Microsoftは、Windows Insiderプログラムのカナリーチャンネル向けにWindows 11の新ビルド27729をリリースした。このアップデートでは、一部のノートPCやキーボードに搭載されたCopilotキーの設定機能が復活した。加えて、ゲームクラッシュやBitLockerの動作不良など、いくつかの問題が修正されている。
Copilotキーの設定機能が復活
Windows 11 Insider Build 27729では、特定のノートPCやキーボードに搭載されているCopilotキーの設定機能が再導入された。この機能により、ユーザーはCopilotキーを個別に設定し、特定のアプリケーションを起動するようにカスタマイズできる。MSIXパッケージで署名されたアプリが選択可能であり、セキュリティやプライバシー面でも強化された機能となっている。
この設定は「設定」→「個人用設定」→「テキスト入力」からアクセス可能である。ただし、接続されたキーボードにCopilotキーがない場合、この設定を変更しても何も起こらない。Copilotアプリがインストールされていない場合は、デフォルトでこのキーは機能しないため、特定のアプリを選ぶ必要がある。
Microsoftは今後、さらにこの機能の改善を予定しており、次回のアップデートでの改良が期待されている。Copilotキーは、特にビジネス用途やパワーユーザーにとって、効率的な作業フローを実現する重要なカスタマイズ要素となりそうだ。
ゲームクラッシュ問題などの修正
今回のビルド27729では、いくつかの不具合修正も行われた。その中でも注目されるのが、Microsoft Solitaireやカジュアルゲームが起動時にクラッシュする問題の修正である。この問題はビルド27718以降のユーザーに影響を与えていたが、今回のアップデートにより安定性が向上した。
また、ウィンドウ切り替え操作である「ALT + Tab」を使用した際に、一部のユーザーで画面が一時的に黒くなる問題も解消された。この不具合は、特定のグラフィック設定やデバイス構成に依存していたが、今回のアップデートで問題が解決されている。
さらに、BitLockerに関連する不具合も修正された。以前のビルドで少数のInsiderユーザーに影響していたこの問題は、データの暗号化機能が正常に動作しないケースがあったが、最新のビルドで修正された。これにより、セキュリティ面での安心感が増すこととなった。
既知の問題と対応策
ビルド27729には、いくつかの既知の問題が残っている。特に重要な注意点として、Copilot+対応PCでカナリーチャンネルに新規参加するユーザーは、Windows HelloのPINや生体認証機能が使用できなくなるケースが報告されている。この問題に直面した場合は、PINの再設定を行うことで対応可能だ。
また、一部の古いNVIDIA製GPU(例:GTX 970やQuadro K620など)を使用しているPCでは、画面が黒くなって応答しなくなる問題が発生している。この場合、Windows Recoveryにアクセスし、前のビルドにロールバックすることで一時的な対処が可能である。Microsoftはこの問題に対する修正作業を進めており、次回のアップデートでの解決が期待される。
さらに、特定の環境で、ページフォールトに関連するエラーメッセージが表示される問題も確認されている。この問題も現在調査中であり、今後のビルドで修正される見込みである。
次回アップデートに期待される改善点
今回のビルド27729では、いくつかの新機能や修正が導入されたが、今後のアップデートでもさらなる改善が期待されている。特に、Copilotキーのカスタマイズ機能については、ユーザーからのフィードバックをもとに、さらなる柔軟性を持たせる計画が示唆されている。
また、今回のアップデートで対応しきれなかった既知の問題についても、Microsoftは次回以降のビルドで修正を予定している。特に古いGPUに関連するディスプレイ問題や、エラーメッセージに関する不具合は、多くのユーザーにとって重要な課題であり、早期の解決が望まれる。
さらに、新しいスニッピングツールの機能追加も予定されており、今後のアップデートでテーブルデータのコピーが可能になる見通しである。このように、Windows Insiderプログラムは引き続き多くの新機能や改善を提供していく予定だ。