AMDが2025年に投入予定のStrix Halo APUは、Radeon 8060S統合GPUを備え、40のRDNA 3.5ベースCUを搭載することが明らかになった。これは従来の統合GPUの性能を大幅に引き上げ、NVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptop GPUに匹敵する水準が期待されている。

リーカー「Golden Pig Upgrade」によると、最上位モデル「Ryzen AI MAX+ / PRO 395」では、16コア・32スレッドを搭載し、ハイエンドGPU性能を提供する構成である。AMDの新世代プラットフォームがもたらす次世代性能に注目が集まる。

Strix Halo APUの進化が示すAMDの新たな設計思想

AMDのStrix Halo APUが搭載するRadeon 8060S GPUは、RDNA 3.5アーキテクチャに基づき、40基のコンピュートユニット(CU)を備えることで、従来の統合型GPUの性能を大幅に向上させている。この新しいAPUは、Ryzen AI MAX+ / PRO 395シリーズに採用され、NVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptop GPUと対等な性能を目指している。

AMDがこうした設計に踏み切った背景には、ノートPC市場における競争力強化を狙った戦略がうかがえる。加えて、このアーキテクチャはCPUとGPUのシームレスな連携を可能にし、複雑なタスクをより効率的に処理できる環境を整えている。こうした設計は、CPUとGPUの融合によるパフォーマンスの向上と消費電力の最適化を実現するためのAMDの新しい方向性といえる。

高性能を実現する40CUのRDNA 3.5アーキテクチャ

Strix Halo APUのRadeon 8060Sは、40CUを搭載するRDNA 3.5ベースのGPUとして、デスクトップ向けGPUに匹敵する性能を目指している。これは単なる統合GPUではなく、ストリーミングや3Dレンダリングといった負荷の高い作業に耐えうる設計であり、ノートPCの限られたスペースと発熱環境を考慮しながらも高い性能を発揮する。

RDNA 3.5アーキテクチャは、前世代のRDNA 3に比べて電力効率とグラフィックス性能がさらに向上しており、AMDがエネルギー効率とハイパフォーマンスの両立を進めていることを示している。特に、NVIDIAの独占が進んでいたラップトップ市場において、AMDが積極的に介入することで新たな選択肢を提供し、競争を加速させる意図が見て取れる。

今後のRyzen AIシリーズの進化と市場への影響

AMDの新しいStrix Haloシリーズは、Ryzen AI 300シリーズ「Strix Point」をベースに設計されているが、特にRyzen AI MAX+ / PRO 395においては、16コアと32スレッドのプロセッサ構成に加え、最大40CUのRDNA 3.5 GPUを統合している。この構成は、AI処理や機械学習のワークロードにおいて大幅な性能向上を実現する可能性があり、データ処理の高速化と効率性を追求するAMDの方針が反映されている。

専門メディアのTweakTownによれば、Strix Halo APUの最上位モデルが市場に登場すれば、従来の統合GPU市場に大きな変化をもたらすことが予想される。AMDが示すこの方向性は、消費者に対し、ラップトップや省スペースPCでも妥協のない性能を提供する未来を見据えた動きであり、ユーザー層の拡大を期待させるものといえる。