ZotacのGeForce RTX 5090 Solidが、他のRTX 5090モデルと比較してパフォーマンスの低下を示していることが明らかになった。TechPowerUpの検証によると、このGPUは本来176基あるはずのROP(Raster Operations Pipelines)の数が168基に減少しており、『Elden Ring』のテストでは最大5.6%の性能低下が確認された。

同サイトの調査では、NvidiaのFounders EditionやMSI、ASUSのモデルにはこの異常は見られず、現時点でZotac製GPUのみに発生している可能性が高い。しかし、この問題がBIOSやドライバの更新で修正可能なのか、ハードウェア的な欠陥なのかはまだ判明していない。

今後、さらなる調査によって影響範囲や原因が明らかになると考えられるが、最悪の場合、該当製品のリコールや交換が必要になる可能性もある。OC3Dフォーラムではすでにこの問題に関する議論が活発に行われており、関心の高まりを見せている。

Zotac製RTX 5090のROP数減少が示す異常な仕様

RTX 5090シリーズは、Nvidiaの最新フラッグシップGPUとして発表されたが、今回発覚したZotac製モデルのROP数減少は予想外の問題である。TechPowerUpの検証によると、本来176基であるはずのROPが168基しか搭載されておらず、GPU-Zによるデータでもその差異が明確に示されている。

通常、ROPの数はGPUの描画性能に直結し、フレームレートやレンダリングの処理速度に大きく影響を及ぼす。Nvidiaが公式に発表したRTX 5090のスペックシートでは176 ROPsと明記されており、今回のZotacモデルはそれを満たしていない。このような仕様の不一致は、単なるバグなのか、それとも設計段階の何らかの意図的な変更なのか、現時点でははっきりしていない。

Zotac製RTX 5090 Solid以外のモデルでは、これまでの調査の限りすべて176 ROPsを搭載していることが確認されている。そのため、この問題がZotac固有のものである可能性が高い。ただし、GPUの製造過程で何らかのエラーが発生した可能性も否定できず、同様の問題が他社の製品にも及ぶかどうかは今後の検証次第である。

ROP数の違いがパフォーマンスに与える具体的な影響

TechPowerUpが実施したテストでは、『Elden Ring』のベンチマークで最大5.6%のパフォーマンス低下が確認された。これは、ROP数の減少によってピクセルの処理速度が低下した結果と考えられる。ROPはレンダリングの最終段階で重要な役割を担っており、その数が減るとゲームや映像処理の負荷が増加する。

ただし、すべてのゲームで同じ影響があるわけではない。特に、シェーダー演算やAI処理がボトルネックとなるタイトルでは、ROP数の違いが目立たない可能性がある。

一方で、高解像度や高フレームレートでのプレイを求めるユーザーにとっては、わずかなパフォーマンス低下でも影響は大きい。特に、4Kや8K解像度でのゲームプレイにおいてはROPの処理能力が重要であり、今回の差異が問題視される理由のひとつになっている。

さらに、BIOSやドライバの更新で修正可能な問題なのか、ハードウェアレベルで制約を受けるのかも不明である。もし後者であれば、ソフトウェア的な改善は難しく、該当モデルの交換や返品対応が必要になる可能性もある。今後のNvidiaやZotacの対応によって、この問題の深刻度が明らかになるだろう。

RTX 5090の品質管理と今後の動向

今回の問題は、RTX 5090の品質管理に疑問を投げかけるものとなった。通常、ハイエンドGPUでは各メーカーが厳格なテストを行い、公式スペックと一致することを確認する。しかし、今回のようにROP数が明らかに異なるモデルが市場に出回っていることは異例であり、品質管理のプロセスに何らかの問題があった可能性がある。

特に、Nvidiaの認証プロセスを通過したはずの製品が、本来の仕様を満たしていないことは、ユーザーにとって不安材料となる。今後、ZotacやNvidiaが公式声明を発表し、この問題の原因や対応策を明らかにすることが求められる。もし単なるBIOSの設定ミスであれば、修正ファームウェアの配布で解決できるかもしれないが、そうでなければリコールの可能性も否定できない。

また、他のメーカーのRTX 5090にも同様の異常が見つかるのかどうかも注目される点だ。現時点ではZotac製のみの問題とされているが、もし製造プロセスに起因するものならば、他のブランドでも発生する可能性がある。ユーザーは今後の動向を注視しつつ、購入時に細心の注意を払うべきだろう。

Source:OC3D