Microsoftは、デスクトップ向けの新型Surface Keyboardを発売した。このキーボードは、新たに「Copilotキー」やWindows 11ショートカットを備え、機能が一部更新されている。しかし、旧モデルからの価格上昇が大きな話題となっており、従来の89ドルから129ドルに引き上げられた点に批判の声も上がっている。プレミアム感のあるデザインにも関わらず、バックライト非搭載という欠点も指摘されている。
「Copilotキー」とWindows 11専用ショートカットの導入
Microsoftの新型Copilot Keyboardの注目点は、新たに追加された「Copilotキー」とWindows 11のための専用ショートカットである。「Copilotキー」は、AIを活用した生産性向上ツールであるCopilot機能への迅速なアクセスを提供する。このキーを押すことで、瞬時に多機能なAI支援を呼び出し、ユーザーの業務効率を高めることが期待される。
また、キーボードには「Snip & Sketch」や「Widgets」、絵文字パネルを開くショートカットも備わっている。これにより、Windows 11の主要機能に素早くアクセスできるよう設計されており、特に日常的にデジタルツールを多用するユーザーにとって利便性が向上する。
しかし、これらの新機能がユーザーにとってどれほど実用的かは評価が分かれる。多くのユーザーは、従来のキーボードからの移行に大きなメリットを感じるかどうか疑問視している。Copilot機能が今後どれほど広く普及するかが、このキーボードの価値を左右する重要なポイントとなる。
従来モデルと何が変わったのか?機能面の小幅な刷新
新型Copilot Keyboardは、Microsoftの以前のSurface Keyboardと比較すると、外観や基本的な仕様には大きな違いがない。外形寸法はほぼ同一で、重量も変わらず、使用されているBluetooth 4.0 LE技術や12か月間のバッテリー寿命もそのままである。
このため、ハードウェア的な進化は見られない。大きな変更点は、前述の「Copilotキー」とWindows 11のための新たなショートカットの追加である。しかし、これらの機能以外では、内部構造の変更も見られず、見た目や手触りの感触も旧モデルと同様である。
このような背景から、一部の消費者は「小幅な刷新に過ぎない」という厳しい見方を示している。既に旧モデルを所有するユーザーにとって、新モデルへのアップグレードが必要かどうかは議論の余地がある。また、129ドルという価格が、わずかな機能追加のために正当化されるかどうかも疑問の声が上がっている。
価格高騰の理由とは――129ドルの価値はあるのか
新型Copilot Keyboardの価格は、旧モデルの89ドルから129ドルへと大幅に引き上げられた。この価格設定は、わずかな機能追加にもかかわらず、消費者にとっては「割高」と感じられる要因となっている。特に内部仕様がほとんど変わらないことを考慮すると、30ドルの価格差を正当化することは難しい。
さらに、129ドルという価格帯では、キーボードにバックライトが搭載されていない点が失望を招いている。市場では、同等またはそれ以上の価格でバックライトを備えたモデルが多く存在するため、この欠点は一層目立ってしまう。
ただし、このキーボードは、AppleのMagic Keyboardに匹敵するプレミアム感を持ち、質感の高いメタルシャーシと深いキータッチを提供する点では評価されている。とはいえ、多くの消費者は、これだけの価格を支払う価値があるのか疑問を抱いており、競合製品との比較が避けられない状況である。
Surfaceシリーズの縮小と生き残るアクセサリたち
Microsoftは、ここ数年でSurfaceシリーズのアクセサリラインナップを縮小してきた。Surface ProやSurface Laptopなどの主要製品に焦点を当てるため、これまで展開されていた周辺機器の多くが市場から姿を消している。この縮小の流れの中で、新型Copilot Keyboardは数少ない生き残りのアクセサリの一つである。
他に生き残ったアクセサリとしては、Surface Arc MouseやSurface Dockが挙げられる。これらの製品は、Microsoftの主要ハードウェアラインに統合され、シームレスな使用体験を提供するための重要な役割を果たしている。
一方で、このような縮小戦略は、ユーザーに選択肢の減少をもたらしているとの批判もある。特に多様な用途に対応するアクセサリが必要なユーザーにとって、Microsoftの製品戦略は物足りなさを感じさせる可能性がある。Copilot Keyboardが市場でどのような評価を受けるかは、今後のMicrosoftのアクセサリ戦略を占う重要な指標となるであろう。