KOEI Tecmoが手掛けた最新作『Dynasty Warriors: Origins』のPCデモが公開され、ハイエンドPCでの性能が明らかになった。本作はネイティブ4K設定で100FPS以上を維持し、最大133FPSを記録する場面も見られるなど、シリーズ初の高フレームレート対応が注目されている。

テストにはAMD Ryzen 9 7950X3DとNVIDIA GeForce RTX 4090を使用。CPUがボトルネックとなる場面もあったが、マルチスレッド対応の向上が評価されている。一方で、低解像度のUIや不自然なマウス操作など、課題も残る。とはいえ、PC版の最適化における前進は間違いないと言えるだろう。

ハイエンド環境で明らかになった『Dynasty Warriors: Origins』の性能限界

『Dynasty Warriors: Origins』は、AMD Ryzen 9 7950X3DとNVIDIA GeForce RTX 4090という現行最高峰のPC構成でテストされ、その性能が際立つ結果を見せた。本作では、シリーズ初の60FPS超えをサポートし、ネイティブ4K設定でも常に100FPS以上を維持。戦闘の激しい場面では最大133FPSに達することもあり、特に大規模戦闘中のスムーズさは他タイトルと比較しても印象的である。

しかしながら、CPUボトルネックが一部のカットシーンで50~55FPSという結果を招き、GPU使用率が約35%に低下したことは注目すべき課題である。これにより、Ryzen 9 7950X3Dのようなマルチスレッド性能に優れたCPUの重要性が浮き彫りとなった。

一方で、すべてのCPUコアを効果的に活用するゲーム設計は、KOEI Tecmoの技術力を示すものであり、今後の最適化によってさらなるパフォーマンス向上が期待される。特に、6コア以上の環境を活用できる点は、ユーザーの投資価値を高めるポイントといえる。

ゲーム設計と技術革新の進歩と課題

本作では、マルチスレッド処理への対応が強化され、Ryzen 9 7950X3Dの全コアが効果的に稼働する設計が光る。この点で『Dynasty Warriors: Origins』は、他の多くのタイトルよりも進んだ設計思想を持つ。

しかし、それが必ずしも完成度の高さに直結しているわけではない。例えば、テスト環境ではCPUがボトルネックとなる場面が観測され、これが一部のシーンでのフレームレート低下を引き起こした。この現象は、ハイエンドPCユーザーにとっても注意が必要だ。

また、技術的な進歩とは裏腹に、低解像度のUIやマウス操作の不自然さといった基本的な要素で課題が残る点は、最適化が未完了であることを示唆している。特に、UIがぼやけて見える問題は4K環境での視覚的体験を損ない、没入感の低下を招いている。これらはリリース前のデモ版に特有の問題である可能性が高いが、Omega Forceの開発力が真に試されるポイントとなるだろう。

PCゲーマーが得る恩恵と残された期待

『Dynasty Warriors: Origins』は、ハイエンド環境において非常に快適なプレイを提供するタイトルでありながら、広範囲のユーザーに向けた調整が求められる状況にある。ハイエンドPCでは120FPS以上のスムーズな動作が確認されているが、この体験をより多くのユーザーが享受するには、中程度のPC構成でのさらなる最適化が鍵となる。

グラフィック面では「シリーズで最も美しい」と評価される一方、現行のAAAタイトルと比較して突出したビジュアルではない。これは、シリーズファンにとっては十分だとしても、新規ユーザーの関心を引くには不十分かもしれない。

ただし、本作の強みである快適性とスムーズさが、今後のアップデートや修正によってさらに磨かれる可能性は高い。KOEI Tecmoがこの基準をベースに、次世代タイトルへの進化を見据えていることを願いたい。