Nvidiaの次世代GPU「RTX 5070 Ti」の発売が2月20日になる可能性が高まっている。
MSIフランスが公式サイトに誤ってカウントダウンタイマーを掲載し、これが意図しないリークとなった。
一方で、標準モデルの「RTX 5070」の発売時期については、依然として不明のままである。
RTX 5070 Tiの発売日については以前から噂があったが、今回のMSIフランスの“ミス”が、その信憑性をさらに高める形となった。問題のページには、カウントダウンタイマーが10日間に設定されており、2月10日に公開されたことから計算上2月20日が発売日となる。ただし、MSIはすぐにこのページを削除しており、正式発表ではないことを強調している。
これが単なる誤りなのか、それとも意図的なリークなのかは不明だ。しかし、RTX 5070 TiはRTX 5080よりも手頃な価格で、「Blackwell」アーキテクチャを採用した次世代GPUとして注目されており、発売後の争奪戦が予想される。一方で、RTX 5070の発売情報が依然として伏せられていることから、「Tiモデルが先に登場し、無印モデルは遅れて発売されるのではないか」という見方が強まっている。
また、競合のAMDは3月に「RX 9070」シリーズを投入する予定であり、NvidiaのRTX 5070が遅れれば、AMDにとって有利な展開となる可能性がある。新型GPUの発売時期が市場にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目される。
MSIのフライング公開が示唆するRTX 5070 Tiの仕様と期待される性能
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MSIの誤ったカウントダウン公開が話題となっているが、RTX 5070 Tiの具体的な仕様については依然として公式発表がない。しかし、これまでのリーク情報やNvidiaの過去モデルの傾向から、いくつかの特徴が推測できる。
まず、RTX 5070 Tiは最新の「Blackwell」アーキテクチャを採用し、前世代のRTX 4070 Tiと比較して、より高いレイトレーシング性能と電力効率を実現する可能性が高い。また、VRAMの容量に関しても、16GB GDDR6Xが搭載されるという噂があり、これはハイエンド向けゲームやクリエイター用途にも十分なスペックとなる。
一方、CUDAコア数やクロック周波数については詳細が明らかになっていないものの、RTX 4080の下位モデルとして、適度にパワーダウンされた仕様になると予想される。特に、消費電力の面では前世代よりも抑えられる可能性が高く、電源ユニットへの負荷が軽減される点は、多くのユーザーにとって魅力的なポイントとなるだろう。
このように、RTX 5070 Tiは単なる「上位ミドルクラス」の枠を超え、RTX 4070 Tiと比較して大幅に性能が向上する可能性がある。特に、AI処理や最新のDLSS技術が強化されることで、ゲームプレイやクリエイティブ用途の快適さが一層向上することが期待される。
発売が近づくにつれ、Nvidiaやボードパートナー各社からさらなる情報が公開されるはずだが、現時点での情報を見る限り、RTX 5070 Tiは次世代GPUの魅力を存分に備えたモデルとなる可能性が高い。
RTX 5070の発売遅延が示唆する市場動向と競争の行方
RTX 5070 Tiの情報が明らかになりつつある中で、標準モデルであるRTX 5070の発売については依然として不透明な状況が続いている。通常、NvidiaのGPUシリーズでは無印モデルが先に発売され、その後にTiモデルが追加される流れが一般的だ。
しかし、今回のケースではRTX 5070 Tiが先行し、RTX 5070が後回しにされる可能性が指摘されている。これは、Nvidiaの販売戦略の一環である可能性もあり、まず高価格帯のモデルを投入し、市場の需要を確認した後で標準モデルを展開する狙いがあるのかもしれない。
また、RTX 5070の発売が遅れることで、競争相手となるAMDの動きも大きく影響を受ける。AMDは3月に「RX 9070」シリーズを発表する見込みで、もしRTX 5070の発売が3月以降にずれ込めば、AMDがミドルクラス市場で優位に立つ可能性がある。
特に、AMDのGPUはVRAM容量の多さやコストパフォーマンスの高さを武器としており、Nvidiaのミドルクラスモデルが遅れれば、ユーザーの選択肢がAMDに傾くことも考えられる。
とはいえ、Nvidiaがこの状況を見過ごすとは考えにくく、何らかの形で対応策を講じる可能性もある。例えば、RTX 5070の価格を従来よりも抑えるか、発売当初から在庫を十分に確保することで、供給不足による価格高騰を防ぐといった動きが予想される。いずれにせよ、RTX 5070の発売時期がどのように設定されるかによって、2024年のGPU市場の勢力図が大きく変わる可能性がある。
Source:TechRadar