Nvidiaが新たなArmベースのAPUを開発しているとされ、統合グラフィックス性能がモバイル向けのRTX 4070に匹敵する可能性があるとリーク情報が伝えている。このAPUは、パワフルで高効率なグラフィックスを統合し、ノートパソコン市場に革命をもたらすことを目指しており、Alienwareなどの大手メーカーとの連携も進行中だ。

消費電力が65Wに抑えられたこのチップは、AMDの次世代APU「Strix Halo」と競争を繰り広げることが期待されている。RTX 4070級のグラフィックス性能を薄型・軽量デバイスに実現するNvidiaの野心的な計画は、業界の注目を集め、IntelやAMDにとっても大きな影響を及ぼすと見られる。

Nvidiaの新APUが持つ驚異的な効率性とその背景

Nvidiaの新たなArmベースAPUは、統合グラフィックスでRTX 4070モバイル向けGPUに匹敵する性能を持つ可能性があると、テック系リーカー「Moore’s Law is Dead」が指摘している。

このAPUの消費電力は65Wに抑えられており、モバイルデバイスにおいて優れたエネルギー効率を実現することが予想される。これにより、従来の独立グラフィックスカードが不要となることで、薄型軽量のゲーミングノートパソコンや携帯型PC向けの市場に新たな可能性をもたらすだろう。

対して、AMDのStrix HaloフラッグシップAPUは、消費電力が120Wに達すると噂されており、高い性能を維持しつつもポータブルデバイスでの活用には課題が残るかもしれない。電力消費が抑えられたNvidiaのAPUは、電池持ちを重視するユーザーにとって重要な選択肢となり得る。

このような技術的進歩の裏には、Nvidiaと提携するメーカー各社が求めるモバイル市場への進出意欲があり、Alienwareとの取引も進行中との報道は、Nvidiaが業界のトレンドに即応しようとしている姿勢を示しているといえる。

AMDとの熾烈な競争とNvidiaの戦略

2025年のCESでAMDが発表するとされるStrix Halo APUは、Nvidiaの新APUとほぼ同時期に市場に投入される可能性がある。

Strix Haloが実際に市場に登場することで、RTX 4070モバイルGPUに匹敵する性能を誇るNvidiaのAPUとの競争が一層激化するだろう。TechRadarによれば、Strix Haloも統合グラフィックスにおいてRTX 4070に対抗し得る性能を持つとされ、両社の戦いがモバイルゲーミングデバイス市場に革新をもたらすことが期待される。

ただし、AMDが提供するx86アーキテクチャは、互換性やパフォーマンス面で既存のWindowsシステムとの親和性が高いという強みを持つ。一方で、NvidiaはArmベースの設計に依存しているため、Windows on Arm上でのパフォーマンスに課題が残る可能性がある。

しかし、Nvidiaの65Wという低消費電力設計がポータブル市場においてアドバンテージとなり得ることは明白であり、この分野での開発を進める意義は十分にある。

Intelにとっての脅威とNvidiaの新たな市場拡大の可能性

NvidiaがAPU市場に本格参入することで、既存のモバイルCPU市場を支配するIntelにも影響を与える可能性がある。Intelは長年ノートパソコン向けCPUで高いシェアを誇ってきたが、デスクトップ向けプロセッサにおいて苦戦が続くなかで、モバイル分野への競争の激化はさらなるプレッシャーをもたらすだろう。NvidiaのAPUが成功を収めた場合、Intelはモバイル市場での優位性を揺るがされることが予想される。

NvidiaがMediaTekと協力して製造するこの新たなArmベースCPUは、デバイスの薄型化・高性能化を求めるメーカーのニーズを反映しており、今後の市場拡大の可能性を秘めている。Intelにとってこの状況は脅威であるが、Nvidiaがこの分野での地位を確立するためには、Windows on Armでのパフォーマンスや互換性といった課題をクリアする必要があるといえる。