インテルは、新世代のCore Ultra 200シリーズ「Arrow Lake-S」デスクトッププロセッサを10月10日に正式に発表する。これに伴い、レビューと販売は2週間後の10月24日に開始される予定だ。新モデルは、LGA 1851ソケットを採用し、Z890を含む800シリーズのマザーボードがサポートされ、DDR5専用となっている。

Core Ultra 200シリーズの発売日と主要スペック

インテルは新たにCore Ultra 200シリーズ「Arrow Lake-S」デスクトッププロセッサの発売を10月10日に予定している。このシリーズは、特に次世代のPCユーザーやゲーマーに向けたもので、性能向上と新しい技術の採用が目立つ。発売に先立ち、10月24日には各種レビューが解禁される予定であり、ユーザーが購入を検討するための判断材料となる。

最上位モデルであるCore Ultra 9 285Kは、24コアと24スレッドを備えており、その内訳は8つのパフォーマンスコア(P-Core)と16の効率コア(E-Core)で構成される。ベースクロックはP-Coreが3.7GHz、E-Coreが3.2GHzで、最大ブーストクロックはそれぞれ5.7GHz、4.6GHzに達する。これにより、高負荷な作業や最新のゲームにおいても非常に高いパフォーマンスを発揮することが期待されている。

また、Core Ultra 7 265KおよびCore Ultra 5 245Kの下位モデルも投入される予定で、用途や予算に応じた選択肢が広がる。これらのプロセッサは、新しいソケット規格とマザーボードに対応し、次世代のPC環境を構築する重要な要素となるだろう。

新世代ソケット「LGA 1851」とDDR5専用マザーボード

新たに発表されるCore Ultra 200シリーズは、LGA 1851ソケットという新しい規格を採用している。このソケットは、従来のLGA 1700に代わるものであり、将来的な拡張性と高い電力効率を提供することが期待されている。また、800シリーズのマザーボードに対応しており、その中でも特にZ890がフラッグシップモデルとして注目されている。

LGA 1851は、DDR5メモリに完全に対応している点が大きな特徴である。これにより、従来のDDR4メモリではなく、より高速なデータ転送が可能なDDR5メモリを活用できるようになる。DDR5は、ゲーミングや映像編集など、メモリのパフォーマンスが重要となる場面で大きな違いを生むだろう。

さらに、TSMCの先進的な製造技術が採用されており、これは「Lunar Lake」と呼ばれるモバイル向けプロセッサでも使用されている技術である。これにより、消費電力の削減とパフォーマンスの向上が実現されている。新しいソケットとマザーボード、そしてDDR5メモリの組み合わせは、次世代のPCプラットフォームを形成する重要な要素となる。

AMD Ryzen 9000シリーズとの競合ポイント

インテルのCore Ultra 200シリーズは、AMDの最新プロセッサであるRyzen 9000シリーズと直接競合することが予想される。特に、AMDのZen 5アーキテクチャを採用したRyzen 9000シリーズは、パフォーマンスと効率の両方で優れた評価を得ており、インテルにとって強力なライバルとなる。

AMDのRyzen 9000シリーズは、高いマルチスレッド性能を誇り、特にクリエイティブ作業や科学技術計算において強力なパフォーマンスを発揮している。一方で、インテルのCore Ultra 200シリーズは、単一スレッド性能とゲーム性能において依然として優位に立っている。特にP-CoreとE-Coreを組み合わせたハイブリッド構成により、処理の効率性を高めながら、必要に応じて高負荷な作業にも対応できる点が特徴だ。

また、AMDのRyzen 9000シリーズがDDR4メモリとの互換性を維持している一方で、インテルは完全にDDR5に移行しており、これが長期的なパフォーマンス向上につながると考えられる。どちらのプロセッサが優れているかは、用途やユーザーのニーズに依存するが、次世代PCの構築を目指すユーザーにとって、インテルとAMDの対決は見逃せないものとなるだろう。

各プロセッサモデルの性能比較

Core Ultra 200シリーズには、いくつかのモデルが用意されており、用途に応じた選択が可能である。最上位モデルであるCore Ultra 9 285Kは、24コア24スレッドで、P-CoreとE-Coreをそれぞれ8つと16の構成としている。これにより、マルチタスク性能とシングルスレッド性能の両立が実現されている。

Core Ultra 7 265Kは、20コア20スレッドで、P-Coreが8つ、E-Coreが12つという構成だ。このモデルは、パフォーマンスを求めるユーザーにとって理想的な選択肢であり、特にゲーミングや高負荷な作業にも対応できる。また、価格帯も最上位モデルより手頃であるため、バランスの取れた選択肢となる。

さらに、Core Ultra 5 245Kは14コア14スレッドで、P-Coreが6つ、E-Coreが8つという中間的な構成を持つ。このモデルは、日常的な作業や軽めのゲーミングに適しており、コストパフォーマンスを重視するユーザーに向けた選択肢である。各モデルともに、125Wの消費電力に抑えつつ、十分な性能を提供する点が共通している。