MicrosoftはWindows 11のインサイダープレビュー版「Build 22635.4367(KB5044373)」をベータチャンネル向けにリリースした。このアップデートでは、ファイルエクスプローラーがWindows 10のコンテキストメニューを採用するなどの新機能が追加されている。さらに、ファイルの共有機能が強化され、複数の不具合が修正されている。

Windows 10スタイルのコンテキストメニューが復活

KB5044373のアップデートでは、Windows 11のファイルエクスプローラーが大きく改良された。この中でも特に注目すべき点は、Windows 10で使われていた古いコンテキストメニューが復活したことである。Windows 11の初期リリースでは、よりモダンなデザインのコンテキストメニューが導入されていたが、これが使い勝手の面で多くの批判を受けていた。

今回のアップデートにより、従来のWindows 10のスタイルを踏襲したメニューが再び利用可能となった。右クリックメニューがシンプルで使いやすい旧来のデザインに戻ることで、特に長年Windowsを利用してきたユーザーにとっては、作業効率が向上するだろう。また、この変更は、クラシックなコンテキストメニューに慣れたユーザーが、慣れ親しんだ操作感を取り戻すための大きなメリットとなる。

このメニュー復活により、よりスムーズにファイル操作を行うことができるようになったが、新しいモダンなデザインと比較しても、この変更は非常に歓迎される改善であると言える。

ファイル共有機能が向上

今回のKB5044373では、ファイル共有機能も大幅に向上している。Windows 11ではファイルエクスプローラーやデスクトップ上から、直接アプリにファイルを共有することができるようになった。従来、ファイルをアプリで共有するためには、手動でアプリを開いてからの操作が必要だったが、このアップデートによりコンテキストメニューから直接操作が可能となり、作業効率が飛躍的に向上する。

特に、ビジネスシーンや日常的なファイル操作において、ワンクリックで共有できるこの機能は、多くのユーザーにとって利便性が高い。さらに、共有可能なアプリも幅広く対応しており、メールやチャット、クラウドストレージサービスなど、さまざまなアプリでシームレスな連携が実現されている。この機能により、従来の複雑な手順を省略し、より迅速かつ直感的にファイル共有が行える。

また、ViveToolを使用することで、さらに高度な共有機能も有効化できる点が特徴だ。これにより、Windows 11ベータ版のユーザーは、次世代のファイル共有を先行して体験することができる。

複数の不具合修正とタスクバーの改善

KB5044373では、いくつかの不具合が修正されている。その中でも特に注目すべきは、ライブキャプション機能の改善だ。以前のビルドでは、ライブキャプションが起動時にクラッシュする問題が報告されていたが、今回のアップデートでこの問題が解消された。また、タスクバー関連の改善も行われている。

タスクバーにおいて、同じアプリの複数ウィンドウを開いた際に、従来はWINキーを使ってウィンドウを切り替えることができなかった。この問題も今回の更新で修正され、複数のウィンドウをスムーズに切り替えられるようになった。また、アプリのアイコンがタスクバー上に正常に表示されない問題も解決されており、より直感的な操作が可能となっている。

これらの不具合修正により、Windows 11の安定性と使い勝手が向上している。特にタスクバーの改善は、日常的に多くのウィンドウを開くユーザーにとって大きな利便性をもたらすアップデートとなっている。

ViveToolを使用した新機能の有効化方法

Windows 11ベータ版のBuild 22635.4367では、ファイルエクスプローラーに新しい「共有」オプションが追加されているが、この機能は初期設定では有効化されていない。しかし、ViveToolというサードパーティのツールを使用することで、この機能を有効化することができる。

ViveToolは、Windowsの内部設定を変更できる強力なツールであり、Windows Enthusiastの@phantomofearthが公開したコマンドを使用することで、簡単に新しい共有機能を利用できる。具体的には、コマンドプロンプトで「vivetool /enable /id: 45286384, 52800817」と入力することで、新しいコンテキストメニューが有効化される。この操作により、デスクトップやエクスプローラー上でのファイル共有がより簡単になる。

この機能は、まだ正式リリースされていないため、ベータ版でのみ利用可能だが、将来的には多くのユーザーが恩恵を受けることが期待される。ViveToolを使用することで、最新のWindows機能をいち早く体験できる点が、このアップデートの大きな魅力である。