マイクロソフトは、9月26日にリリースされたWindows 11のKB5043145更新プログラムを一時的に配信停止した。この更新によって、多くのユーザーがブルースクリーンやグリーンスクリーン(BSOD/GSOD)のエラーを経験し、PCが再起動ループに陥るなどの深刻な問題が発生したためである。特にASUS製ノートPCなどでの影響が報告されており、マイクロソフトは現在問題の調査を進めているが、影響範囲は明確ではない。

更新プログラムにより発生した深刻な問題とは

2024年9月26日にリリースされたWindows 11のKB5043145オプション更新プログラムは、多くのユーザーにとって致命的な問題を引き起こした。この更新プログラムをインストールした後、PCが突然のブルースクリーン(BSOD)やグリーンスクリーン(GSOD)に見舞われ、システムが不安定になるケースが多発している。これにより、PCが自動的に再起動を繰り返し、最悪の場合、復元モードに強制的に突入することもある。

特に深刻なのは、更新後にUSBポートが認識されなくなる問題で、キーボードやマウスといった基本的な入力デバイスが使えなくなるケースも報告されている。このため、影響を受けたユーザーは物理的な操作が困難になるなど、日常的な作業に大きな支障を来している。さらに、Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)の起動ができなくなる問題も一部ユーザーで発生しており、特定のAMDチップを搭載したデバイスでの不具合が報告されている。

マイクロソフトは、この問題を受けてKB5043145の配信を一時停止し、原因の調査に乗り出しているが、現時点で明確な解決策は示されていない。ユーザーの多くは早急な修正を求めている状況である。

BSODとGSODエラー、影響を受けたデバイス

今回の更新プログラムで最も多く報告されている問題は、ブルースクリーン(BSOD)とグリーンスクリーン(GSOD)のエラーである。これらのエラーはシステムクラッシュを引き起こし、PCが正常に動作しない状態に陥る。BSODは、特にWindowsのシステムレベルの障害が発生した場合に表示されるエラー画面であり、GSODは開発者向けのビルドで発生することが多いが、今回の更新では一般ユーザーにも影響が及んでいる。

このエラーにより、PCは正常に起動できず、再起動を繰り返す「再起動ループ」に陥るケースが相次いでいる。特にASUSのTUF A15やROG Strix G17などのモデルで問題が頻発しており、これらのデバイスが特に影響を受けているようだ。しかし、この問題はASUS製品に限らず、他のメーカーのデバイスにも広がっているとされ、影響範囲はさらに広がる可能性がある。

さらに、一部のユーザーはBitLockerの復旧キーを求められるケースも報告しており、問題が深刻化している。これにより、多くのユーザーが通常の使用に戻るために、手動で更新をアンインストールする必要に迫られている。

マイクロソフトの対応と今後の展望

マイクロソフトは、ユーザーからの多数の問題報告を受け、KB5043145の配信を停止する決断を下した。これにより、新たな影響を受けるユーザーの拡大は防がれているが、すでに更新を適用したユーザーにとっては依然として問題が残っている。マイクロソフトは公式声明で、問題の原因を現在調査中であり、修正パッチのリリースに向けた作業を進めていることを明らかにしている。

現時点では、問題の解決策として更新プログラムをアンインストールすることが推奨されているが、すでにシステムに深刻な影響を受けたユーザーは手動で復旧作業を行う必要がある。これは、特に技術的な知識がないユーザーにとっては難易度が高く、今後の正式な修正パッチの提供が待たれる状況である。

今後の展望としては、マイクロソフトがこの問題に対して迅速かつ効果的な対応を行うかが焦点となる。特に影響を受けたデバイスが多岐にわたることから、修正プログラムの配信には時間がかかる可能性があるが、ユーザーからの信頼回復には早期の対応が求められる。

ユーザーが取るべき対策と回避方法

影響を受けたユーザーがまず行うべき対応は、更新プログラムのアンインストールである。すでにPCが正常に起動しない場合は、回復モードやコマンドプロンプトを利用して手動で更新を削除することが必要となる。これにより、再起動ループやシステムの不安定さを回避することができる。

また、今回の問題に関連してUSBポートが機能しなくなる場合があるため、予備のデバイスを準備しておくことも重要である。特にキーボードやマウスが使用できなくなると、物理的な操作が困難になるため、Bluetoothデバイスや有線接続デバイスを試すことが推奨される。

さらに、BitLockerの復旧キーが求められる場合に備えて、あらかじめ復旧キーを確認しておくことが望ましい。これにより、万が一の状況に迅速に対応できる。また、マイクロソフトが提供する公式サポートページを定期的に確認し、今後の修正パッチや追加の対応策に備えることが重要である。

問題が発生する前に、最新の更新プログラムをインストールする前には必ずバックアップを取ることが推奨される。