Microsoftは最新のWindows 11 24H2アップデートで、次世代画像フォーマット「JPEG XL」のサポートを追加した。このフォーマットは従来のJPEGと比べて最大55%もファイルサイズを削減しながら、高画質と広色域を維持できるのが特徴だ。

JPEG XLは、従来のJPEGやAVIF、WebPなどのフォーマットに対して、優れた圧縮性能と高速な開封・共有を実現。特に静止画向けに最適化されており、写真愛好家や高品質な画像を求めるユーザーにとって注目すべき技術といえる。

Windows 11でJPEG XLを利用するには、Microsoft Storeから「JPEG XL Image Extension」をインストールするだけ。これによりエクスプローラーでのプレビューやサムネイル表示が可能になり、今後さらに多くのアプリでの対応が期待される。

JPEG XLがもたらすメリット 従来フォーマットとの違い

JPEG XLは、静止画の品質を保ちながらファイルサイズを大幅に削減できる次世代フォーマットだ。従来のJPEGに比べ、最大55%もの圧縮が可能とされており、ストレージの節約や高速な画像転送に貢献する。さらに、AVIFと比較しても最大25%小さくなるとされ、圧縮率と画質のバランスが優れている。JPEG XLは非可逆圧縮と可逆圧縮の両方に対応し、用途に応じた選択が可能となっている。

画質の面では、HDR(ハイダイナミックレンジ)や広色域(WCG)に対応しているのが大きな特徴だ。JPEGでは難しかった繊細な色の表現が可能となり、よりリアルな画像再現が期待できる。さらに、JPEG XLはアルファチャンネルもサポートしており、透明度を活用した画像編集やデザイン作業にも適している。

これにより、単なる写真用途にとどまらず、デジタルアートやグラフィックデザインの分野でも活躍するだろう。

従来のJPEGやWebP、AVIFといったフォーマットは、それぞれの目的に応じた強みを持つ。しかし、JPEG XLはそれらの技術を総合的に進化させたものであり、将来的に主流フォーマットの一つとなる可能性がある。ただし、現時点では普及のための環境整備が課題であり、どの程度の速度で広がっていくかは今後の対応次第といえる。

Windows 11 24H2でのJPEG XL対応 ユーザーに与える影響

Windows 11 24H2でJPEG XLが正式にサポートされたことで、PC環境における画像フォーマットの選択肢が広がった。特に、Microsoft Storeで提供される「JPEG XL Image Extension」をインストールするだけで簡単に利用できる点は、多くのユーザーにとって利便性が高い。

インストール後はエクスプローラーでJPEG XLファイルのプレビューやサムネイル表示が可能になり、既存の画像フォーマットと同じように扱うことができる。

これにより、JPEG XL形式の画像を閲覧するだけでなく、将来的に対応アプリが増えることで、編集や保存の際にも活用できるようになる可能性がある。Microsoftは、JPEG XLの対応を今後さらに拡張するとしており、写真編集ソフトやWebブラウザなどの他のアプリケーションとの連携も期待される。

特に、透明度を活かした画像編集が可能になることで、クリエイティブな作業にも適したフォーマットとして注目されるだろう。

しかし、JPEG XLが広く普及するためには、対応ソフトやWeb環境の整備が不可欠だ。現在のWebブラウザの多くはJPEG XLをネイティブにはサポートしておらず、特定のプラグインや拡張機能を利用する必要がある。Windows 11の標準環境に組み込まれたことで、今後の普及速度が加速する可能性はあるが、他のプラットフォームやサービスがどのように対応していくかが鍵となる。

JPEG XLの未来 画像フォーマットの新たなスタンダードとなるか

JPEG XLは高圧縮率と高画質を両立する先進的なフォーマットであり、写真やデジタルコンテンツの分野で新たな標準となる可能性がある。JPEGの利便性とAVIFの圧縮性能を併せ持つことから、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。しかし、新しいフォーマットが市場に浸透するには、対応環境の整備が重要な要素となる。

現在、JPEG XLのサポート状況は限定的であり、Webブラウザの多くは標準では対応していない。Google ChromeやMozilla Firefoxなど主要なブラウザが公式にサポートするかどうかは、今後の動向を見守る必要がある。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル環境での対応も課題の一つであり、デスクトップ環境にとどまらず幅広いデバイスで利用可能になることが普及の鍵を握る。

一方で、JPEG XLはライセンスフリーであり、特許の制約を受けない点が大きな強みだ。これは企業や開発者にとって導入しやすい要素となり、オープンソースのソフトウェアや無料の画像編集ツールへの実装が進む可能性もある。

もし主要な画像編集ソフトウェアやSNSプラットフォームが対応を進めれば、一気に普及が加速するかもしれない。今後の展開次第では、JPEG XLが静止画フォーマットの新たなスタンダードとして確立される可能性は十分にある。

Source:MSPoweruser