最新のStatCounterデータによれば、Windows 11の市場シェアが36.6%に達し、過去最高を記録した。これは前月比で2.5ポイントの増加となる。一方、Windows 10のシェアは60.37%で、2.37ポイントの減少が見られる。
このシェア変動の背景には、Windows 11 バージョン24H2の提供開始や、Windows 10のメインストリームサポート終了が近づいていることが影響していると考えられる。また、サポートが終了しているWindows 7やWindows 8.1のシェアは微減傾向にある。これらのデータは、ユーザーの最新OSへの移行が徐々に進んでいることを示している。
Windows 11のシェア拡大を後押しする最新機能とは

Windows 11の市場シェアが急上昇している背景には、最新アップデート「バージョン24H2」の提供が大きく関係している。このアップデートでは、AI機能の強化や新しいUIの調整が行われており、特にCopilotの進化が注目されている。
Microsoftは、Windows 11に組み込まれたCopilotをより使いやすくし、タスクの効率化を図る機能を充実させた。このようなAI関連の強化により、Windows 11は従来のバージョンと比べて、より直感的でスマートな体験を提供するOSへと進化している。
さらに、バージョン24H2では、省電力モードの最適化が図られ、バッテリー駆動時間が向上したとされている。特にノートPCユーザーにとっては、長時間の作業が可能になることで、Windows 11の利便性が高まった。
この他、タッチ操作やジェスチャー機能の改善も進み、2-in-1デバイスでの使い勝手が向上した点もポイントだ。Windows 11は、デスクトップPCだけでなく、モバイルデバイスとの親和性を高め、より多様な環境で快適に使用できるように進化している。
一方で、これらの新機能を活用するためには、対応するハードウェアが必要になる。特にAI機能の拡張は、専用のハードウェアを搭載していないPCでは十分に活かせない可能性がある。Windows 10からのアップグレードを検討するユーザーにとっては、最新機能を最大限に活かせる環境を整えることが課題となるかもしれない。
Windows 10からの移行が進む理由と懸念点
Windows 10の市場シェアは依然として過半数を占めているが、徐々に減少傾向にある。その最大の理由は、Microsoftが公式に発表しているWindow3s 10のサポート終了だ。
2025年10月にWindows 10のメインストリームサポートが終了するため、多くのユーザーがWindows 11への移行を迫られている。セキュリティの観点からも、最新のサポートが受けられるWindows 11へのアップグレードが推奨されるケースが増えてきている。
しかし、移行が進む一方で、Windows 11へのアップグレードにはいくつかの障壁も存在する。まず、ハードウェア要件の厳しさが問題となっている。Windows 11はTPM 2.0や特定のCPUを必要とするため、古いPCではアップグレードができない。
Windows 10を使用している多くのユーザーは、現行のデバイスをそのまま使い続けたいと考えているが、ハードウェアが対応していない場合、新たにPCを購入する必要が出てくる。
さらに、一部のユーザーは、Windows 11のUIや操作感の変化に不満を抱えている。Windows 10と比較してスタートメニューやタスクバーの仕様が変更され、従来の操作に慣れたユーザーにとっては使い勝手が異なると感じることもある。
また、最新バージョンのWindows 11では、設定アプリの構成が変わるなど、細かな部分での調整が必要になるケースもある。これらの変化が、Windows 10のユーザーがすぐに移行しない理由の一つとなっている。
とはいえ、Windows 10のサポート終了が迫る中、最終的には多くのユーザーがWindows 11へと移行することが予想される。Microsoftは今後もWindows 11の最適化を進めるとみられ、UIや互換性の課題が解決されることで、より多くのユーザーがスムーズに移行できる環境が整うかもしれない。
Source:Neowin