されている。

また、ディスプレイの剛性も優れており、片手で持ち上げた際にもほとんどたわむことがない。この点において、同価格帯の他製品と比較しても非常に安定感があり、長期間使用してもその品質が維持されるだろう。外観の華やかさを犠牲にして、実用性を徹底的に追求したデザインである。

豊富な接続ポートと快適なキーボード

Lenovo IdeaPad Pro 5i 16は、その豊富な接続性も大きな特徴である。特に左側に配置された2つのUSB-Cポートは、1つがThunderbolt 4対応で最大40Gbpsのデータ転送速度を持ち、もう1つもUSB-C 3.2で20Gbpsをサポートしている。この2つのポートはDisplayPortオルタネートモードにも対応しており、外部ディスプレイへの接続が容易である。

加えて、専用の電源ポートやHDMI 2.1、3.5mmのオーディオジャック、SDカードリーダー、そして2つのUSB 3.2 Gen 1 Type-Aポートが用意されており、物理的な接続性においては不満のないラインナップだ。ただし、Ethernetポートが欠如している点は、最近のWindowsノートPCでは一般的だが、注意が必要である。

キーボードはLenovoの強みであり、IdeaPad Pro 5i 16も例外ではない。キーの配置は広く、タイピング時の感触も非常に快適である。特に数字キーがしっかりと配置されている点が評価される。キーボードの反応はクリスプで、押下時に明確なフィードバックがあるため、長時間の使用でも疲れにくい。全体として、接続性と入力デバイスの両方が高い水準にあると言える。

パフォーマンスとディスプレイのバランスが秀逸

Lenovo IdeaPad Pro 5i 16は、性能とディスプレイのバランスが取れた製品である。特に、レビューで使用された上位モデルは、Intel Core Ultra 9 185HプロセッサとNvidia GeForce RTX 4050 GPUを搭載しており、価格に対して非常に高いパフォーマンスを発揮する。これにより、日常的な生産性アプリケーションだけでなく、コンテンツ制作やゲームプレイにも対応できる。

このプロセッサは、16コア構成であり、最大5.1GHzのターボブーストを誇る。その結果、CinebenchやGeekbenchなどのベンチマークで、同クラスの競合製品を凌ぐ結果を出している。また、32GBのメモリと2TBのSSDも搭載されており、ストレージやメモリ不足を感じることはほとんどないだろう。

加えて、16インチのOLEDディスプレイは、解像度が2K(2048×1280ピクセル)であり、リフレッシュレートは120Hzに達する。このディスプレイは、sRGBやDCI-P3色域を100%カバーしており、AdobeRGBも93%という優れた色再現性を持つため、クリエイティブな作業に最適である。ディスプレイとパフォーマンスの絶妙なバランスが、このモデルの大きな魅力となっている。

コスパに優れた選択肢だが欠点も

Lenovo IdeaPad Pro 5i 16は、非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢である。特に、1,499ドルという価格設定にもかかわらず、Core Ultra 9プロセッサやRTX 4050、OLEDディスプレイなどのハイスペックを備えている点は大きな魅力だ。しかも、このモデルはCostcoでさらに安くなることがあり、割引時には1,349ドルまで下がることもある。

しかし、全てが完璧というわけではない。特にバッテリー寿命に関しては、他の競合モデルと比較してやや見劣りする。9時間16分のバッテリー持続時間は悪くないものの、デスクトップ代替モデルとしては短めである。また、タッチパッドも改善の余地がある。サイズが小さく、左寄りに配置されているため、使用時に不便を感じることがある。

デザインがシンプルすぎるという指摘もあるが、実用性を重視するユーザーにとっては、大きな欠点ではないだろう。最終的には、価格と性能のバランスを重視するユーザーにとって、IdeaPad Pro 5i 16は非常に優れた選択肢であることは間違いない。