Microsoftは、長年放置されていたMicrosoft Storeの「エラーコード 0x80131500」に対する修正策を発表した。このエラーは2019年にはすでに報告されており、「もう一度お試しください」というメッセージとともにストアの利用を妨げる問題として、多くのWindowsユーザーを悩ませていた。

今回の修正では、アプリのリセットや更新、トラブルシューティングの実行、TLS設定の調整といった4つの対策が提案されている。特にTLS 1.2とTLS 1.3の使用を推奨しており、古いプロトコルの無効化が解決策の一つとして挙げられている。

このエラーはWindows 10の時代から存在し、Redditなどのフォーラムでは数年前から報告が相次いでいた。しかし、Microsoftが公式に対応したのは2025年3月になってから。ストアの普及率の低さも対応の遅れに影響を与えた可能性があるが、今回の修正によってようやく安定した利用が期待できるだろう。

Microsoft Storeの「エラー 0x80131500」とは何だったのか

Microsoft Storeの「エラー 0x80131500」は、長年にわたってWindowsユーザーを悩ませてきた問題である。このエラーが発生すると、Microsoft Storeのアプリやアップデートが正常にダウンロードできず、「もう一度お試しください」というメッセージが表示される。

このエラーは2019年にはすでに報告されており、Windows 10の時代から存在していた。問題の原因は明確にされていなかったが、一部のユーザーはインターネット接続の不安定さやTLS（Transport Layer Security）設定の影響を指摘していた。

Redditなどのフォーラムでは、「キャッシュをクリアする」「別のWindowsアカウントを作成する」「ウイルス対策ソフトを無効化する」など、さまざまな対策が試されてきたが、根本的な解決には至らなかった。

この問題が6年以上も放置されていた理由は不明だが、Microsoft Storeの利用頻度が関係していた可能性はある。Windowsユーザーの多くは、必要なアプリを直接開発元のサイトから入手するため、ストアを頻繁に利用する層は限定的だった。そのため、エラーの影響を受けるユーザーが少なく、修正の優先度が低かったのかもしれない。

Microsoftが発表した4つの解決策とその効果

Microsoftは今回、この長年のエラーに対して4つの解決策を提示した。これらの方法を試すことで、Microsoft Storeが正常に動作する可能性がある。

  1. Microsoft Storeアプリのリセット
    　Windowsの設定からアプリの詳細を開き、Microsoft Storeを選択してリセットを実行する。この方法により、一時的なデータやキャッシュが削除され、ストアが正常に動作する可能性がある。
  2. アップデートの確認
    　Microsoft Store自体の更新が適用されていない場合、エラーが発生することがある。ストアのアップデートを適用することで、不具合が解消されることがある。
  3. Microsoft Storeのトラブルシューティング（Windows 10のみ）
    　Windows 10にはストア専用のトラブルシューティングツールが用意されており、これを実行すると問題を自動的に検出し、修正できる場合がある。
  4. TLS設定の更新
    　Windowsのインターネット設定からTLS 1.2およびTLS 1.3を有効にし、古いTLS 1.0やTLS 1.1を無効にする。この方法が特に有効とされており、エラーの原因がTLSの互換性にある場合に解決の鍵となる。

これらの方法のうち、特にTLSの更新はMicrosoft自身が推奨しているため、エラーの根本的な原因の一つだったと考えられる。過去には、一部のWindowsユーザーが手動でTLS設定を変更することで問題を回避できたという報告もあり、今回の修正策が正式な解決策となった可能性がある。

なぜMicrosoftはこの問題を6年間も放置したのか

このエラーが2019年に報告されてから6年以上も放置されていた理由は不明だが、Microsoft Storeの利用状況が関係している可能性がある。Windowsには、ストアを利用しなくてもソフトウェアを直接インストールできる環境が整っており、ストアのトラブルが発生しても大多数のユーザーにとって致命的な問題ではなかった。

また、Windows 11の登場後、MicrosoftはOSの新機能やAI統合といった大規模なアップデートに注力していた。こうした開発の優先順位の問題も、エラーの修正が遅れた一因となった可能性がある。さらに、エラーの影響を受けるユーザー数が限定的だったことも、対応の遅れに関係しているだろう。

とはいえ、今回の修正により、Microsoft Storeが安定して利用できるようになることは歓迎すべきことだ。ストアを利用する機会が少ないユーザーでも、必要なときにエラーなくアクセスできる環境は重要であり、今後のアップデートでも安定性の向上が求められる。

Source：TechRadar