Windows 11 または Windows 10 をインストールしようとした際、「No bootfile found for UEFI」というエラーが表示され、セットアップが進まないことがある。このエラーは、ブートファイルが見つからないか、使用している ISO イメージが x64 UEFI をサポートしていない場合に発生する。
原因として、ブート順の設定ミス、破損したインストールメディア、不適切な ISO ファイルの使用、または古いパーティション情報の干渉などが考えられる。適切な対処を行うことで、この問題は解決可能だ。
本記事では、BIOS 設定の見直し、クリーンインストール時の注意点、Media Creation Tool を利用したインストールメディアの再作成、ISO ファイルの適切な選択方法など、具体的な解決策を詳しく解説する。
UEFI ブートエラーの原因と Windows のインストール環境が影響する理由
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Windows 11/10 のインストール時に「No bootfile found for UEFI」というエラーが発生する主な原因として、UEFI の仕様とインストールメディアの互換性が深く関係している。特に、Windows のセットアップ時に UEFI モードで起動するか、レガシー BIOS モードで起動するかは、システムの設定や使用するメディアによって変わるため、誤った組み合わせではエラーが発生することがある。
例えば、Windows 11 は UEFI モードのみをサポートしており、レガシー BIOS モードでインストールしようとするとセットアップが進まない。一方で、Windows 10 は UEFI とレガシー BIOS の両方をサポートしているため、インストール時のブート設定が適切でないとエラーが発生する可能性がある。
また、ブータブル USB の作成方法によってもエラーの発生率が変わる。例えば、Rufus などのツールを使用して USB を作成する際、UEFI 用のブートローダーを適切に設定しなければ、システムが正しくブートファイルを読み込めない。そのため、インストールメディアの作成時に、対象の PC が UEFI に対応しているか、または適切なブートモードが選択されているかを確認することが重要だ。
さらに、ISO ファイルが破損していたり、適切なバージョンでない場合もエラーの原因となる。特に、非公式なサイトからダウンロードした ISO ファイルは、適切な UEFI ブート構成が含まれていないことがあり、Microsoft の公式サイトから正規の Media Creation Tool を利用してダウンロードすることが推奨される。
BIOS 設定の見直しが解決の鍵となる理由
このエラーが発生した場合、BIOS(または UEFI 設定)を適切に構成することが解決の鍵となる。多くの PC は、UEFI とレガシー BIOS の両方に対応しているが、デフォルトのブートモードが変更されていることがあるため、設定を確認することが重要だ。
まず、BIOS にアクセスし、「Boot Mode」の項目を確認する。もし「Legacy」や「CSM(Compatibility Support Module)」が有効になっている場合、それを「UEFI」に変更することで、エラーが解消される可能性がある。Windows 11 をインストールする場合は、必ず UEFI モードでブートする必要があるため、この設定が正しくないとインストールが進まない。
また、セキュアブート(Secure Boot)や Fast Boot の設定が影響することもある。特に、カスタム構成の PC では、セキュアブートが有効になっていると、非純正のブートローダーがブロックされることがある。必要に応じてセキュアブートを無効化し、インストール完了後に再度有効化することで、エラーを回避できることがある。
ブート順の設定も見直すべきポイントの一つだ。USB メディアを使用してインストールする場合、USB デバイスが最優先のブートデバイスとして設定されていなければ、システムがハードディスクを先に読み込んでしまい、ブートファイルを検出できないことがある。BIOS で「Boot Order(ブート優先順位)」を変更し、USB を最優先にすることで、正しくセットアップが開始される。
さらに、BIOS のバージョンが古いと、新しい UEFI 構成に対応していないことがある。メーカーの公式サイトで最新の BIOS アップデートを確認し、必要に応じてアップデートを実行することも、解決策の一つとして考えられる。
Windows インストール時のトラブルを回避するためのベストプラクティス
エラーを未然に防ぐためには、Windows のインストールメディア作成やシステムの設定を適切に管理することが重要だ。まず、ISO ファイルは Microsoft の公式サイトからダウンロードし、Media Creation Tool を利用して作成することが推奨される。これにより、ISO の破損やブート設定の不整合が発生する可能性を減らせる。
また、USB メディアを作成する際には、正しいフォーマットを選択することが必要だ。Windows 11 を UEFI モードでインストールする場合、USB は FAT32 形式でフォーマットされている必要がある。NTFS 形式では UEFI でのブートが正常に行われないことがあり、エラーの原因となることがある。
さらに、Windows のインストールを行う前に、ストレージのパーティションを整理することも有効だ。特に、以前に異なる OS を使用していたディスクでは、古いパーティション情報が残っていることでインストールが妨げられることがある。そのため、セットアップ中に「すべてのパーティションを削除」し、新しくパーティションを作成することで、インストールの成功率を高められる。
最後に、インストールプロセス中に発生する問題を迅速に解決するために、BIOS の設定変更やブートメディアの作成をスムーズに行える環境を整えておくことが重要だ。例えば、別の PC でエラーメッセージを調査したり、追加の USB メディアを用意しておくことで、問題が発生した際にも迅速に対応できる。
Windows のインストール時に「No bootfile found for UEFI」というエラーが発生した場合、適切な対処を行えば解決できることがほとんどだ。正しい手順を踏み、適切な設定を行うことで、スムーズな OS インストールを実現できる。
Source:The Windows Club