2024年6月にMicrosoftが復活を発表したWindows 10のBetaチャンネルが、わずか5か月で再び廃止されることが決定した。Betaチャンネルは当初、2025年10月のサポート終了が迫るWindows 10に新機能を先行して試せる場として再開されたが、短期間での終了が告知されたことにより、支持層の間で驚きを呼んでいる。

最終ビルドとなる19045.5194(KB5046714)が既に配信されており、今後はBetaチャンネル利用者が自動的にリリースプレビューチャンネルへ移行される予定だ。サポート終了が目前のOSで新機能テストを続ける意味が問われる中、MicrosoftはESUプログラムを通じて有料のセキュリティ更新を提供する方針を強調している。

Windows 10 Betaチャンネル復活からわずか5か月の廃止、その背景とは

Microsoftは2024年6月、Windows 10のインサイダー向けにBetaチャンネルを再始動させたが、同年11月にはこれを再び廃止する決定を下した。この短期間での終了に至った背景には、OS自体のサポート終了が迫る中で新機能のテストを行う意義に対する疑問が根底にあると考えられる。Windows 10は2025年10月にサポートが終了予定であり、ユーザーが段階的にWindows 11へ移行する動きも見られる。

これに伴い、Microsoftは最新機能を試す場としてWindows 11のテストチャンネルへ重きを置く方針に転じた可能性がある。Neowinが報じた通り、同社はビルド19045.5194を最後のBetaビルドと位置づけており、Windows 10における新機能の追加には期待が持てない状況にあるといえよう。

リリースプレビューチャンネルへの自動移行でユーザーに与える影響

Betaチャンネルの終了に伴い、Windows 10 Betaチャンネルに参加していたユーザーはリリースプレビューチャンネルへ自動的に移行されることが決定している。このリリースプレビューチャンネルでは、新機能のテストではなく、品質改善やバグ修正を主とした安定版アップデートが行われる。Microsoftが意図するのは、短期間でのチャンネル廃止が混乱を招かないよう、

既存のBetaユーザーがスムーズに安定した更新を受けられるよう配慮した形だ。とはいえ、ベータテストを通じて最新技術に触れたかったユーザーにとっては不満も少なくないはずである。リリースプレビューチャンネルに移行することで、Microsoftにとっては安定的なサポートを提供しつつも、新機能のテスト意欲が減退することが懸念される事態となるかもしれない。

サポート終了が迫るWindows 10、ユーザーの選択肢と新たな課題

Windows 10のサポート終了が約1年後に控える中、MicrosoftはExtended Security Update(ESU)プログラムを提供することで、企業ユーザーや特定の一般ユーザーに追加のセキュリティ対策を有料で提供する方針である。2025年10月以降のサポート終了後も、特に企業のシステムではWindows 10を維持したいニーズが根強く残ると考えられるが、セキュリティ維持には年間30ドルの追加コストが発生する。

また、ハードウェアの要件を満たしていないPCに対してもWindows 11へのアップグレードが可能となっているが、Microsoftがサポートするアップデートには制約があるため、企業や個人ユーザーにとっては選択の難しさが増している。