Appleが新たに発表したMac Studioは、M3 UltraとM4 Maxという2種類のチップを搭載し、どちらが優れているのか注目を集めている。Appleの発表ではM3 Ultraが圧倒的な性能を誇るとされているが、実際のベンチマーク結果は異なる様相を示している。

Geekbench 6のテストでは、M4 Maxがシングルコア性能でM3 Ultraを上回る一方、M3 Ultraはマルチコア性能で約8%の優位性を持つことが判明。特にM4 Maxは第2世代の3nmプロセスを採用し、単独コアの処理効率でM3 Ultraを凌駕している。一方で、M3 Ultraは最大80コアのGPUを搭載可能なため、グラフィック性能を活かす作業では強みを持つと考えられる。

AppleはM3 UltraがM4 Maxの2倍の性能を持つと主張していたが、今回のベンチマーク結果とは乖離が見られる。今後さらなる検証が進むことで、両チップの実際の性能差がより明確になっていくだろう。

M3 UltraとM4 Maxのベンチマーク結果が示す意外な事実

Appleの最新チップM3 UltraとM4 Maxは、どちらもMac Studioに搭載されるハイエンドモデルとして登場した。Appleの発表ではM3 Ultraが圧倒的な性能を誇るとされていたが、実際のベンチマーク結果は異なる点を示している。

Vadim Yuryevが公開したGeekbench 6のスコアによると、M3 Ultraのシングルコア性能は3221、マルチコア性能は27749を記録。一方、M4 Maxはシングルコアで3921、マルチコアで25647となっている。この結果から、M4 Maxはシングルコア性能でM3 Ultraを上回り、M3 Ultraはマルチコア性能で約8%の優位性を持つことが明らかになった。

AppleはM3 UltraがM4 Maxの約2倍の性能を発揮すると発表していたが、このスコアを見る限り、少なくともCPU性能においてその差は大きくない。特にシングルコア性能においてM4 MaxがM3 Ultraを凌駕している点は、Appleの公式発表とは異なる興味深い事実といえる。今後、さらに詳細な検証が進めば、M3 Ultraのパフォーマンスがどこまで伸びるのかが見えてくるだろう。

M4 Maxのシングルコア性能が高い理由とは

M4 MaxのシングルコアスコアがM3 Ultraを上回った背景には、アーキテクチャの違いがあると考えられる。M4 MaxはAppleの最新技術である第2世代3nmプロセスを採用しており、これはM3シリーズの第1世代3nmプロセスよりも効率が向上している。単純なプロセスの進化によって、シングルコアの動作効率が向上した可能性がある。

また、M4 Maxは最新のCPUコア設計を採用しており、シングルスレッド処理時のパフォーマンスを強化する最適化が施されていると考えられる。一方のM3 Ultraは、2つのM3 Maxチップを統合する形で設計されており、マルチスレッド処理ではその構造が強みとなるが、シングルコア性能ではM4 Maxに劣る結果となったのかもしれない。

この結果は、M4 Maxが単体のタスク処理やアプリケーションの起動時間などのレスポンス速度で有利に働くことを示している。日常的な操作や軽負荷の作業ではM4 Maxがスムーズに動作する可能性が高く、必ずしもM3 Ultraがすべての用途で最適とは限らない。ユーザーの使用環境によって、どちらのチップが適しているのかは変わってくるだろう。

GPU性能と今後のM4 Ultraの可能性

M4 MaxとM3 Ultraの比較において、CPU性能だけではなくGPU性能も重要な要素となる。M4 Maxは最大40コアのGPUを搭載できるが、M3 Ultraは最大80コアまで拡張可能であり、グラフィック処理においてはM3 Ultraの方が圧倒的なポテンシャルを持つと考えられる。特に映像編集や3Dレンダリング、ゲーム開発などの用途ではM3 UltraのGPUパワーが大きな強みとなるだろう。

一方で、現在のM4 MaxのGPUアーキテクチャも進化を遂げており、コア数だけで単純に比較するのは難しい。AppleはM4チップの効率向上を強調しているため、M3 Ultraの80コアGPUがM4 Maxの40コアGPUに対してどれほどの差をつけるのかは、さらなるテスト結果を待つ必要がある。

また、Appleは現時点で「M4 Ultra」を発表していないが、2025年後半のMac Proに搭載される可能性も指摘されている。仮にM4 Ultraが登場すれば、M3 Ultraを大幅に上回る性能を発揮することが期待される。

ただし、今回のM3 UltraとM4 Maxの比較からも分かるように、単純なスペック上の数値だけでは実際のパフォーマンスを判断するのは難しい。今後のチップ展開と、その実際の性能がどうなるのか注目が集まるだろう。

Source:Digital Trends