2025年に入り、PCのパフォーマンス低下が顕著になりつつある。特にPassMarkのベンチマークデータによると、平均CPUパフォーマンスがこれまでにない形で下降傾向を示している。これにより、Windows 11が原因ではないかという議論が再燃している。

MicrosoftはWindows 11がWindows 10より高速であると強調してきたが、ベンチマークデータや実際のユーザー体験では、それを裏付ける結果は出ていない。Neowinの調査では、アップグレード後のPCがむしろ遅くなったケースも報告されている。さらに、不要なソフトウェアの増加や、CPUの活用方法の変化も影響している可能性がある。

これらのデータは、多くのユーザーにとってWindows 10のほうが依然として魅力的な選択肢であることを示唆している。果たして、Microsoftの今後のアップデートでこのパフォーマンス問題が解消されるのか、それともWindows 11の最適化が進まないまま議論が続くのか、引き続き注目が集まる。

PassMarkのデータが示すPCパフォーマンスの謎とは

PassMarkが公表した最新のベンチマークデータは、これまでの傾向とは異なる異変を示している。平均CPUパフォーマンスが下降傾向にあり、多くのユーザーが「なぜ今になってこの現象が発生しているのか」と疑問を抱いている。特に、PCのハードウェアが年々進化しているにもかかわらず、性能が向上するどころか低下している点は、これまでにない問題として注目されている。

PassMarkのデータ収集方法によれば、このベンチマークは世界中のユーザーが実行した「PerformanceTest」の結果を集計し、リアルタイムで傾向を分析している。そのため、特定の地域やメーカーに偏ったデータではなく、幅広い環境でのパフォーマンスを反映していると考えられる。

それでもなお、2025年に入ってからの急激な変化には説明がつかず、Windows 11への移行が影響しているのではないかとの声が多く上がっている。

これまでのデータでは、新しいOSが登場すると一時的にパフォーマンスが変動することはあったが、全体的な下降トレンドが続くことは珍しい。

つまり、Windows 11への移行だけでなく、ソフトウェアやハードウェアの最適化不足、あるいは最新のCPUが本来の性能を発揮しにくい状況になっている可能性も考えられる。現時点では原因が特定されていないが、PassMarkのデータはユーザーにとって重要な指標となるだろう。

Windows 11の最適化不足が影響か 最新アップデートの影響も

MicrosoftはWindows 11を「Windows 10より高速」とアピールし続けているが、実際のベンチマーク結果は必ずしもそれを証明していない。特に、Windows 11の最新アップデートでは、不要なソフトウェア(ブロートウェア)の増加や、特定のシステム設定が影響して、意図せずパフォーマンスを低下させている可能性がある。

Windows 11では、最新のハードウェア向けに最適化が進められているが、依然として多くのPCが過去の設計思想を引き継いでいる。そのため、新OSが旧世代のCPUやメモリ構成と必ずしも相性が良いとは限らない。特に、Windows 11のセキュリティ機能強化がCPUの負荷を増大させ、結果的にパフォーマンス低下を引き起こしていると指摘する声もある。

また、アップデートごとに発生する問題も見逃せない。2025年に入ってからの最新のWindows 11アップデートでは、一部のユーザーが動作の遅延やフリーズの増加を報告しており、これがベンチマークデータの下降と関連している可能性もある。Microsoftはこれらの問題について公式なコメントを出していないが、過去にも大規模アップデート後に修正パッチを配布した例があるため、今後の動向が注視される。

PCユーザーのハードウェア選択と最適なOSの関係性

PCのパフォーマンス低下がOSの問題なのか、ハードウェアの最適化不足によるものなのかを見極めることは容易ではない。しかし、PassMarkのデータによると、現在のPCユーザーの多くは8コア以下のCPUを使用しており、最新の多コアCPUを活用しきれていない実態が浮かび上がっている。

これは、最新のゲームやアプリケーションが必ずしも高コア数を必要としていないためと考えられる。例えば、ゲーム用途では依然としてGPUの役割が大きく、CPUの影響は限定的だ。

加えて、最新のクリエイティブソフトウェアでもGPUによるハードウェアアクセラレーションが進んでおり、CPUの負荷が軽減されるケースが増えている。そのため、多くのユーザーにとっては、必ずしも最新のハイエンドCPUを搭載することが最適とは言えない状況になっている。

この傾向を踏まえると、Windows 11が推奨するハードウェア構成が、実際のユーザー環境と必ずしも合致していない可能性がある。Windows 10のほうが軽量で安定していると感じるユーザーが多いのは、こうした要因も影響しているのかもしれない。Microsoftが今後、Windows 11の最適化をどのように進めるのかによって、ユーザーの選択肢も変わってくるだろう。

Source:Neowin