MSIは、新型産業用PC「MS-C918」および「MS-C918S」を発表した。
これらのコンパクトなPCは、非クリティカルで制御された環境向けに設計され、
高いパフォーマンスと柔軟な接続性を持ちながらもコスト効率に優れている。

両モデルはIntel Alder Lake-N N100プロセッサを搭載し、
中程度の負荷に対応するための信頼性あるパフォーマンスを提供する。
特に小規模オフィスやデジタルサイネージ向けに最適な仕様となっている。

MSIの新型産業用PC「MS-C918」「MS-C918S」登場

MSIは、新たに「MS-C918」と「MS-C918S」というコンパクトな産業用PCを発表した。これらのモデルは、非クリティカルで制御された環境向けに設計されており、産業用途での信頼性と柔軟な接続性を兼ね備えている。両モデルともに、IntelのAlder Lake-N N100プロセッサを搭載しており、安定した処理性能を提供しつつ、低コストでの運用が可能となっている。

「MS-C918」はアクティブ冷却方式を採用しており、内蔵ファンによって適度な温度変動がある環境でも安定した動作を実現している。一方、「MS-C918S」はファンレス設計となっており、静音性と耐塵性を高めているため、騒音を抑える必要がある環境やメンテナンスが少ない設置場所に適している。これらの特性により、製造業やリテール業界、オフィス環境での幅広い用途に対応できる。

また、コンパクトなサイズも特筆すべき点であり、両モデルとも手のひらに収まるほどの大きさで、設置スペースを最大限に活用できる。特にモニター裏への取り付けや、限られたスペースでの利用を想定して設計されている点が魅力だ。

効率的な冷却システムと静音性の両立

「MS-C918」と「MS-C918S」の最大の特徴は、それぞれ異なる冷却方式を採用している点にある。「MS-C918」はアクティブ冷却システムを搭載し、内蔵ファンによって冷却を行う。この方式は、温度変動がある中程度の負荷環境での使用に最適であり、安定した動作を保証する。一方、「MS-C918S」はファンレス設計となっており、冷却をパッシブ方式で行うため、動作音が一切発生しない。

ファンレス設計の「MS-C918S」は、特に静音が求められる環境に適しており、音の出ないデバイスが必要な場所や、粉塵が多い場所での利用に優れた選択肢となる。このような静音性と耐塵性は、オフィスや商業施設、教育機関など、静かな環境での運用が求められるケースで効果を発揮する。

どちらのモデルも、冷却システムが優れているため、長時間にわたって安定したパフォーマンスを発揮することができ、特に工場やリテールなどの業務環境での利用においても信頼性が高い。

多彩な接続オプションと高い拡張性

「MS-C918」と「MS-C918S」は、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、多彩な接続オプションと高い拡張性を備えている。両モデルは、デュアルディスプレイ出力をサポートしており、HDMI 2.0ポートを2つ搭載するか、HDMIポートとDisplayPortの組み合わせにより、4K解像度の出力を実現している。これにより、高精細な映像出力が求められるデジタルサイネージや会議システムに最適だ。

また、HDMI CEC(Consumer Electronics Control)に対応しており、ディスプレイのリモコンを使って接続や電源管理が可能である点も、ユーザーの利便性を高めている。ストレージ面では、128GBのeMMCを内部ストレージとして搭載し、さらに外部ストレージとして最大2TBのSDカードに対応しているため、データやアプリケーションを十分に保存できる。

ネットワーク接続においても、WiFi 6EやBluetooth 5.2、1GbE LANを搭載しており、安定かつ高速な通信環境を提供する。さらに、VESAマウントに対応しているため、設置場所を選ばず、様々な環境での効率的な運用が可能である。

コンパクトな設計と多用途な産業利用に対応

「MS-C918」と「MS-C918S」は、非常にコンパクトな設計を実現しており、設置スペースに制約がある環境でも効率的に使用できる。具体的には、「MS-C918」のサイズは80mm x 80mm x 39.5mm、「MS-C918S」は80mm x 78mm x 48mmという手のひらサイズであり、ディスプレイの裏側や狭いスペースに設置できる点が大きな特徴である。

そのコンパクトさにもかかわらず、両モデルは高いパフォーマンスを発揮し、オフィスや小規模産業の現場で幅広い用途に対応できる。特に、デジタルサイネージや会議システム、さらには小規模な産業機器のコントロールシステムなど、スペース効率が求められる環境での使用に適している。

MSIは、これらのモデルに対して約3年の耐用期間を設計しており、ビジネスの技術更新サイクルにも対応する。また、高コストな産業用PCに比べて、MSIの産業向けコンパクトPCは、コスト効率に優れ、限られた予算でも導入しやすい。