ASUSは、Thunderbolt 5対応の新型拡張カード「ThunderboltEX 5」を発表した。これにより、最大120Gbpsの高速データ転送やDisplayPort 2.1による8K解像度の出力が可能となる。このカードはPCIe 4.0 x4インターフェースを採用し、3台の8Kモニターを60Hzで出力できるが、DSC技術が必要とされる。

また、デュアルUSB Type-Cポートを搭載し、最大130Wの充電に対応している点も特徴だ。さらに、Windows 11にのみ対応する一方で、Windows 10やLinuxのサポートは見送られている。これにより、高性能かつ柔軟なデバイス拡張が期待される一方、対応環境が限定される課題もある。

Thunderbolt 5の可能性を広げるASUSの新カード

ASUSが発表したThunderboltEX 5は、最新のThunderbolt 5規格に対応する拡張カードである。Thunderbolt 5は最大120Gbpsの双方向通信帯域を実現し、従来のThunderbolt 4の最大40Gbpsから大幅な性能向上を遂げている。この拡張カードの登場は、動画編集やデータ転送の速度を重視するクリエイターやプロフェッショナルにとって、作業効率を飛躍的に高める可能性を提供する。

このカードは、最新技術を搭載したインテルのJHL9580コントローラを採用していることが特徴で、GIGABYTEの同等製品とも同じアーキテクチャを持つ。Thunderboltデバイスの接続は最大5台まで可能で、さまざまな周辺機器を一括して利用することができる。PCIe 4.0 x4インターフェースにより、従来のPCIe 3.0に比べて高速なデータ転送が実現する。

最大130Wの高速充電とDisplayPort 2.1対応

ASUS ThunderboltEX 5は、デュアルUSB Type-Cポートを搭載し、合計で最大130Wの充電が可能である。各ポートごとに最大96Wの電力を供給でき、これによりMacBook ProなどのノートPCへの充電も問題なく行える。しかし、100W以上の充電を必要とする一部の高性能ノートPCには対応していない点に留意する必要がある。

さらに、この拡張カードは最新のDisplayPort 2.1をサポートしており、3台の8Kモニターを60Hzのリフレッシュレートで出力することができる。ただし、この出力にはDSC(Display Stream Compression)技術が必要となる。加えて、付属品として3つのmini DisplayPortアダプタが同梱され、さまざまなディスプレイ環境に対応する柔軟性も備えている。

8Kディスプレイを3台同時接続する性能

PCIe 4.0インターフェースを活用するASUS ThunderboltEX 5は、DisplayPort 2.1を通じて3台の8Kディスプレイを同時に接続できるパワフルな性能を持つ。これにより、高解像度の映像を必要とする業務環境やゲーミング用途においても、遅延のない快適な操作が実現する。

ただし、8K 60Hzの出力にはDSC技術が不可欠であり、対応するモニターを利用することが前提となる。映像処理や映像編集のプロフェッショナルにとって、この拡張カードは高い利便性を提供する。ASUSはさらに、カードには3つのUSB Type-Cケーブルも同梱しており、迅速な接続が可能となるよう配慮されている点も評価できる。

対応OSはWindows 11限定、Linux非対応

ASUS ThunderboltEX 5はWindows 11 64bitのみに対応しており、Windows 10およびLinux環境での利用はサポートされていない。これにより、最新のWindows環境を使用するユーザーに向けた製品であることが強調されているが、一部ユーザーには利用の制約が生じる。

このOS制限により、LinuxユーザーやWindows 10を利用し続ける企業ユーザーにとっては導入が難しい状況となる。ASUSは、こうした制約を設けることで最新OSへの移行を促す意図があると考えられるが、一方で市場の需要をどこまで満たせるかが課題となる。サポートが限定的であることから、ASUSは今後のアップデートで追加対応するかどうかが注目されるポイントである。