ASRockがZ890シリーズのマザーボードを発表し、次世代のTaichiシリーズが注目を集めている。Taichi AQUAは、空冷と水冷を融合したハイブリッド冷却システムを搭載し、VRMやM.2 SSDへの高効率な冷却を提供する。さらに、オーバークロックに特化した「Taichi OCF」や、多彩なフォームファクターを揃えたPhantom Gamingシリーズも展開されている。
Taichi AQUA:空冷と水冷の融合による冷却性能
Taichi AQUAはASRockとAlphacoolが共同開発したハイブリッド冷却システムを搭載している。このシステムは空冷と水冷を組み合わせ、VRMとM.2ストレージの冷却を同時に実現する画期的な設計となっている。特に注目すべきは、Gen-5 SSDに対応した取り外し可能なM.2ウォーターブロックの搭載である。これにより、ユーザーは簡単に水冷システムをセットアップでき、放熱性能を大幅に向上させることが可能だ。
さらに、28+1+2+1+1のパワーフェーズ構成と110Aの電力供給能力を備えた10層PCBは、オーバーロードに耐える強力なパフォーマンスを提供する。背面I/OにはUSB Type-Cポートが10基用意され、そのうち2基は40Gbpsの速度を持つThunderbolt 4に対応している。Wi-Fi 7や10Gbpsおよび5GbpsのEthernetポートも搭載し、最新のネットワーク技術を提供する。これらの機能により、Taichi AQUAはハイエンドユーザーやプロフェッショナルなクリエイターに最適な製品となっている。
Taichi OCF:オーバークロックへの挑戦
Z890 Taichi OCFは、オーバークロックを追求するユーザー向けに設計されたマザーボードである。このモデルは10層PCBとサーバーグレードの低損失コアを採用し、安定した電力供給を可能にしている。また、ASRockが独自開発したMemory OC Shieldが電磁干渉(EMI)を低減し、メモリオーバークロックの安定性を向上させる。
さらに、OCボタンやOCプロファイルスイッチなどのツールが搭載されており、ハードコアなオーバークロッカーのためのElmorLabs製OCパネルにも対応している。この設計により、Taichi OCFは高精度なチューニングと高い耐久性を備え、競技オーバークロッキングの場でも信頼される性能を発揮する。
Phantom Gaming:あらゆるフォームファクターを網羅
Phantom Gamingシリーズは、ATXからmini-ITXまで多様なフォームファクターを揃えており、どのようなPC構成にも対応可能である。たとえば、Z890 Nova WiFiは最大9基のM.2 SSDをサポートし、広範なストレージ拡張が可能だ。一方、mini-ITXモデルであるZ890I Nova WiFiは、コンパクトな筐体ながらも3基のM.2 SSDを搭載できる設計となっている。
また、全モデルにThunderbolt 4ポートが2基ずつ装備されており、Wi-Fi 7や2.5Gbpsおよび5GbpsのLANポートも備えている。これにより、ゲーマーは高速なネットワーク接続を確保し、どのような環境でも快適なゲーム体験を楽しむことができる。Phantom Gamingシリーズの各モデルは、ASRockの特許取得済みのEthernetコネクタを搭載し、優れたノイズ耐性と安定性を提供するため、長時間のゲームプレイにも最適である。
Steel LegendとPro RS:美しい白デザインと高耐久性能
Steel Legend WiFiおよびPro RS WiFi Whiteは、ミニマルなARGBライティングを備えた新しい白基調のデザインを採用している。このシリーズは、シンプルで洗練された外観を求めるビルダーに最適な選択肢である。高品質なコンポーネントを使用し、長寿命かつ耐久性のある設計を実現しているため、日常的な使用にも信頼性が高い。
また、DDR5メモリの高いオーバークロック性能を発揮できるため、ゲーマーだけでなく、クリエイターやプロフェッショナルにも適している。さらに、これらのモデルはThunderboltポートや複数のUSBポートを搭載し、優れた拡張性と接続性を提供する。機能面だけでなく、デザイン性に優れたこれらのモデルは、性能と美しさを両立させたPCを求めるユーザーにぴったりの製品である。