AMDは、次世代グラフィックスカード「Radeon RX 9070」シリーズを2025年3月に発売すると正式に発表した。同社CEOのリサ・スー氏は、これらのGPUが「メインストリーム向けに高品質な4Kゲーミングを提供する」と述べており、多くのゲーマーにとって注目の製品となるだろう。特に、NVIDIAのRTX 5070シリーズとの競争が予想され、ミッドレンジGPU市場での激しい争いが繰り広げられる可能性がある。

Radeon RX 9070の性能と特徴 4Kゲーミングに本当に対応するのか

AMDが発表したRadeon RX 9070シリーズは、4Kゲーミングをターゲットにしていると明言されている。しかし、真の4K環境で安定したパフォーマンスを発揮できるのか、そのスペックと技術に注目が集まっている。スー氏のコメントによれば、「メインストリーム向けの高品質な4Kゲーミング」を提供するとのことだが、具体的な性能面の詳細はまだ明らかにされていない。

これまでのAMDのGPUアーキテクチャを考慮すると、RX 9070はRDNA 4世代のGPUとなる可能性が高い。RDNA 4は電力効率の向上やレイトレーシング性能の強化が期待されており、特にAMD独自のFidelityFX Super Resolution(FSR)技術がアップグレードされることで、4K解像度のゲームプレイがよりスムーズになると予想される。

現在のFSR 3ではDLSSに比べて若干遅れを取っているとの評価もあるが、新世代のFSR 4が登場すれば、競争力が高まる可能性がある。

ただし、4K解像度でのネイティブレンダリングとアップスケーリング技術を組み合わせた場合、実際にどの程度のパフォーマンスが得られるのかがカギとなる。

特に、RTX 5070が新しいDLSS 4を搭載すると言われている中で、RX 9070がどのような強みを見せるのかがポイントだ。RTX 5070と比較した際に、純粋なフレームレートだけでなく、レイトレーシングやFSR 4の進化がどれほど影響を与えるのか、ベンチマーク結果が待たれる。

価格と競争力 RX 9070は本当にコスパの良い選択肢となるのか

AMDが過去に展開してきたミッドレンジGPUの戦略を踏まえると、RX 9070の価格設定が市場に与える影響は大きい。今回の発表では、具体的な価格は明かされていないが、過去の情報では「RX 9070とRX 9070 XTがどちらも749ドルになる」との噂があった。しかし、AMDのマーケティング責任者であるフランク・アゾス氏はこの情報を否定しており、実際の価格はまだ不透明なままだ。

競合であるNVIDIAのRTX 5070が549ドルになる可能性があるため、AMDがこの価格帯で対抗できるかが焦点となる。RTX 5070はDLSS 4のサポートや高いレイトレーシング性能を持つとされており、もしRX 9070が同価格帯で販売される場合、FSR 4の性能やネイティブパフォーマンスが比較対象になるだろう。また、FSR技術はオープンソースであるため、より広範囲のタイトルで活用できるという強みもある。

ただし、仮にRX 9070の価格が600ドルを超える場合、ユーザーにとっての選択肢は慎重にならざるを得ない。特に、RTX 5070がDLSS 4によるフレーム生成技術で大幅なパフォーマンス向上を実現すれば、価格と性能のバランスでRX 9070はやや不利になる可能性がある。一方で、AMDがより攻めた価格設定を行えば、コストパフォーマンスの面で有力な選択肢となる可能性は十分にある。

価格設定はゲーミング市場において極めて重要な要素であり、特に600ドル以下のGPUが求められる中で、RX 9070がどのような立ち位置に収まるかが注目される。発売が近づくにつれ、価格に関するさらなる情報が明らかになるだろう。

Source:GamesRadar+